エピローグ:
少し黒幕側出します。
この世界のどこかで
Unknown side
一人の人影が神殿の像に向かって祈りを捧げている。
像は語らず、くぐもった声だけが神殿の中に響く。
「・・・・・・」
「あの男は勘が良すぎます。 数多ある可能性の中から尽く正解を引き寄せる嗅覚があります。もう我々の存在、目的にも勘づいているかと。」
「・・・・・・」
「確かに憶測に過ぎませんが・・・・・・このままでは千年越しの計画に支障をきたします。ガリアが第三勢力として台頭するのはシナリオから大きく外れています。」
「・・・・・・」
「鈴の存在に気づきながらも、泳がしています。逆に此方の動きを知らせる相手の鈴にもなりかねません。」
「・・・・・・」
「枷も策を巡らして鈴を逃がそうと、我らに抵抗を続けていますし、鍵も集め始めています。」
「・・・・・・」
「真実を知られるのも時間の問題です。このまま放置するのはあまりに危険です・・・・・・」
「・・・・・・!!」
「・・・・・・!! ・・・いえ、分かりました。」
人影は何か思いつめたように、像の前から立ち去り、その場から去っていった。
残された像は変わらず黙したままだが、人影の気配が消え去ると砂の様に崩れ消え去っていった。
Unknwon end
黄泉の入口
「あのまま帰して良かったのですか主様?彼女も忠告に来てくれたのでは?」
「彼女の杞憂だ。マリアは召喚者達の穏健派が放った鈴に過ぎない。戦う利点も無いし、捕まえても情報は出ない。問題はブリタニア王政府の中枢にまで奴らの手が回ってることだ。エリーも、其れを危惧して、王族のサクストン家を人質という名目で避難、留学させたんだ、マリアは刺客には不向きだ、優しすぎる故に穏健派の手駒なんだろう。」
俺の固有スキル【魔改造】は相手の才能、保有スキルを見破る透視眼、観察眼が副次的に備わっている。 以前は黒装束に白い仮面を来たオペラ座の怪人、シスターバージョンだった時に二度、彼女のスキルを目指している。 留学生として編入した時は流石に【妨害念波】や【幻惑】のスキルでステータスを隠蔽していたが、そんなモノで誤魔化せん。
「彼女の心配も当然でしょう。マリアちゃんは、主様、カグヤさん同様、七英雄を軽く屠れる能力を有しています。人形師、鉄人、海賊王も彼女には敵いませんよ。今は、主様やカグヤさんの足元にも及びませんが、七英雄の中ではかつての勇者に匹敵するほどの潜在能力を秘めています。」
「・・・・・・あのリッチか」
「いいえ。あの人はリッチ化したとはいえ、神剣を所持していなかったこと、大精霊のリンクが切れていたことから全盛期と比べ弱体化していました。アレと比較はしない方がいいでしょう。」
「・・・・・・」
「穏健派が召喚した七英雄だからといって気を緩めないでください。召喚者達の手段、派閥は違えど、最終目的は同じなんです。急進派が主流に回ればかなりの脅威になります。戦乱の芽を完全に摘む為にも・・・」
その先は口にはしないいやさせない。・・・・・・その決断、手段は俺にとっても苦渋の決断であり、最も忌むべき方法だということはナミもカグヤも知っている筈だ。
「いえ、なんでもありません。ところで夏のご予定はどうなっています?」
俺の真意を組んで、これ以上は議論の余地無しと分かっていたのか、夏期休暇の話を降るナミ。
「ん? 夏期休暇だったな。 諸国のダンジョン、遺跡探索をしながら諸国外遊にでも行く予定だけど気が早すぎないか?」
「ふふ 新しい水着も用意しないといけませんね。」
「聞いてないし」
いや、最近は戦ったり、疑ったり、探ったりしてどっかでギスギスしすぎて余裕がなかったのかも知れない。
カグヤの心遣いに感謝し、一先ずは休暇を楽しむとしよう。 家庭を顧みないとな。
次回は新章!閑話、番外編ヒロイン達の仁義なき戦い?




