魔法使いとお姫様
少し修正しました。
私ガリア王国王女クラリス=ド=ガリアには、親友が二人います。
一人はガリア家に代々仕えてきた近衛騎士隊長の娘さんのアリシア
私より2歳年下の金髪碧眼の真面目な女性騎士の卵 しっかり者の妹みたいな娘 私の理解者。
もう一人はこの国の英雄さんで“教授”と呼ばれるアキラさん私より6歳上で私のお兄様みたいなかたです。
二人ともガリア国内では有名で方や王立士官学校次席にして、国内では剣術は父親のアレックス小父様に匹敵する天才剣士のアリシアに、ガリアの英雄にして王立士官学校名誉教授のアキラさん。
アリシアは幼馴染で普段は王女と家臣の線引きをしていていますが、二人きりの時は私のことを御姉さまやクラリスと敬称をはずして慕ってくれます。
アキラさんは、付き合いは一年程という短い付き合いですが、病で身体の弱った私の為に治療に来てくれました。
その時に外の話しや聞いたことのない物語を語ってくれました。
この親友の片方、アキラさんは一年前にガリアに宰相と私の従弟が謀反を引き起こし、近衛騎士の大半が敵にまわり、城を下級悪魔が包囲した時、急に現われてこれを鎮圧しました。
その1か月後には帝国の主力が国境線に集結し、アキラさんを傘下に引き込もうとしましたが、アキラさんは拒絶。
一日のうちに魔獣部隊、帝国騎乗兵、帝国幹部、七英雄のスズキを相手取り撃退しました。
国境線と帝国領内で蒼炎の戦女神と二度交戦し、緒戦は相打ち、第二戦は詳しく話してくれませんでしたが、前線基地を無力化して、やつれた顔をして帰ってきましたから勝利したのでしょう。
その後、カグヤ皇帝から果たし状や詩が贈られてくるそうです。
蒼炎の戦女神“カグヤ”東の諸国を攻め落とし戦は常勝無敗、老若男女を魅了する絶世の美女。
カグヤが新皇帝に即位してから、帝国の力は急激に増していき、魔石と古代文明の産地のガリア王国を資源として、ガリアの西に隣接している連合国の足がかりにしようとしたのですが。結果、予想外の伏兵の実力にあえなく撤退。
今頃、軍備の再編成を行っているのでしょうが、つい先日のアキラさんによる士官候補生、軍備拡張による戦力増加と国家予算の増大により、国力が大幅に上がったので、帝国軍の上層部は頭を抱えていることでしょう。
訊けばカグヤ皇帝はアキラさんと同郷の方だそうで、当人たちの仲はそんなに悪くはなく戦いたくないそうなので、今回のことで上手く相手方から相互不可侵条約を引き出せると思います。
そんな救国の英雄で親友のアキラさんに報償を与え貴族に取り立てようとするのですが、毎回断られ代わりに別の報酬を望みました。
黄泉の入口を攻略した時は、
「国内での遺跡、ダンジョン、王墓のフリーパスと収集したアイテムの独占販売権が欲しい。」
内戦を鎮圧した時は
「王立学園で週一で働きたい。」
帝国を退けた時は
「秘密裏にポーションと蘇生薬、金の針、アンデッドワクチンを国外から大量に輸入してほしい。大至急でお願い。 」
といったもので、すべてガリアの国力を結果的に大幅に上げていたのです。
そして今日のお茶会の席で何故此処まで国に尽くしてくれるのかと訊くと。
「国民の為に真剣に取り組んでいる王家それを支える人の力になれば大好きなこの国の人たちの笑顔が増えるから。」
と答えました。
「普段の王家に対する言葉と正反対ですね。アキラ?」
私、アリシア、アキラの三人でお茶会をしている時にアリシアが笑いながらそう言った。
「あら、またアキラさんがなにか言ったの?アリシア?」
「ええあることないことを面白おかしく私や教会の子供たちに話しています。この前は世界征服なんて単語がでましたね。」
「じゃぁ 本当に実行しちゃいましょうか?」
「あながち今の戦力では実現しかねないところが怖いですね。諸外国から概念攻撃用のポーション、アイテムを大量輸入した為、他国に我が国の様な戦力増加を抑制し、なお且つ、物資も此方が潤沢ですのでこのまま帝国に攻め込み傘下にした後、西の王国連合に攻め込めば世界征服も容易です。
ディアブル嬢をこちらに引き入れたのも大きいですね。この状況を見越していたとしたら、アキラこそ世界征服を企む魔王かと……ナミさんとの間に子をなさなくても十分に可能ですね。」
「“アリシア君”は手厳しいなぁ。優秀すぎる生徒をもって先生感動して涙が出そうだよ。」
「御褒めに預かり光栄です“魔王陛下”。」
「あらあら では私は魔王に囚われたお姫様ね❤ 王子様か騎士様が助けに来てくれるしら?」
「蒼炎の戦女神か神剣の勇者がディアブル嬢の指揮の元に戦えばあるいは、しかし望み薄ですね。」
「あらアリシアは助けに来てくれないの?」
「私は姫様とご一緒に攫われます ……そして姫様に代わりこの身を犠牲に アアッイケません アキラさんそこは 姫様が見てる前で/// そそんな同時でだなんて 私はわたしは~///」
「「………………」」
何を想像したのか急に悶え出すアリシア
こ この子も大分オープンになってきましたね、ナミさんの影響でしょうか?
しかしライバルが身内から出てきてしまいました……いえ問題ありません、でも正妻の座は譲りません!
「それで今日、俺を呼んだ理由はなんだい? クラリス。」
「はい、実は……」
■■■■■■■
今日 私は物語のヒロインのように好きな人に告白した。
相手は騎士でもなく王子様でもなく魔法使い。
魔法使いは少し驚いたけど嬉しそうにはにかんで、了承してくれた。
私の親友も祝福してくれて、そのまま彼女も告白、きっとその思いが抑えきれなくなり、私も彼女も宜しくと助け船をだす。
おとぎ話に出てくる少女たちを助ける魔法使い。
お姫様と結ばれる魔法使い。
そんな物語があってもいいんだと私は思います。




