笑顔の為に
日刊ランキング86位!!
おっしゃ~頑張ります!
「あ~く~ま~ちゃ~ん♪あ~そ~ぼ~」
酒場 悪魔の巣の裏口から先制攻撃の俺の言葉に酒場内でドタドタっとずっこける音が聞こえる。
フフフ…どうやら目論見は成功したようです。
周りからの視線は痛々しいが・・・
「お おい あいつなんて命知らずな」
「あ 悪魔ちゃんって・・・」
「殺されるぞ・・・」
「あれ? どこかで聞いたような声が?」
「オイ、早くここから離れるぞ!」
そう言って野次馬が退散していく中、裏口から声が聞こえてきた。
「・・・・・・どちらさんで? ウチは一見さんお断りだよ。」
「白い悪魔ちゃんと遊びに来たんですけど~ ボソ 七英雄の死神です。 今日はオフですんでお話にきました。」
「・・・・・・・・!!」
おお驚いてる驚いてる!
泣く子も黙る死神が盗賊を狩りに着たと思っても不思議じゃないよね~ 孤児院のガキども未だに俺をオジサン呼ばわりだけど(笑) 俺まだ20代なのに。
さ~てどう出る?
居留守は使えんぞ? 逃げるか?戦うか?話すか?さぁどう出る!?
「アンタが本物とは限らないだろ? 英雄の名を騙る馬鹿は掃いて捨てるほどいるんだよ。さっさと帰りな。」
その割にはアンタ動揺してたでしょうが・・・ああ認識阻害かけてたっけ。よ~し
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アルマside
ヤバイヤバイヤバイ間抜けな呼びかけで調子を狂わされたが只者じゃない! 超大物! 七英雄の一角で死都を、巨像を、七英雄の鋼鉄の巨人と蒼炎の戦女神を退けたうちの国の英雄様じゃないか!
認識を阻害する霧か呪いが体にかかってたが間違いなく本物だ。急いでボスに連絡を!
「してズラからないとってところですか~やっぱ俺のこと知ってたんじゃん?」
「な!! ア! アンタいつの間に!てかどうやって入ったんだい!」
「ふっふっふ それはもちろん鍵を破り・・・中のトラップを掻い潜りここまできたったわ! 楽勝だったぜ。」
そういえばあらゆるダンジョンの攻略者だったね。
どうするアタイじゃ時間稼ぎにもならない! 生存は絶望的だ。
「まぁ 落ち着いて? 今日は話し合いに来たんであって武器も持ってきてないからホラホラ」
そんな事いってもこの化物は素手でも充分強いし、魔法を使いこなす上に得体が知れないスキルや強さがあるんだ!なんの気休めにもなりゃしないよ! わかってて言ってるだろアンタ!! あと心の声を読むんじゃないよ!
「ん~なるべく仕事の邪魔にならない時間帯に来たんだけど・・・悪魔ちゃんは今日はいないのかい?」
「あ 悪魔ちゃんって・・・」
「あってるだろ? 君らのとこのボスのことだけど・・・其れに俺が本物だって事わかってるんだったら追い返さないでよ。 結構傷つくぞ?」
「フフフ アルマさんは心配性ですから。」
その時、2階からアタイ等のボスがおりてきた。
アルマside end
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で前回の冒頭に至るんだがこの白い少女 名前は 【ルー】・・・アルビノって言うんだろうな・・・病弱な程白い肌と腰まで伸ばした白いストレートヘア、赤い瞳の少女だが、生気が溢れ出さんほどの笑顔で話す少女で俺のことを警戒することもなく、応接室で談話しながら今回の盗賊退治の話に耳を傾けている。
結構話がわかる女性で話してみると結構面白い。 だが彼女は悪魔と呼ばれる程の女傑だ。
こちらも用心することに越したことはない。
といっても出鼻から俺はやらかしているが。
「雇うとは? 話の内容から、ウチのクリフが危ないだけですし、いざとなったら切り捨てばいいだけです。ギルドナイトのリンも私たちを相手取る必要がないことは知っているはずです。 其れにあなた一人で充分ことが足りるようですが?」
そう言ってニヤニヤして楽しそうに笑うルー この娘分かっててこう言う答えをしているな。
「お嬢 ヒデェ!」
と黒鎧の金髪イケメン君に泣きが入っているがここはどちらもスルー。
彼女は恐らくだが仲間を見捨てたりしないし、クリフも見た感じチャラい男ではあるが、不快感を感じるような下衆の匂いはしないから大丈夫だろう。
「この世界は君たちのものであるべきで俺たち異邦人が滅茶苦茶に荒らすことも恩恵を与えすぎることも俺の望むところじゃない・・・助けを求められても力は貸すけど基本的には本人の独力でやるべき問題だからね。」
是れはこの世界で生きてきた中で俺が出した答えだ。
現代知識、ゲームの知識を総動員してこの世界を攻略し、この世界で超人的な力を何のチート能力もなしに死に物狂いでカンストしても奢らないように戒めをつけ、同じ異世界人や魔物以外に過剰威力の攻撃を使うことはしない。
その気になればカグヤの様に国を奪い取ることもでき、海賊王の様に文明を大きく発達させることもできたが、あくまで縁の下の力持ちのポジションであろう。
この世界の住人が異世界人に依存しないようにする為に。
「フフフ それでお優しい貴方は盗賊狩りを口に出すことでハッパをかけオークを絶滅していますが是れは?」
「俺が言わなくてもギルドは王宮騎士たちとの合同訓練で練度も上がっていたから放っておいても狩っていたんだろうが、もう春になって繁殖期が始まりかけてたからな。
被害者を出さないように不本意ながら時期を早めてこの世界から退場してもらった。 そして君たちを雇う理由だが、この国の元宰相の失脚、本来死ぬはずだったクラリス王女の回復で君たちの嫌いな宰相とその息子、その派閥の貴族を失墜させてしまい悪魔達の標的、復讐対象を奪ってしまったから・・・と単純に君たちの有り様が好ましかったからだ。 まぁ宰相の息子は君らが人知れず始末したみたいだけど・・・」
「その様子だと大分、私たちのことを大分調べたそうですね・・・暇なんですか?」
心底可笑しそうに笑うルー
「あははは 確かに今は暇かもな。死都はもう僕がいなくても徐々に復興できるし、戦乱の芽も潰したから後は俺のプライベートなことに専念するだけなんだが今はすることがなくってさぁ~。」
俺も爆笑するこの娘とはいい話相手になりそうだ。
「フフフ それで世界を手にできる神に等しい力をもった闇の勇者様は私事に専念する代わりに私たちの力を求めてきた。 その報酬は?」
「君たち全員の手配書の破棄、無罪放免、名誉の回復、再就職先は自由の槍、そして俺は来月から王立士官学校の教師になるからその助手もありだ。」
「フフーフ あと戦力の増強では? ブリタニアは兎も角、南のロマリアと西のポルトガ、暗黒大陸に潜伏してる人形師の対策でしょう?」
おいおい この娘 やっぱ只者じゃないな。 俺の目的を正確に捉えてる。 てかあの馬鹿 アフリカ?にいるのか。
「なんで人形師を警戒してるって?」
「単純な消去法でしょう。 諜報能力に特化し、成り代わりを行うほどの人形使いがあなたにとって一番厄介な相手ですし、なにより彼にあってすぐ貴方は姿を消したからですね。」
というかそんな前から俺はマークされてたのね。
「皆さんはどうします? この男 七英雄の案に乗りますか?」
ゼノ「俺は何時だってルーについていくぜ?」
ミア「大精霊様に会えるなら・・・」
ベイン「ふん国に仕えるのでなければ問題無い。」
クリフ「お嬢やミアちゃん、アルマのような美女のいる職場なら地獄までお供するぜ。」
アルマ「あんたは黙ってな! まぁ退屈はしなさそうだね? 興味もあったんだよね自由の槍には」
ベルゼ「・・・・・・僕はルーの傍にいるよ」
全会一致だな・・・
「じゃあ よろしくルーとそのゆかいな仲間たち、自由の槍は君たちを歓迎するよ。」
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自由の槍と悪魔の巣が手を組んだこの日を歴史の証人は後にこう語る。
彼らがいたからこそ子供たちや弱者の者が笑顔で暮らしていけたと。




