思惑
風邪ひいた
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10/14修正。
さて、困ったことに俺という新たな異世界人が現れたことで色々問題が発生しました。
先ず、停戦協定
ガリア王国は東のヴァルキュリア帝国、西の王国連邦に対し正規軍の軍事的介入を禁止する停戦条約を結び、その代わりに両国に魔石の定期的輸出と携行食を輸入する中立的立場を保っていたのである。
格好の補給源になるガリア王国が攻め込まれなかった理由は、西側には死都と魔の森、東側には竜の墓場が国境線上に存在し、ダンジョン級の魔物が防衛網になっていたこと、ガリア王女、クラリスの【精霊化】のスキルがあった為、迂闊に攻め込めず、ガリア側も防備に優れてはいたが、攻め込むには異世界人という戦力を有する国に攻め込むには戦力不足だった為、均衡状態にあった。
だが、今回の宰相の反乱という内部から攻め込み、ガリア王国を手中に入れようとした西王国連邦の試みが失敗したのだが、帝国側にしてみれば、未然に防がれたとはいえ、中立国であるガリアが西側に加担した条約違反と、捉える事も出来る。
俺という切り札が、ガリアを危険に晒しているとも言える。
次に、俺の実態というか危険度だ。
闇の大精霊と契約者はクルトの民の中では【女神】【闇の神子】と崇拝の対象で、十字教では【悪魔】【魔王】となり敵対している。
西側には同胞のブリタニアがいるため、ブリタニアがガリアと同盟を組み西連邦を瓦解させ、東に攻め込む事もありうるのだ。
はっきり言って俺がでしゃばったことで、事態が大きくなり、大戦の呼び水になったのである。
だが、これは俺のシナリオ通りに動いているのである。
この5カ月間俺は、修行、開発、研究をし、人形師の監視網をかいくぐり、召喚者のシナリオを破壊する仕込みを色々してきたのである。
ポルトガに新大陸の開拓を仕向け、ロマリアの勇者には暗黒大陸に派遣しイシスの人形師の発見、牽制させるようにして戦力分散を図ったのだ。
その結果が宰相を利用した内戦であり、悪魔使いに疑いをかけさせる工作だったのだろう。
今迄姿を消していた俺が現れたことで、世界大戦への序曲が開始されると黒幕は思っているのだろう西が動けないため、攻めてくるとしたら東だ。
召喚者は世界大戦を誘発してきたのだろうが、ガリアの植民地化はクラリスの魔改造と俺の軍用物資、死都の要塞化、さらに俺が行方不明になった事で意図的に三竦みの状態を作り出し、俺の工作でポルトガ、ロマリアの主力は新大陸、暗黒大陸に送り出し西の主力を全て、ヨーロッパ大陸から追い出し、ガリアと東のタイマンに持ち込んだ。
更に、俺のスキル【魔改造】を示唆させるように、ガリア王立学園の特別講師になったという情報を帝国に流し、今までの状況を作り出した張本人であることも一部流すことで帝国側に俺に時間を与えるとクラリスのように強力な戦士、術者を育成させてしまい、新たな軍用物資を創りだす【富国強兵】の要であると認識させる事で帝国に考える時間を奪い、戦力を制限させ、少数精鋭で短期間のうちに攻め込ませる状況を作り出した。
俺の確保か消しにかかる為に最大戦力の二人、鉄人か戦女神が来るだろう、最低でも大剣豪アリアか火龍公女ユイファン率いる帝国幹部会が攻め込んでくるだろう。
ふふふ 計画は第2フェイズに移行する。




