幕間
執筆途中でデータが飛びました。
その為、短いです!
金曜日にもう一本投稿します!
夜になってもガリアは眠らない。
活性化は夜こそが本番である。
闇の眷属の本領を発揮する夜に、魔獣も悪霊も強力になるからだ。
最も……夜に強くなるのは、魔物の専売特許ではない。
「今宵の手刀は一味違うぞ!」
「……お菓子食べ放題店の予約時間まで残り3分半…目前には大型魔物が9体、一体当たり23秒で片付け、転移で店まで3秒……イケる。」
「それじゃあ、100秒目標で……どっこいしょ!!」
「夜戦だーーーーー!!」
クルトの民が、魔女が、無名の冒険者が、夜型の軍人が暴れだす。
昼間は飽くまで諸外国から来たお客様の時間。
彼らが疲れを癒し拠点を守るのと入れ替わるように、シフトを組みガリア人は本領を発揮する。
本来、災害として数えられる魔物のスタンピード。
それを正面から蹂躙する戦力。
その中で……来月の武術大会を控える士官候補生達は別格。
何故なら今年はアースでも話題の人物が鍛え上げられていた猛者が多数いた。
「外の魔物ってこんなにも温かったか?」
「正面から不意も打たずに挑むとか、勇敢な魔物だな、だが愚か者だ。」
「睡眠前の運動にもなりませんね。」
「やっぱあの学園迷宮がおかしいだけだな」
「悪意満載だからな。」
全員が揃いの制服、揃いのパワーリストを両手足に着けていた。
武器は腰や背に装備しつつも、一切抜かず。
体術と闘気のみで制圧する。
それでも足りなければ初級魔術を使い、常に最短最速で魔物を狩る。
その戦い方はとある英雄の戦い方に酷似していた。
◆◆◆◆◆
「やっぱり紛い物じゃ物足りないよね。」
エルフ耳に細身の体に軍服を纏い、木刀を腰に下げた死神の名を与えらた少女。
リーパーはアキラの戦いを静観していた。
「母様も酷いな~、隠れて遊びに来るなんてな~予想外だな~」
母親譲りの好戦的な血を疼かせながら一人、口を尖らせる。
ガリア全域を感知する能力をもってしても死神と戦女神の戦いは千里眼でも見れなかった。
感じれたのは強大すぎる闘気のぶつかり合い。
大精霊と真祖の魔力に当てられた魔物が潰走する程の激突。
およそ考えられる最高のカードの戦いに比べれば初日の魔物と人間の戦いなぞ挨拶代わりの様なものだ。
「ま、波はどんどん大きくなる。皆も早く強くならないと、全部吞み込むからね。」
今年の活性化は昨年とは違う。
長年、不在だった主役が勢ぞろいしているだけでは無い。
とある旗により、七英雄を殺しうる因果が集まりつつある。
何も起こらない筈がない。
「ふふふ、厄介事は盛沢山、さぁ~て父様の目に叶う因果を引き寄せないと」
守護者は笑う。
迷宮を守護する少女は迷宮の主に対し、楽しそうに笑いながら姦計を巡らせる。
彼女は守護者。
人間に迷宮という試練を与えるのが役目であり、生き甲斐だ。
それは相手が創造主であっても変わらない。
父の闇と母の焔が生み出す地獄にて生まれた子供は今日も楽しそうに仕事に取り掛かった。




