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異世界攻略のススメ  作者: 渡久地 耕助
狩猟祭りは甘い香り。

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天敵

連載再開!

長い間、お待たせいたしました!

完全復活!

 〜七英雄アキラは、授業中に不慮の事故で死ぬ。〜


 これが、洗脳されたシュウ君が俺に建てた死亡フラグ。

 宣誓し、発言した言葉を達成させる祝福。


 まぁへし折った上で逆手に取りましたが。

 今はこんな感じ。


 ~七英雄アキラは授業中以外、それも不慮の事故以外では死なない~


 勇者君のお陰で俺はどんな死地でも必ず強運で生き残る異能生存体ふじみになりました。

 正にハメ殺し。


 勇者は俺を攻略できず、後は勇者の洗脳を解除し、旗を完全にたたき折るだけだが……

 俺は詰めが甘い男ではない。

 

 勝つためには、努力と準備を惜しまず、陰で暗躍している黒幕を追い詰める。

 先ずは周りの駒を一つ一つ潰していく。

 

 それこそ勝利フラグを一本ずつ建てるように。


 ◆◆◆◆◆


 ~戦士村郊外「旧ゴブリンの森」~


「静かでいい森だろ?魔物が去った森だから邪魔も入らない。」

「ワザと言ってます?」


 不用意な発言(フラグ建築)にテレサが呆れる。

 そして建ったフラグはすぐさま回収された。


 森の外に結界が張られ、森の中に霧が立ちこみ始める。

 魔の森と同じく、魔霧が周囲を包み込む。

 解析した結果、この森から出さない為の脱出、転移防止の効果の結界魔法。

 白魔法の中でも上位に位置する魔法。


 そして俺の中のスキル群が警鐘を鳴らすと同時に、仮面を被った仮装集団が木陰から次々現れた。


「おおっと案の定、大きいお子様がダース単位で来たな」

「菓子なら十分ありますけど……おイタは許しませんよ?」

「…………」


 そんな軽口を叩く俺たちに無言で統制された動きで包囲していく仮装集団。

 問答無用、結界で閉じ込めるという攻撃行動を仕掛けた相手に説得するつもりは無いし、受ける気もない。


 俺たち変装とステータス偽装を見破り、追跡する技量。

 死亡フラグを回収できる策を持つ者たち。  

 サラサ、タバサと異なり、初めから勇者に俺を殺させるために、俺を殺すフラグを回収しやすくする為に、彼らは現れた。


 清々しい気配を放つ白装束に偽装効果の仮面。


 この二点から導き出される集団を俺はマリアの召喚者女教皇(サラサ)から聞き、

 同じ気配を持った人物を二例しっている。


人造聖人(セントシリーズ)か。」

「ああ、セイラ」


 ロマリアの魔法技術の革新。

 最たる術が勇者召喚と人造聖人計画。

 その最大の功労者にして現枢機卿『ゼン』


 最も俺を殺したがっているであろう黒幕の召喚者の一人。

 他の召喚者は動かないが、積極的に俺を標的にする彼に残された最後の切り札だ。

 ロマリアの教義に背きながら、クルトの民の秘儀、精霊化を用いた秘術。

 過去の聖人の力を宿した魔石を人間に埋め込み作り出された神の尖兵。


 切り札を取り戻す為に、彼にできるのは俺からナミの力を奪い封印する事。

 彼らは使徒とも呼ばれ全員、強力無比な固有スキルと、聖人特有の幸運を持っていた。

 セイラの様な回復魔法に優れた癒やし手から、タバサの様な救国の英雄や竜殺しの逸話を持つ聖人。


 有名どころで聖人は13人。

 魔女として除名された者、審議中の者を含めても多いが今回は10人いる。

 七英雄を4人相手どるにに、刺客に使ったのは二人。

 見たところ、数は10人で前回の5倍。


 だが、その戦力差を覆すというか、この戦いを茶番に変えかねない奴が仮面の集団に混じっていた。

「なんか一人、既視感があるのがいるな。」

「あの仮面にすごい見覚えがあるのですが」


 何故か揃いの白装束なのに、和をイメージした狐を模した面を被った女騎士がいる。

 その物腰から相当な武闘派である事が判るが……

 俺たちの視線を受けた騎士が片手を挙げて応える。


「新入りです~」


 間の伸びた声だった。

 色気と殺気が混合した声だった。

 未だ、残暑が厳しいにも関わらず、寒気がした。


 というか、周りの人造聖人は過去の人物である事を隠すために偽装効果のある術を何重にも付与した仮面を被っているのに、あの馬鹿は隠す気が毛頭ない。 


 闇に対する光、不死者に対する聖職者。

 魔を打ち払い、封じる事に関しては専門家、それも伝説級の相手スキルや魔法を封じ、俺の天敵になり得る聖人が9人+αΩ


 αΩの存在が大きすぎて完全に他、9人が添え物になってる。

 彼等それ以上の天敵の登場に冷や汗が止まらない。


 人造聖人でも一位(セイラ)二位(タバサ)と同様強力な使徒なのだろう。

 未だ、発展途上なクレア・マグドレアと違い完成形なのだろう。


 だが、紛れ込んでるαΩの存在感には負けている。


 七英雄に匹敵するこの世界の偉人が立ち塞がってるのに、彼らに全く不安も恐怖を感じない。


 滅茶苦茶、忙しい筈なのにおそらく逃げ出して来た狐仮面は、七英雄の枠組みを既に超越している。


 たった一人の存在の所為でシリアスな雰囲気が消し飛んでしまっている。


 心を殺した狂信者が俺を囲む。

 心を燃え上がらせる戦闘狂は完全体になった俺を見てテンアゲ!


 余計な問答をせず、静かに手にした聖具を構える仮面集団。

 あらあら、うふふと、太刀で素振りをし始める狐仮面!


 一切の油断なく、じわじわと包囲を縮める仮面集団。

 ワクワクしながら、俺の隙を伺う狐仮面!


 世の為、人の為に生き、教義と信念に殉じた責務を果たす使徒たち。

 美の為、武の為、我欲の限りを尽くし、責務から逃げてきたであろう狐仮面!


 彼等の緊張と気が高まりあい、一触即発の空気の中、俺は授業の鐘を鳴らした。


「では、天敵たちよ 課外授業の開始(・・・・・・・)だ。青空教室で筆記用具も無くて申し訳ないが、瞬きも居眠りも、私語も厳禁だ。死に物狂いで学べ!!」 


 『フラグが立ちました』


期待の新人、狐仮面αΩ 一体何者なんだ!?

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