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異世界攻略のススメ  作者: 渡久地 耕助
難攻不落

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生物技能習得学

久々のアキラ視点です。

この小説はアキラが主人公です。(確認)

 

 ~Teatimeが終わった頃ネ~

   

 俺は今、大きな黒板と教卓の間に立っている。

 講義内容は「生物技能習得学」。


 資格講座と生物学がごっちゃになったような学問で各種族の固有魔術や固有スキル。

 過去の英雄のスキルや未知のスキルを発掘、開発、研究する学問だ。

 

 目の前には机に座って期待の目でこちらを見ながら俺の講義を受けている者達が数十人。 

 活性化シーズンに地下迷宮などでレベリングせずに座学の授業を受けに来る者もいる。

 

 未だ慌てる時間じゃ無いと落ち着いている優等生。

 初級のスキルの講義しか参加できない聴講生。

 

 当然の様に世界最強クラスの七英雄もいる。


 悪魔使い系女子高生(スキル、レベル共にほぼカンストっす。)

 謎の狐仮面を被った大和撫子(世界最強ですが何か~?)

 一級フラグ建築士兼被洗脳系勇者(山本シュウは勇者である。)

 

 因みに変態人形保険医は助手のビビの監視の元、保健室にいる。

 

 まぁ魔王だろうが勇者だろうが王立学園は教師でも生徒としても受け入れる。

 勇者対策、召喚者対策を済ませた俺は餌が食いつくのを授業をしながら待てばいい。 


 あれ?講義の途中から俺の愛すべき弟子であるアリシアが【隠行】をしながら入ってきた。

 この時間、迷宮で訓練だと思ったんだけど…まぁいいか。 


「えー例えば昨今……様々な強化方法が世界で色々と講じられています。」


 単語の一つでも覚えろの代わりに必殺技の一つでも覚えろ

 なーんて言葉をこの世界で耳にする。 

 世界は変われど人間の本質は変わらないな。


「レベルを上げる、強い武器を装備する、仲間を集める、スキルを高める。」


 因みに俺は裏技や奇策(ハメ技)を使うが今は置いとく。 


「レベルは活性化時期を前にこうして座学を受けている勤勉、もしくは余裕のある君たちには不要な事なので置いとこうかな?」


 その言葉に所々で笑いが起きたり、当然だという表情を出す者など様々だ。

 

「此処ではスキルの習得、練度に関してだ。」


 そして本題に入ることで、皆の目が変わる。


「単純に考えて魔物を含めた数多いる生物全体的にみて、弱い人間がここまで発展したのは、弱いからこそ、強くなる術を研鑽してきたからだ。」


「ドラゴンや魔王、生まれながらにして食物連鎖の頂点に居るものと違い、数が多く、本来なら食物連鎖の下位か中の下に位置する非力なのが人間だ。はっきり言って個人では弱い。だが、人間は弱いからこそ恐怖を克服し学習し強く在ろうとする。」

 

「悲しいことに長く安定化した平和な国が、他国や進化した魔物に襲われ滅びた例が歴史上、あちこちで見られます。」


「この先、後天的に修得するスキル……剣術や魔術以外にも色々なスキルを習得する。もしくは仲間を集め個人では無く集団として、国家として多様なスキルを習得していれば、この先、何が起こり、どんな環境になろうとも底に適応し、生き残って行けるだろう。」

 

 ひと通り、講義が終わる。

 この授業を聴いて皆がどんなスキルを学んで行くのが実に楽しみだ。


「さて――」

 

「ここからはファンタジーの住人(君たち)の好きなフィクション、妄想トークに入る。」


 ザワッと講堂が湧く。

 皆、このを話、この瞬間を待っているのだ。


「いよっ待ってましたっ」

「これこれ、この為に学校に来てるんだよね。」

「きゃー」

【死亡フラグが建ちました】


 地球での英雄譚や漫画の話しもするから結構、評判がいい。

 ってちょっと待て?

 

 何故、此処で新たにフラグが建った?

 

 いや、いくら死亡フラグが建っても無意味だけど。

 俺の死に集結するルートは固定した。

 勇者くんがカグヤ以上の体術を修得するか、迷宮か国外で俺に挑まなければ俺は死なない。

  

 そんな無意味なアナウンスは無視で♪

 さて、講義を続けるか。


「題材は【ぼくのかんがえたさいきょうのスキル】。人類視点だから種族間、倫理観は切り捨てて考えていいぞ。」


 ここで生徒たちが思い思いに最強の人間を思い描く。


 カグヤは「私の事ですか?」なんて首を傾げてる。 


 いや、それ言っちゃこの講義、オシマイだから。

 彼女は戦闘系スキル、それも攻撃スキルの全てを網羅している。

 熟練度も戦女神、武神と呼ばれる次元で習得しているからな。 


 マリアや勇者くんを初め何人かの生徒は俺とカグヤを交互に見る。


 だからそう言うのいいってば。

 君たちも魔術と剣術を高次元で修めているよね?

 

 方や悪魔伝説上の召喚獣を従え、遺失スキルを数多く修得する悪魔使い。

 方や千年前の勇者の再来と言われ、最強の剣と剣術を持つ神剣の勇者。 


 なんで自分達を差し置いてカグヤはともかく俺まで見る?

 

 いや、もういいけどさ。

 講義を進めよ。


「あちこちでやたら多様性のある強化方法が講じられたのは何故だ?活性化や戦争ムードが高まっているから?皆、スキルや個性が違って皆いい?それは確かにその通りだが――」


「それらがもし、人類が絶滅する危機感からだとしたら?」


「厳しい環境下、不遇な状況下でこそ人間は強くなる。人類が快適な環境に安住してから暫く経つ。剣術や魔術の研鑽、武具の性能も高い。だが、長すぎる平和故に凶暴化した魔物や他国に滅ぼされた小国と同じような状況が、今、この時代に起きようとしているのでは無いか?」


 授業の中でも俺は警告する。

 実際、千年前の焼き直しがこの世界で起きようとしている。

 俺は平穏な時代に戦乱を起こすつもりは無い。


 子供の泣き顔、無表情は見たくない。 


 その様に動いている。

 だが、こうも考えている。


「弱いままで成長しようとしないのは、生物として人間としても失格だ。」


 ◆◆◆◆◆ 


 さて、考える時間は与えたそろそろ当てていくか。


「ではそこの冒険者風の君!」

「俺!?」

 

 聴講生の冒険者の若い少年を当てる。


 スキルで名前や能力も判るが思想までは読めない。

 彼がこの講義を聴いて、どんなスキルが必要と感じたのだろうか?

 

「優秀な素質を持つ子供、例えば聖人をたくさん作る子作りスキル、種馬スキルがあったらどうですかね?」

 

 おお、若さ特有の意見が出た。

 でも女子の視線がキツイのでフォローに入る。


「いいね!男子らしい発想だ。数で解決できる事は確かにあるし、優秀な遺伝子を大量に残すスキルが最強というのも斬新な発想だ。男の浪漫であるハーレムも実現出来るな!!」


 子作りで聖人を意図的に作るスキル。

 人類全体の能力水準を大幅に上げ、数も増やすスキルか。

 優秀な遺伝子を求める女性としては嬉しいスキルだろう。 


 確かにマリアみたいな子が今や絶滅したゴブリン以上の速度で量産されたら凄いことになる。

 

 実際、ロマリアは過去の聖人の遺伝子を使って聖人の肉体をを再現している。

 長期的に見ればかなり強力なスキルだ。  

 人類全体を聖人へ進化させるスキル。

  

 ある種の人類補完計画だな。


「しかし、あまり増えすぎると世界全体の魔力総量の配分が少なくなったり食料が足らなくなったりしないか?」 


「あ~と…そしたら魔力や食料を奪いあって厳しい環境になるから、進化したり技術力が上がったりするとか……」


「戦乱による技術、生物的な強化方法に期待すると?」


 次に考えがまとまったのか女生徒が挙手する。


「先生ー、もしかしたら先生のスキルみたいに自分で無尽蔵に魔力を精製したりあまり食べずに済む少食スキルはどうですか?」


「源呼吸の発展系と、エネルギーの吸収、変換効率のいいスキルか。それは確かに適応能力高いな! 食べる楽しみがなくなるとスコールハート教諭が嘆くかもしれないが……」


 果たしてあの食欲魔女がその世界に耐えれるか……

 ガコライは喜ぶが、彼女は食べた食物を魔力に変換するから大食いなのだけど、それ以上に食事が生き甲斐な所がある美食家だからな。

 そんなスキルを生み出そうものなら、全力でそのスキルを失伝させに掛かるな。

 

 今度は別の生徒が手を上げて俺のスキルを指摘する。


「息するだけで強くなるスキルですよね?つまり働かなくても強くなって生きていけるスキルはどうですか~環境適応です。」


「そう考えると俺のスキルが怠け者達の夢の様な酷いスキルに思えてくるな…」


 アハハハハハ

 笑い声が講堂に響く。

 やっぱこの授業、教える側も楽しいわ。


 この子たちの笑顔を守る為にも、俺は負けない。

 

 ◆◆◆◆◆


「さて、最強のスキルの話だったのに何故か俺が怠けるために【源呼吸】を習得したという話や最強の子作り計画に終始してしまったが、こういった妄想の余地があるのが【生物技能習得学】の醍醐味です。」


「人間には未だまだ未知の技があり、それがどのような手順を経て習得、何の役に立てていけるか? 過去に失われたスキルを研究したり、常に変化する環境、未来に備えて強化方法を研究し、それらを発見し、習得した時の達成感と知的興奮を味わえる学問がそこにあります。」


「ただし、これらを味わうには、少しスキルと学、レベルが要る。でも身に付ければ一生ものだ。潰しも利くし、就職にも生存競争にも役立つ。」


「これから君たちのスキルを磨ける一助になるような授業を心がける。剣術や魔術、体術、技巧学、錬金術、歴史、宗教文学、医療文学、異世界学問、礼儀作法、軍事訓練その他諸々、王立学園は様々な授業、それに関する文献と訓練出来る環境を揃えている。そして興味がわいたら今からでも遅くはない、専門科目を選んで将来に役立ててくれ。」


 こうして講義は終わる。

 

 生徒たちはそれぞれスキルを修得するため、必要なレベルに上げるために迷宮に行く。

 もしくはスキルや術式の研究の為に図書館へと歩いて行く。


 そして勇者一行は未だ、餌には掛からない。

 だがこの授業も俺の一手の内だ。


 人類が想像、妄想できる事象、技能なら、俺は再現してみせる。

 特に勇者や召喚者といった奴らを倒せるスキルなら特にナァ


「……っとヤバイヤバイ、思考がダークサイドに堕ちるところだった。」

 

 さて、次はどうやら俺に相談したい事がある生徒(アリシア)だな。

 心当たりが有り過ぎるが……


 嫌な予感がする。


 うん、きっと気の所為だな。

 

現在、覚醒中!!

予約投稿無しで通常、投稿です。

なろう新人時代の初心に還って暫くブースト投稿します。

さて、何時まで持つことやら。

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