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異世界攻略のススメ  作者: 渡久地 耕助
番外編 脇役に光を!

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180/238

受付嬢だってヒロインです! 3

 感想、評価、お気に入りをしてくれると作者のヤル気と更新頻度が上がります。


 目指せ1500万PV!!

 


 ~リィーン視点~


 ……生産技能の才能が高かったのか、

 看破できない固有スキルの一つによるものか……


 市場を混乱に陥れる程の新薬と糧食が売れに売れ、

 この事件を境にアキラさんに大量に勧誘が舞い込みました。


 それまでは雑務クエスト

 …書類仕事や荷運び、掃除、家事手伝い、皿洗い、配達、教会の子供の世話など


 どれも見習い冒険者が受けるような依頼をアキラさんが消化していったのです。


 粗野な冒険者と違って丁寧で

 その上、貴族に仕える執事の様な恰好をした青年が受けるのですから、

 当然、街の住人からは受けがよくなります。


 始めは怖がられてましたが、

 フードを深くかぶったり、

 仮面を被ったり

 笑顔を絶やさないなどとアキラさんは工夫して仕事を受けた為、


 次第に人気も出始めました。


 ですが、昼間でも仮面を付けた執事が吟遊を奏でる様に遣られる婦女子が出る始末。


 こういう仮面の様な神秘性というかミステリアスな雰囲気にやられる人もいるみたいですね。

 …素顔を知って逃げた娘もいましたが…。


 それでも、街で過ごし、仕事に打ち込み、歌を唄い、物語を聞かせて子供に笑顔を与える彼の姿を見れば、

 街の人も彼に対する先入観(路地裏半殺し事件)も薄れて行きました。



 私ですか?

 強面に耐性もありますし、元暗部の長ですよ?


 ですが、こういった方に容姿を褒めたり、慰めるのはタブー。


 どんな方も容姿にはコンプレックスを持つもの……

 周りの人が怖がる中、優しく…それでいて、近すぎない距離で攻める。


 歴戦の戦士や娼婦でも堕ちます。


 彼の信頼を獲得すれば、純真な乙女を演じ…

 さり気ない、それでいて鈍感な男でも気づくレベルでアプローチを掛ける。


 すると好感度は東方の龍が滝の様に天を昇るが如く上がります。


 具体的には…

 谷間を強調する為にアキラさんが、受付に来る時だけ、少し胸元をはだけたり、


 依頼書を渡す際、手が少し触れ、

『あ…』と彼にだけ聞こえる掠れる様な、恥じらいの声を上げたり、


 顔を赤面しながら、仕事に行く前に『頑張ってくださいね?』といったり、


『あら、ネクタイが歪んでますよ?』と直しながら、彼の胸に私の胸を当てたり……




 そのたびに彼の反応が初心で、私の嗜虐心…こほん 


 私の母性本能が刺激されて、からかいたくなるわ、愛でたくなるわ…

 魔族の様な目つきなのに、紅潮した顔を見ると…そのギャップに!! もう!!


 ああ、まるで私だけのかごの中の小鳥ちゃん…


 私だけに心を開いて唄ってくれる小鳥ちゃん。


 は!?


 いけない!!


 未だ、慌てる時間ではありません。

 外堀を埋め、後は彼を私の家の地下修練場に閉じ込め、私好みに調k…

 ではなく、理想の家庭を築く為にお話しをして…


 同棲して、それから、それから…!!


 いえ、だから未だ慌ててはいけませんってば。


 このような状況を想定して、暗部の過酷な修行に加え、数々の恋物語を読破してきたのです。

 抜かりは在りません。


 標的の心臓をしっかりと撃ち抜くなんて事、暗部にとっては呼吸の様に容易…

 得物の警戒を解き…油断しきった後は…… 


 そんな嬉しはずかし計画を練っていたのに……


 あの露天での特製ポーションと携行食糧の販売で彼の存在、特異性が明るみに出ました。


 通常より効果が高く、味もいいポーションと携行食糧なら人気もでます。

 逆に苦く、不味いが効果が劇的に高い丸薬と兵糧丸も同時に売りだした為、


 冒険者は元より、騎士団が買い出しに来た為、彼の存在が貴族連中にまで知られ、

 音楽、料理…つまり、耳と舌の肥えた貴族階級の住人や、

 彼の試作した薬などから、


 錬金術師としての才能も見出し抱え込もうとする者まで出る始末……

 勧誘が大量に舞い込む騒ぎ鎮静化する為

 泣く泣くアキラさんの魔法修行をグレアムさんに任せ、街から隔離する羽目に……


 本当は私が手取り足取り、教えるつもりだったのに……


 ですが、大丈夫…彼は高位の生産技能と対人格闘術を持っていますが、

 彼の魔力適性、魔力量共に低い…



 一か月や其処らでは初級魔法の一つか二つ覚える程度でしょう。

 そこで、私が依頼と称して、私達の愛の巣で夜のレッスンを!!

 うふふ…


 暗部特性の滋養強壮剤や秘薬を使えば……♡


 

 ああ、はやく、来月にならないかな~♪


 む!

 私の未来の旦那様に蛇どもが絡んでます!?


 生意気にもアキラさんを無理やり勧誘しています!!

 その男は私が目を付けたんですよ!?

 邪魔はさせません!!


 私の計画をこれ以上、狂わせません!!



 ◇◆◇◆◇◆


 ………一ヶ月後。


 小鳥(アキラさん)(まち)に帰ってきました!

 早朝にギルドに出勤する最中に出会えるなんて運命ですね!


(まぁ事前に彼を監視していた部下(ギルドナイト)に報告を聞いていたので偶然では無く、必然ですが。) 



 修行始めの一週間は彼のいない日々を、

 以前彼が泊っていた宿泊施設のベッドのシーツや

 訓練場で彼がレンタルした皮鎧に熟成された成分で出来た香水を手に入れ


 なんとかさびしい夜を凌ぐ日々を過ごしていましたが、

 彼に会えない代わりに、彼の無事と修行の経過を伝える特性ギルドカートが私を慰めてくれました。



 そんな彼の成長を報告、更新する特性ギルドカードに一週間を過ぎた頃、変化が起きました。


 彼のスキル熟練度、ステータスが急に上がり始めたのです。


 いえ、未だに初級レベルなのですが、

 それでも元素魔法を除く、基礎4種、闇、光の2種、黒、白魔法体系で全12属性の魔法を覚えています。

 その上、格闘術に加え、霊力を纏っています。


 仙人か魔女の様に浮世から離れて修行してきた修練者の様な変わり様です。


 序にギルドに市民として登録しているグレアム神父と娘のクレアちゃん

 この二人の情報も表示し、確認したら、

 彼らも霊力を纏い賢者の領域に達していて、

 クレアちゃんに至っては『神眼』という伝説上の勇者の固有スキルを獲得していました。



 白い悪魔こと、ルーが率いる組織にも『童姿の魔王』『気高き王』の二つ名を得始めたルーキーが活躍しています。

 アキラさんとクレアちゃん霊視できる私は彼らの資質はベルゼ君に負けず劣らずのモノを秘めている事を知っている。


 固有スキル保有者の三人。


 あの日、あの時、あの場所。

 古代人(ベルゼ君)が人体実験場からの脱走を決意し、

 聖女(クレアちゃん)が、女神(ルー)と出会い導き…

 英雄(アキラさん)が運命とすれ違ったあの日…


 物語の主役たちは揃っていたのですね。


 まぁ……私はバイでも無ければ、ショタ好きでもないのでアキラさん一択ですけど。

 彼の成長速度なら、私を超えれる存在。


 そんな彼の成長、修行の成果、将来性を知っているのはこの街で私だけ!

 英雄に到達する人材、それを知っているのは神父とクレアちゃんを除けば知っているのは私だけ!


 後は、私が世間に彼の存在を隠し、私だけの英雄にしてしまえば…!!

 其れを実現する為、今夜から私の自宅の地下室で行われる甘美な日々を思えば……!!



 ん? 何か騒がしいですね。

 折角、今夜の道具を何にするか、思いを馳せていたのに。


 影武者の副ギルドマスターに事情を訊いてみましょう。


「救援隊に名乗りを上げよう……Eランク冒険者 アキラ! 

 これより、死都に取り残された蛇女の尻尾の救援に向かう。」


 ………え?


 一月振りに聴いた彼の口から出された言葉に私の思い描いた光景にヒビの入る音が聞こえた気がした。


 その日、かごの中の鳥は大空へと羽ばたいた。


 ◆◇◆◇◆◇◆◇


 やめて、行かないで… 

 どれだけ、無謀と嘘をいっても、聞いてくれない


 分かってる。

 死都での救出作戦なんて、彼にとって散歩する様なものだって

 嘘の言葉のオリで閉じ込めても、利口になった鳥は逃げ出してしまう。


 私を置いていかないで……

 黄泉の入口になんて行かないで…

 其処に行けば、もう、届かない…私達にとって叶わない存在が眠ってるから…


 隣に番を見せつけないで………

 千年の時を超えた悲恋を成就なんて見せないで!!


 病に冒された姫を救わないで!!

 そんな今まで読んできた恋物語の登場人物の一場面で


 ……脇役の様に立ちまわりたくない!!


 妹に優しくしないで!!

 私は、頑張ってきた! 女に生まれたから、父に恥じない様に努力してきたのに!!


 記憶を取り戻さないで!!

 そうなったら、彼はもう、私を見てくれない!!



 妹に譲りたくない!

 従姉妹にだって嫌だ!!

 千年も過去の事を掘り返さないで!!!

 誰にでも優しくしないで!!!!

 私だけを見て!!!!!



 ヒドイ


 カミサマ、ナンデコンナマネヲスルノ


 ナンデ、コンナヒドイゲキヲワタシのマエデミセルノ


 ナンデワタシハヒロインジャナイノ?


 イタイ、ムネガイタイヨ……


 コンナブタイニイタクナイ


 ワタシダケノアキラサン二…


 ◆◇◆◇◆◇


 ???視点


「そろそろ芽が出る頃かの?」


「君の勝ちは揺るがないだろうに、ここまでするなんて随分悪趣味だねぇ?」


「フン……じじぃ共が悪あがきを始めた以上、此方も手札をきったまでのことじゃ。」


「前の戦いの焼き直しにならないかい?」


「心配せんでも、今回の妾の手札はよくての、どう転んでも妾の勝ちは変わらん。」


「ふうん まぁ 僕は今回、面白ければいいからさぁ……

 干渉しないけど……彼を甘く見ない方がいいよ?」


「男なぞ、みな同じじゃよ……だが、忠告は訊いておくとする…」



 ◆◇◆◇◆◇



 舞台と役者は揃い……物語は再び動き出す。






 バカンスかと思った八月でしたが、前話より3週間以上経過しての更新。

 実は、リアルでの生活が大きく変わり、多忙になった為です。


 その為、予定を変更し本編に取り掛かる事に…リィーンさんと残りの脇役ズは次章から始まる本編に登場させレギュラー化! もしくは機会をうかがってその合間にでる間章に登場予定。


 次回より、学園編! 新学期! 皆、夏休みの宿題、課題は済んだかな!? 

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