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異世界攻略のススメ  作者: 渡久地 耕助
ヴァルキュリア帝国

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野球拳 前半

スランプ中…


 「クリスちゃん……」

 『了解した、我が主』


 マリアのその言葉と同時に金髪の悪魔の女性が現れる。


「運喰らいの悪魔と契約したか……」


 ルーは信仰から運気を集め、ナミは裁きという名目で悪人(他者)から運気を奪う力を持つ。


 その両者の女神の特性を併せ持つ悪魔一族 運喰らい(ラックイーター)か……真祖(テレサ)や王墓にいた悪魔、学園迷宮の10階層のレッサーデーモンに比べれば戦闘力こそ大したことないが、運気を操る一点の能力は相当侮り難く、高位魔族に位置する一族だ。


 相当な実力者でなければ、運気を全て吸い尽くされて不慮の死、凄惨な末路を迎えるのだが、マリアは彼女をグリモア無しに完全に従えている様だ。


「ダメ押しッス!」

 

 運魔がマリアに重なり、俺やカグヤ、クラリスの精霊化と同じように、人の器を超え【悪魔化】する。


 ショートヘアのマリアの髪が一気に伸び、長髪へと変わり纏う魔力の質が悪魔のそれへと変わる。


 【洞察眼・改】で注視するとマリアの魔力・幸運値もずば抜けて上がり種族も悪魔と表示されている。


「先生との戦いでは【概念崩壊の法則】の力を恐れて使えなかったッスけど……思う存分に力を発揮できるッス。」

「あらあら、それって負けフラグですよ~?」


「先ずはその厚着 剥いでやるっス!」

「うふふ、御託はいいからさっさと始めましょうか~?」


 対してカグヤは【精霊化】を行う素振りはしない……


 この野球拳は直接攻撃を使って相手を傷つけない以上、いかなるスキルを使っても良いというのは暗黙の了解だが、精霊化を使わず勝つきか?


 「「野球~をす~るなら~こういう具合にしやさんせ~♫」」


 あ、始まった。


 マリアとカグヤが両手を波のように揺らめかせる野球拳特有の動きを取る。

 

 「アウト!」

 「セーフ!」


 「「よよいのよい!」」


  出された手は


 カグヤ、グー 


 マリア パー

 

 「サーーーッス!」

 「何処の卓球少女!?」

 

 そしてマリアの勝利と同時に会場が日本代表がゴールを決めたばかりの声援が巻き起こる。

 

 「ふふふ~やりますね~」


 対するカグヤは全く応えておらず、一二単のウチ、一枚を脱ぎ捨てる。


 「クフフフ、笑ってられるのは今のうちっスよ~」


 たかが、一回、勝っただけで調子に乗るマリア……まぁ俺も似たようなものか、ルーに祝福(という名のビンタ)を受けてきたし。


 「マリア~あまり油断するよ?」

 「クフフフ、これで勝つる!」

 

 聞いちゃいねぇ……


 まぁ調子に乗らしたまま、押し切らすか?



 ◆◆◆


 十分後……


「うわ~~~ん」

「わ~いまた勝ちました~~♫」


 下着姿のマリアが泣き崩れ、カグヤが能天気に勝どきを上げる……


 あの後、マリアは相子も無しに、三連勝し、計4枚カグヤの衣服を剥ぎ取った。


 だが、四敗してからカグヤは本気を出し始めた。

 

 例え強運を持っていてもアリが恐竜に勝てる道理は無かった。


 結果的にカグヤの戦闘技能にして、元いた世界では奥義ともいえる技術【無拍子】とカグヤが身にまとう十二単衣がマリアの幸運を上回り、圧勝しだしたのだ。


 野球拳のあの動作という【溜め】の時間があれば【無拍子】を使ってジャンケンすることもでき、後出しの状態でも後の先を取れるのだ。

 

 つまり、運に左右されなくなる。

 

 焦ったマリアは召喚獣【王天虎】を召喚し【悪魔化】するという離れ業を披露し、雷の速度で、対抗するも、十二単衣の袖に隠されたカグヤの拳を見極める事ができず、雷の速度で放たれるジャンケンも、カグヤにとっては無意味であっという間に4枚衣服を剥ぎ取られた。


 そして現在、手ブラの状態で半べそをかいたマリアが俺にすがりついてきた。

 

「うっ! ぐすっ センセ~」

「ちょ、やめなさい!半裸で俺に抱きつくな!後方から殺気が!具体的には二つ! ついでに前方の豊穣神の笑顔が戦女神に変貌してますから!! スカウター(最新式)が壊れんばかりの戦闘力に上がっていますから! あと胸!当たってる!当たってるから!!」 


「と、取り敢えず、これでも着てなさい」


 転移で、手元に白魔道士のローブ呼び寄せマリアの肩にかける。


「アキラさん? 服を着せるのはルール違反ですよ?」

「ああ、だから俺は2枚服を脱いで挑む、そして選手交代だ。」


 そう言って、シャツと靴を脱ぎ捨て、カグヤの前に出る。


 これで、俺とマリアの総ライフは4


 ここで俺たちは後三回負ければ敗退だ……


「ま、そこまで言われて断るわけには行きませんね……はぁ~折角、マリアちゃんには裸エプロンか手ぶらジーンズ姿にしたかったのに~」


 本気かどうか疑う発言をする女帝……多分、本気なのだろうが、今回の目的や趣旨忘れてないか?


 犬耳メイドと化したフェンリルが置いてけぼりになって、拗ねて座り込んで、「の」の時を書いているぞ。

 

 まぁいろいろ突っ込みたいが、ここはカグヤに勝つことだけを考えようか……


「そりゃ、残念だったな。 今夜にでも俺に披露してくれ、ベッドの上でな」

「あらら~アキラさんったら~♥」


 ナミとルーからの殺気が俺に飛んでくるが今は現実逃避と俺の隠しスキル【受け流し(スルースキル)】(←しつこいようですがこのスキルは存在しません。)で勝負に集中する。



 運気はルー、ナミの影響で問題無いし、俺も連続でなければ無拍子を使えるが、あの手元を隠す十二単衣が邪魔だな。


「其れでは行きますよ~」


「「野球~をす~るなら~こういう具合にしやさんせ~♫」」

「アウト!」

「セーフ!」


 「「よよいのよい!」」


 出された手は俺、グー

 カグヤ チョキ


 「俺の勝ちだ」

 「え?」


 カグヤの余裕の笑みが消え、困惑する。


 さぁ反撃開始だ。

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