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異世界攻略のススメ  作者: 渡久地 耕助
ヴァルキュリア帝国

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マリア立つ。

感想、評価ありがとうございます。

 野球拳……


 宴会の席で行われ、王様ゲーム、ポッキーゲームに並ぶジャンケンを用いた宴会奥義の一つ


 漢の夢と浪曼を拳と運に掛け衣類賭けて戦う真剣勝負の一つである。


 

 ◆

「では、始めましょうか! 最強のジャンケン 野球拳を!!」

 

 その時、全世界の時が止まった……


 

「野球拳です!」

「二回言いやがった!?」

「大事な事だからっスね!?」


 驚くフリをしたが、そうきたか…と俺は納得していた。


 普通にジャンケンを行っても、身体能力、幸運、勝負強さ、心理戦が絡む中、野球拳の独特のポーズというか、踊りで最初はグーから行う動体視力に物を言わせた必勝法を封じ、且つ、好意を持っている相手の衣服を剥ぐという俺の良心とか、倫理観に訴え掛け、心理的に優位にたてる…


 それに現在、夏真っ盛りの炎天下だ。


 俺たちの装備(ライフ)を見渡す。



 俺 


 装備 ワイシャツ、ズボン、インナー ソックス、靴 総ライフ 5


 

 マリア


 装備 Tシャツ、キュロットスカート、下着x2、、ミュールサンダル 総ライフ 5


 

 カグヤ


 装備 12単衣? 足袋、下駄、総ライフ14以上



 炎天下の為、俺はクールビズ、マリアも薄着の為にライフは共に5着


 一方、カグヤは炎天下の中、12単衣を着、火の大精霊の加護の為か、汗一つかかずにいやがる。


「何!?その12の試練!? 何処の大英雄!?」

「フェアじゃ無いっすよ!?」

「コレが私の普段着ですが? ちなみに今から着替えは脱ぐのは自由ですが、着るのルール違反です。」


 ひでぇ、ガキ大将とか、金ぴかとかそんな、チャチなもんじゃねぇ、これはもっと恐ろしい片鱗を感じ取るほどの何かを感じたぜ……


「とはいえ、私のライフではいささか、不公平……ワンサイドゲームってあんまり好きじゃないんですよねぇ」

「よくいう。」


 世界情勢は今、帝国のワンサイドゲームと化している。

 戦争を停滞、停戦状態に持っている俺が言うんだから間違いないね。


「ですから、アキラさんとマリアちゃんの二人で掛かってきてください。あなたたちは途中交代(タッチ)ありで……その代りどちらか、片方が全裸……まぁアキラさんはともかく、マリアちゃんを全裸に向くのは気が引けますので最後の防衛線を脱ぐのは勘弁してあげましょう。更に……」


 ざわざわ……

「せ、先生?」

「嫌な予感が……」


 カグヤの言葉に続くように、俺たちの嫌な予感が的中しだす。


 続々と闘技場に観客が入り始め、徐々に満員になりつつある。


 カグヤは満面の笑み、アリアはわなわなとふるえ、口をパクパクあけている。

 彼女にとっても想定外の事態のようだ。

 


 野球拳という脱衣試合のことを知ってか知らずか十数分後、満員御礼になった。


 ガリアでのアリシアと円卓の騎士の面々と戦った時以上の熱狂だ……

 

『アキラさん、今回ばかりは勝ってください!』

『陛下の柔肌を!』

『お姉さまの体を是非!』

『なべや~ん!!』

『あっはっはっは!』

『……野球拳って何?』

『変態おやじの下劣な技よ(怒)』

『義姉さん……言い過ぎですよ。』

『懐の狭い女神よのう……』

 

 強化された聴覚や読唇術で周囲を見渡してみると信仰の対象たる女帝の裸体を見たいが為か帝国民の何割りかは俺たちの勝ちに期待しているようだ。


 これもまずい、逆境を逆転させる【裏技】ステータスを極限以上まで高めるスキル【窮鼠猫噛】も封じられてしまう。


 

 戦闘では瀕死、窮地の状況では爆発的に攻撃力・防御力を発揮し、今回のようなジャンケンなら、敏捷性、幸運、魔力を上昇させるのだが、ルール、装備で不利になった状況下、仮に俺がパンツ一丁で追い込まれていても、孤軍奮闘ではなく、観客が味方に付く以上、大した効果が得られない。



 この2日間、基礎能力値、幸運値、心理戦を重点的に鍛え、想定してきたが、カグヤはそれにとどまらず一見俺たちに有利に見せかけ、その実自分の必勝を確たるものとする場と状況を作り出した。


 流石は身一つで帝国を作り上げた女傑だ。


 素直に賞賛の声がでるね。

 

 「あのスキル【窮鼠猫噛】による逆転攻撃には手を焼きましたからね……同じ轍を踏んでいるようでは帝国のトップは務まりませんよ?」 

 「ああ……初雪の様に純真だった陛下が、魔王の魔手に掛かって腹黒く……」

 

 ……どうやら俺の影響らしい、ちょっと不意打ち、狙撃、落とし穴、奇策、外道技をたしなんでいるだけですよ? 


 あと、誰が魔王だ。 それは俺とナミの間に出来るであろう双子の娘か息子のどちらかだ。


「野球拳のルール説明はもう要りませんね? さぁどちらから来ます?」

「勿論、俺から「私が行くッス!」……おい!」


 何この娘、男らしいんですけど!?


「先生は切り札ッス まずは私が先行します。」

「ギャラリーが女性だけなら俺もいわんが、俺の目も、おそらく……いや、絶対田中がいるぞ?」


「うっ……致命的になる前に交代お願いしますね。」

 

 あら、素直…


「了解」

「それでは始めましょうか! 女の尊厳とフェンリルをかけて!」

「我はおまけか!?」


 犬耳メイドが騒ぎ立てる中、野球拳の幕は降りた。


★おまけ


スキル 【窮鼠猫噛】


 効果 


 1・窮地を逆転させるのに必要なステータス、スキルレベルを爆発的に上昇させるパッシブスキル。

 2・窮地を脱すると、解ける。

 3・窮地を打破するスキルの為、逃走や隠遁には使えず、それらに関連するスキルは発動中封印される。

 

 発動条件


 1・自分が窮地に追い詰められている事を認識する。

 2・自分を窮地に追い詰めている対象が格上である事。


 代償

 

 武器の破損、筋肉痛、知恵熱、倦怠感、欝、揺り返しが起きる。使用時間が長い程、反動も大きい。


 (アキラは回復魔法・精霊化・現呼吸で反動を抑える事が出来る。)

 

アキラは表向き、騒いでいますが、内心、冷静に状況把握、必勝の構想を練っています。


次回こそ 野球拳!

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