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異世界攻略のススメ  作者: 渡久地 耕助
集いし英雄

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142/238

敗北から学んだこと。

短いです。

後で追加するかもしれません。

 戦う相手に合わせて武器と姿を変える原罪を背負う猟兵。


 広大な海の上をサーベルと銃、海軍用船上槍(フリウリスピア)で魔物と海賊相手に渡り合う海賊王。


 古代技術、現代科学、魔法学を駆使した過剰技術(オーバーテクノロジー)の結晶の強化服と鎧を身にまとった鉄人。


 知名度に比例して力を増し、歴代勇者達が遺した鎧に、ルーが置いていった聖剣という最強の装備とスペックを誇る勇者。


 

 自然災害を人型に押し込めた存在、臨界者。その中でも各国で短期間で最強にまで上り詰めた8人の異世界人達。


 一騎当千という言葉に相応しい戦闘力を秘めた者たちの戦いが今、ロマリアの地下祭壇でクリひりげられていた。


 前時代的な戦い。


 武器を持ち、相手に向かって振り、突き、殴るといった戦闘行為。


 ただそれだけの戦いの筈が、轟音や閃光を伴い、繰り出す剣や拳の風圧でさえ、突風が伴う戦い。


 武器や体に魔力を込めて戦うといったこの世界でもシンプルな戦闘方法。


 自然災害に匹敵する古代魔法、禁止魔法さえ防ぐ、【地下祭壇】数々の魔法障壁や結界で守られた堅牢な祭壇が悲鳴を挙げる。


 想定以上の破壊の嵐を巻き起こす4人のヒトガタの戦闘に耐え切れず、壁や天井に亀裂が走っていく。


 しかし、地下祭壇が崩壊する前にこの戦いは決着がついた。


 始めは駆除屋(ニノ)海賊王(ワタル) 鉄人(ゴウタロウ)勇者(シュウ)の対決になっていた。


 ニノは【剣術】のスキルに【原罪】という7つの大罪に関する人間の罪悪や感情を発散させずに溜め込む事で、得意なスキルに変換する固有スキルを持っている。


 【原罪】の特書能力の一つ【憤怒】で今迄溜めに溜たストレスを爆発させ、身体能力と武器を強化し、本来、自分より白兵戦に優れた海賊王を圧倒する。


 しかしワタルの真価は騎乗する海賊船によって決まる。


 召喚者に操られ、自我を失っているにも関らず、只、『目の前の障害を倒すという目的を坦々となす現象』と化していても戦いに関しては考える知恵があるのか、白兵戦は不利と見るやサーベルを捨て、散弾銃で弾幕を張り、距離をとる。


 点や線の攻撃では無く、面での攻撃にニノは太刀では防ぎきれないが、その身は人間の域を超えつつある。 如何に強化された銃弾を以てしても致命傷を与えるには至らなかったが、ワタルはその隙をついて虚空から大砲・回転式機関銃を半ばほど出現させ、自身に狙いを定め一斉射撃、砲撃に切り替えてきたのだ。


 ワタルの真骨頂は自身の所有する船団の兵器、武器を空間を歪めて部分的に呼び出し、砲撃することが出来る。


 一種の召喚術を行使できる。アキラやゴウタロウが使う【剣林弾雨】や【換装】に近い能力である。

 

 突然の一斉砲火にニノは背中に背負った愛用の刀剣サバイバルブレイドと腰に差していたククリ刀を抜き放ち、二刀流の剣舞で銃弾の雨を弾き、回避するがこのままではあちらの弾薬が尽きる前に、自分のスタミナが持たなくなる事は明らかであり打開策を必死に考え出す。


 一個人で、自身が率いる無敵艦隊の全武装の総攻撃力を持つワタルの火力にニノも超人化しても個の戦闘力で軍そのものに歯が立たないのだ。


 さっきの散弾銃とは威力のケタが違う。此の儘では蜂の巣にされるか、砲撃で吹き飛ぶかのどちらかしかなく、自身の状況に歯噛みする。


 一方、ファンタジー対SFの戦いに発展する勇者と鉄人、光魔法の閃光と高熱砲の打ち合い、魔法で強化された斬撃と科学で強化された拳撃の応酬が行われる。


 だが、鉄人の相手は七英雄の中でもアキラ、カグヤに比肩する七英雄にして最強の聖人の称号をもつ勇者。


 如何に精神が肉体を止めようともがいても、今迄、蓄積された戦闘技術が、魔力が、そして固有スキル【勇者補正】は名声が上がる程、実力が上がり、強化服の出力を超える膂力を発揮し、駆除屋、鉄人共に押されだした。


 しかし、この二人は如何なる強敵や逆境を鼻で笑って乗り越える悪辣な英雄との戦いを経験している。  



 あいつならどう戦う?


 その思考にたどり着いた瞬間、天啓が降りたかのように考えが閃き、そこから二人の動きは迅速だった。


 『交代(スイッチ)!』


 戦う相手を瞬時に入れ替え、攻撃の軌道上に召喚者が来るように立ち回る。


 こうすれば、相手が攻撃を躱せば召喚者に当たる為、回避するという手段を奪うことも出来、逆の立ち位置になっても、此方は遠慮なく回避行動が出来るのだ。当然、海賊王の銃弾も勇者の光魔法、飛ぶ斬撃も封じることが出来る。


 更に戦う相手を入れ替えたことで、ゴウタロウの現代化学兵器すら凌駕、空想科学兵器で近代兵器を主戦力にする海賊王の無敵艦隊の火力では歯が立たない。


 原罪の【嫉妬】の変身能力で戦女神(カグヤ)に化け、魔法と飛ぶ斬撃を封じられた勇者に純粋な剣術で挑み、神業の域に到達した戦闘技術を持ってして封殺するニノ。

 

 相手によって転移で多種多様な武器、魔法、自然物を転送して戦い、相手の相性や弱点を徹底的調べ上げ、見切り叩く死神との戦闘経験が、実戦では難しい戦う相手の切り替えという思考に至り、二人の七英雄を下したのだ。


 通常なら跡形も残らない、鉄人の全兵装の一斉放火。


 カグヤの技の完全模倣で体中を鎧の隙間を通して斬る介者剣法の斬撃。


 鉄人の高熱砲、粒子加速砲を受け、転移した武装で可能な限り相殺したが、武装と体力を消耗した所に止めのドラゴンすら殴り殺す【正拳突き】を鳩尾に受け膝から崩れ落ちる海賊王。


 いかなる防御をもすり抜け、計算づくめの詰将棋の様に、鎧の防御力、聖剣の間合いをすり抜けて幾重もの日本刀の斬撃を受け、遂に倒れふす、勇者。



「さて・・・海賊くんと勇者くんは倒した・・・覚悟は出来ているんだろうな爺。」


 【原罪】で溜め込んでいた負の感情が放出しきっている為、口調が変わったニノが下の姿に戻り、肩で息をしながらもサバイバルブレイドを召喚者に向ける。

 

「今更許してくれとか言わないでくれよ?お前らのやり口には温厚な俺もいい加減、頭に来る物があるからな。」


 一斉放火の余剰熱でオーバーヒートした為、換装した【強化鎧】を切り離し、強化服のみで相対する鉄人。


 普段は温厚な彼も自意識まで支配し、洗脳して戦わせる召喚者のヤリ口に怒りを覚え、拳を強く握り締める。


 両者の怒気にさらされる壮年の召喚者。


 彼は完全に異世界人達の怒りを買ったのだ。

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