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異世界攻略のススメ  作者: 渡久地 耕助
番外 異世界はつらいよ

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錬金術は台所から

番外編 

本編を捕捉する小話です。

アキラが薬師で生計を立て始める話です。



 トゥールーズ 食堂 厨房内


「電話も無ぇ♪ラジオも無ぇ♪ネットもコンビニも無ぇ♪金も無ぇ♪ オラ異世界(この国)にやってきただ~♪……オラこんな暮らし、いやだ~♪」


 鼻歌で替え歌を歌いながら、雑務クエスト(皿洗い)自給650zの仕事をこなす。


 日本の都市部のアルバイトの自給と比べると労働基準法違反の低さに涙がでるね。借金大国日本と言われていても、賃金はやはり高かったのだろう。 ゴメン愛国心の無い俺には日本の有難さがよくわかった。 これがカルチャーショックという奴か!


 まぁ今では、この時代、この世界ではコレが普通だと理解はしたし、納得もした。だが、俺は人生舐めている訳ではないが、楽してドカッと稼ぎたいのだ。


 先ずは近隣住人の信頼を得ること、物価の相場を知ることは出来た。


 だがそろそろ、有効なスキル、生産系スキル この世界で言うところの職業スキルを修得しないと。


 となると、調理のスキルを鍛えるか?


 いや…この世界の食文化より、文化祭に取り上げられる程、食の文化は重要だ。


 だが、レシピを公開した所で俺にちゃんとした利益が出るかどうかも分からない。


 食堂で新メニューの考案の協力依頼もあったが…報酬が少ない。


 日給分の報酬である9000Z(8千円から1万円相当)で新メニューとか……舐めてるよね? 桁が違うんだよ桁が!! それも二桁な!!


 レストランが発展したのは革命等で、宮廷料理人が職を干され、食堂を開いたのが始まりとされているし、宮廷料理みたいな美味い飯を食いたい気持ちも分かるが先人が研鑽を重ね、思考錯誤して考えたレシピをたかがちょっとばかり高い日給の金額で寄こせと?人生舐めてるよね?世の中舐めてるよね?


 こんな考えを持っている店主に俺のレシピ(といっても殆ど家庭料理やB級グルメ)は公開してやらんな……料理ってのは真似されやすいし……著作権が有った俺の時代でも平然と真似する奴がいたのだ。公開はしない……特に物の相場も分からん奴にはな! ギルドも何でこんな依頼を掲示板に乗せるかな?


 まぁ冒険者で料理をする奴なんて稀だし…仮に本格的に出来る奴がいても俺みたいに依頼を無視するし依頼を受ける奴が持ってくる料理なんて大した事ないに違いない。


 今のところ、料理で稼ぐのは置いておくか…作るとしても保存食位に留めておくか…


 となるとMMORPGで魔物退治、賞金首を狩る以外に儲かる方法といえば、錬金術、鍛冶屋、薬師だろう!!


 そして、余り使いたくないが俺の固有スキル【魔改造】の力に効率化という特性がある。


 理解、実践、反復を行う事で、スキルを修得し、この3要素を挙げることでスキルの熟練度が上がるというのはギルドや雑務クエストでも分かった。


 この反復の要素を短縮し、効率的に熟練度を上げれる。 知識が無く、理解できない点以上に修得は出来ないという弱点があるが……


 兎に角、鍛冶師……日本刀を作ってみたいし、鋼を何層にも折りたたみ叩き上げ、熱したり冷ましたり?などホワホワした知識しかないし、刀を打つなんて経験は普通ない。


 薬? 薬事法って知ってるか?


 だが、武器、薬を作り、露天で売りさばけば、冒険者やギルドに恩を売れるし情報も入りやすい。


 「アキレウス君! 今日はもう上がっていいよ!」


 「ウィ~っス。」


 「あ、これ報酬の3000zだチョイ色付けといたよ。」


 「有難うございます! それではお先、失礼しま~す。」


 色っつっても400zじゃん!とは突っ込まない だが舐めてるよね?


 いや、文化の違いに怒っていても始まらん。


 兎に角、修得出来そうなのが、錬金術と薬師だ。


 道具一式と材料をどっかで借りるか調達するとしよう。


 

 ■ □ ■ □ ■


「どっかの赤チビは言った!(鎧の弟の方だったっけ?)錬金術は台所から発生したと!」


 材料道具の高さに絶望した俺は宿屋の厨房を借りて、フライパン、オタマ、ナベを使って錬金術&薬師のスキル修得に掛かる!


「クックック、錬金術はスキル修得に必要な理解は現代日本で学生時代に科学、化学、物理、生物学を広く、浅く身につけているし、薬もアウトドア&調理スキルで大まかには理解しているしその知識に含まれる食べれる野草を網羅しているのだ。 ヤレル、やってやんよ~!!」


「アキレウス君、少し静かにしてくれ…」


「あ、は~い。 すんませ~ん。」


と、兎に角! 設備の少なさを他の道具と笑顔でカバーして早速、スキル修得といきます!


 昼間にここのポーションがどんなものか購入して効果の程を試したが…


「マッズ!!」


 不味いの一言だ……商売敵の賞品がこの程度の品質を出しているのなら俺にも勝機はある。


 小児科の薬の様に、あま~いシロップの薬を作ってやんよ。


 と言う事で錬金術&薬剤調合と言う名の調理開始。


 薬草を刻み、煮だし…灰汁をとって雑味を取り除き、糖質の高い果物を煮て、砂糖の様なものを作り、混ぜて何とか飲みやすいポーションを作る。

 

 

 更に砂糖と昼間の買い出しの際、露天で貝殻で作ったアクセサリーが売ってたので、購入。それを粉微塵に砕き、重曹として扱い、石鹸とカルメ焼きも錬成する。


 小麦粉や豆でクッキーも作って携帯保存食糧を製作じゃ~


 果物からも砂糖を作りだす。

 

「完☆成!」


石鹸 携帯食糧 カルメ焼き 砂糖 ジャム 果糖ポーション 重曹 焦げた何か(材料の残りカス)


ふふふ、工夫と貧乏人のスキルを舐めるな! 台所からこれ程のアイテムを作りだしてやったぞ!



 そしてギルドカードをチェック!


 修得スキル


 NEW 【錬金術】【薬師】


「修得完了……クックック 此処からだ、此処から俺の成金生活の始まりだ!!」


 こんなにもあっさりと修得し、この国の庶民階級ではちょっと手が出せない高価な砂糖、石鹸まで台所から錬成に成功した。

 

 貝殻…重曹を手に入れたのも大きい、重曹は洗剤にもなるし石鹸、カルメ焼きと汎用性もある。


 後は、魔改造で熟練度、作業を高速化させて一気に錬成していき…レパートリーを増やし、研究設備と道具一式を借りよう。


 ギルドでもカードを見せて、【錬金術】【薬師】のスキル修得欄を見せれば工房を借りてもっと大規模に大量に生産できる。


 空瓶とベルト…包みを用意せねばな。


 忙しくなってきやがった!!


吟遊詩人?薬師?に繋がります。

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