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異世界攻略のススメ  作者: 渡久地 耕助
死神と人造人間

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123/238

尋問?

また、彼女がやらかします。


2013/09/06 加筆修正。

 前回のあらすじ……タイトル詐欺にも程がある。


「そろそろ、私の出番ですね~♪」


 はい、本日の本命……カグヤさんの出番だ。


 正直、この娘が一番読めない。

覇王、女帝、戦女神様の手腕…見せてもらおうか。


 刺客ちゃんが余りの快楽?に小一時間、意識を失っていたが、先ほど、ようやく意識を取り戻した。

 顔も無表情に戻り、息も整った。


 さぁ どう出る!? カグヤ!!


「処刑人 一号さん 貴女に大切な人はいますか?」

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 全世界が停止したかと思われた。

 ナミは天を仰ぎ、

 ヨシツグは絶句…

 ビビは憐憫の眼差しを向け、

 ルーは笑いを堪えている(女神失格だ。) 

 


 普通は情に訴える尋問の常套句だろう。

 だが、彼女がこのタイミングで使うと全くの逆の意味に聞こえるから不思議だ。

 

 完全に脅しだよね。 これ?


「……何の事?」

「ロマリアの皇女に双子の妹がいますね? 名をテレサ……そう、そこにいる、最強の吸血鬼テレサ・シンクレアの名を与えられた妹が…… 

 なんで、聖女と名高い、皇女の妹様にテレサなんて悪名高い、名前が着いたのでしょう?

 教国のロマリアが真祖の名前を把握していない筈がありません。

 民衆が知らずに突けない様に、入信する際にも祝福名、洗礼名にテレサさんの様に、魔物、吸血鬼や歴史上の異端者の名前は避ける筈なのに……」


 つらつらと、流暢に喋りだすカグヤ。

 傍から見たら、美女が歌っているような光景だが、

 状況と内容がひどすぎる。


 大切な人の有無を聞かされ、相手はとぼけているのに、その人物おそらくの情報、内部事情まで語りだされれば、恐怖しか湧き出てこない。

 


「何故、皇女の妹にこの名前を付けたのでしょう?

 恐れられるほどの強さ、忌み嫌われる存在だから?

 気になって調べてもらったんですよ。

 そうしたらこの前…と言ってもアキラと私が戦ったあの内戦の後、ガリアにこそこそとアキラを探っていた七英雄・神剣の勇者と行動を共にしていた異端審問官の僧侶さんがいたんですよ。

 確か、彼女の名前は偶然にも……」


 始め、白を切っていた刺客ちゃんの顔がみるみる、青ざめて行く。

 ウン、誰にだって大切な人はいる。

 

 刺客ちゃんも、その例に漏れないようだ。


「……止めなさい。」


 震える声で刺客ちゃんが呟くが、カグヤは止まらない。


「ふふ アキラをこそこそ、嗅ぎまわっているのをウチの草(間諜)が見つけまして…

 勇者の動向を探っていく過程で、プロジェクト・Sの存在を知りました。

 そして、現在の異端審問官の実働部隊に一位から三位は全員プロジェクトSの研究成果の成功例でなんと全員人工聖人! 一号と三号はクローン、二号はダンジョンコア寄生型なんですって?」


 ……帝国の情報網、間諜の凄さには舌を巻く。

 世界が帝国に統一される日も近いなこりゃ。



「貴女が目にかけて大層可愛がっているのは同じ境遇である後輩のテレサ(三号)さん。他の人工聖人と違って感情表現豊かな方ですねぇ?何故でしょうか? その方が都合がいいのでしょうか?」


 カグヤが語るたびに、顔が青ざめていく刺客ちゃん。

 もう止めたげて!?

 彼女のライフはもう0よ!?


「記憶なんて突きつめれば情報に過ぎませんし、人工的にでっちあげることも可能ですよね? マリアちゃんと同系統のスキルが有れば不可能ではありません。なにも知らない彼女は自分が皇女の妹と信じて疑ってません。

 宮殿内、神殿内での権力争いを避ける為と言う名目であったことも話したこともない姉の為に、光り輝く、姉の為に影から支えようだなんて、何て出来た妹さんでしょう。今、この時も、勇者の下で頑張って居る筈です。

 でも、この事実を知ったらどうなりますかね?信じていた皆に騙されていたという事実を知れば……」


「止めて! 止めて下さい!!」

「怯えることはありませんよ? 私は只、貴女の仲間のお話をしただけですよ?」


 もう、止めてやれよ!

 やっぱ怖いよこの娘!





 この後、洗いざらい吐かされました。


「ゴメンなさい……ゴメンナサイ 皆、お姉ちゃんを許して……」


 うわ言のように、呟く、彼女。

 犯された女性の様に放心している。


 いや、何もしてませんが、精神的にきますね。

 すごい、罪悪感なんですけど?




「あの、見ててすっごくいたたまれないんですけど?」

「カグヤン?自分、良心がずきずき来るねんけど?」

「うふふ、生前の記憶が残ってるんでしょうね? 千年前の戦争で民草の為に、自身の命を削りながら回復魔法を掛け続け、過労死した聖女 セイラさん。 昼間の三下では無く、妹の様に可愛がってた二号と三号、皇女を人質にとれば、話さざるを得ないでしょう。 自殺を封じられ、沈黙がどういう結末になるかも目に見えてる以上、話すしかありません。 まぁ一重に私のカリスマが成せることですね。」


 どこが、カリスマ?


 罠にはめた俺がいうのも何だが、かなり同情したぞ。


「土台、聖人を暗殺者に仕立てるのが無理な話しなんですよ。彼らは人の為、信仰の為ににその生涯をささげてきました。 そんな彼らが見殺しなんてできません。 如何に感情を殺す様に教育を施しても、遺伝子にまで刻み込まれた記憶が、覚えているんでしょうね……優しく、慈愛に満ちていた前世を…」


 前世か……

 

 今、この場に生きているのはアキラという俺だが…

 

 やはり、アキレウスの記憶が俺の中の何処かにもあるのだろうか?

 まだ、覚えているのだろうか…


 そんな現実逃避をして、目の前の惨状に目を背ける俺を笑うがいい。


 ■ □ ■ □ ■ □


 エントリーナンバー 3 カグヤ


 結果


 異端審問官のメンバーの容姿、名前、能力


 教会の勢力図


 七英雄 勇者の実力、能力など


 審査員コメント


 アキラ


「あ~なんというか…コメント出来ね~」


 田中


「……あの、なんかゴメン。最初から自分らがするべきやったわ……」



誰にだって大切なものがあります。

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