尋問 壱
アルファポリス大賞14位に上がりました!
次の目標は10位以内です!
決意を新たにした俺達は教会の内部情報を探る為に刺客ちゃんの尋問を行う事になったのだが…
「さて、それでは尋問と行くか……」
「ほんじゃ、ワイが読心系のスキルで探るわ。」
「お前はこの娘に近づくな色情狂が…去勢するぞ。」
「ナベやんに言われたないわ!」
情報を読み取るスキルを俺達二人は持っているし、田中は頭を割って脳みそをくちゃくちゃして、引き出すことも可能な筈だ。
未だ、ドラム缶で涙目で俺を睨む少女を拷問にかける訳にもいかないし、解析で脳から情報を武器と同じく、読み取ることも可能だが、田中がドクターストップを掛ける。
だが、俺も医者としてのこいつは信頼しているが、こいつの変態性も同じくらい信頼している。
「話が進まないだろう。 此処は、女神でもある私が訊くから。」
ため息をついて、ルーが進み出る。
おお、確かにルーは十字教が祀る女神、光の大精霊だ。
敬虔な信者なら話を聞くかも知れない。
猿ぐつわを外してやり、尋問を始める。
■ □ ■ □ ■ □ ■
ルーの場合
「始めまして私の名前は、ルーといいます。御存知かと思いますが、貴女達が探していた光の大精霊です。 貴女の名前を訊かせて貰えますか?」
うん 誰だお前は?と訊きたくなる。
猫を一ダース単位で被ってやがる。 俺と初対面の時に見せた営業スマイル、貴婦人スマイルに女神オーラ?を放出しまくって語りかける。
この詐欺師め…
ダウトと叫ぶ衝動に駆られるが、此処は我慢するしかない。
そして、事の成り行きを見ようと、彼女の反応を注視する。
すると、刺客ちゃんも自分が信仰する神様には、警戒心を解いたのか、じっとルーを見やる。
が……
「ペッ!」
女神様の頬に唾を吐きかける刺客ちゃん。
そりゃ~理由はどうあれ、自分たちを見捨てた?もしくは、魔王側にいる女神を目の仇にしていてもおかしくないだろう。
「……」
ルーが無言でハンカチで顔をぬぐう。
さぁ どう来る! ルーよ!!
「なんかあきらちゃん 楽しんでません?」
「分かる? あと、ちゃん付けは止めなさい ナミ。」
「う~む、真祖の妾より嫌われとるの~ホントに神か? あやつ。」
「白い悪魔とか恐れられてましたからね~。帝国でも有名でしたよ?」
「まぁ 女神って言われてもちょっとな~ 出席簿でナベやん叩いてるイメージしか無いし。」
「といいますか、動きませんよ彼女。」
外野が騒ぐ一方、壊れた機械の様に動き出すル― そしてゆっくりと報復の短剣【回答者】に手を掛ける。
「オイ! ルー落ち着けって!尋問だろう! その剣を離せ!」
急いで、ル―を羽交い締めにして、取り押さえる。
何考えてんだこの女神様は!
心、狭すぎだろ!
「離せアキラ! これは躾だ! 親の愛情の様なものだ!」
「虐待する親は皆そういうんだよ! つか、オーバーキルじゃねえかそれ! 躾や虐待ってレベルじゃねえぞ!」
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結果として何の成果も得られぬまま、ル―の尋問は終わった。
というか、名前訊かなくても俺と田中は其々 【解析眼・改】【診察眼】で名前は割れてるんだけどね
でも、暗殺者だからか、コードネームだったんだけど。
Boondock Saints no.1
処刑人一号って名前だ。
略してBS1
どこのテレビチャンネルだよ。
まぁこの際、名前はどうでもいいんだけど。
次は誰に尋問に行かせよう?
エントリーナンバー1 ル―
結果
唾を吐きかけられる。
進展なし
審査員コメント
アキラ
「唾を吐かれようと女神らしく寛容な態度であれば、違った結果だったかも知れませんね。」
田中
「客観的に自分がどう思われているか考えとらんかったル―ちゃんにも非があるな~(笑)」
さぁ 誰が一番情報を訊き出せるかな?




