殺す覚悟
更新遅れたっていいじゃない……
人間だもの
「燃やすな、萌やすな。役目を忘れんな……強制送還させるぞ。」
「宮殿だと色々抑圧されるんですよ!ハメを外したっていいじゃないですか!海ですよ!?」
「海やで!?海に来る理由何て、其処に水着を着た女の子がいるからってゆっても過言やないで!」
俺の背中にくっついてじゃれつくカグヤと、【混沌の沼】に沈められ首だけの田中が曇りなき眼で答える。
同じ男として、田中の意見は賛同できるが本来の目的を忘れちゃいないか?
「カグヤ? 後で相手してあげるから、暴走は止めような? ヨシツグ……西瓜割りッて知ってます?」
「は~い♪」
「この状況で西瓜割りは聞きたない! 誰か~助けて下さーい!」
素直なカグヤ、青ざめる田中。
影からだした釘バット(自作)をみた瞬間焦りだす。
「少し頭冷やそうか?」
「冷えました! 夏なのに、地面に埋められてるのにめっさ寒いです魔王様! お慈悲を!」
標準語になって命乞いする田中。
笑う魔王
「でも、俺達にとっちゃ目隠しなんてしなくても動かない西瓜を割るなんて造作もないことだよな。」
索敵スキルや心眼って便利だよね~
□ ■ □ ■ □ ■
田中side
うう、危うく、頭がザクロと化すとこやった。
ビビが止めてくれたお陰で、命は助かったが罰として、プライベートビーチやのにする必要のない荷物の見張り番をさせらるワイ。
現在普通に西瓜割りを楽しむ面々。 た、楽しそ~
ああ、それでもテンション上がるわ~
美女、美女、美女!
しかも、今日は休暇のバカンスだが!
翌日になれば、王女ちゃんや騎士ちゃん。 ダークエルフの御姉さまに、受付の御姉さま。 現役ハーフの女子高生まで加わる。
……全員なべやんの女やん!
くそ! やっぱ後でしばこう。
でも、この世界の出会いゆうてもな~
テレサちゃんは、アキラにゾッコンやし、略奪愛は無いしな~
ビビは……美人やし俺のこと好いてくれるみたいやけど弟子・助手・娘って感じで異性として見れんしな~ナイチンゲール症候群からの好意かも知れん以上……この距離を保たんと……
そういや前いた世界では二次元には数多くの嫁を侍らせとったけど、現実では居らんかったからな。
勉強と家業とネトゲで女遊びも出けへんかったし……
「目の保養にはなるけど……フリーの女性がおらん。プライベートビーチやからか他の美女はおらんし……カグヤちゃんかルーさん達の部下でも連れて来てくれへんかな~」
水着の文化を広め、発展させたはええけど、思ったように定着せぇへん。
そら下着に近いカッコで泳ぎたくは無いやろな……
もう少し、広まるまで、時間みんと……
「義父さん 私の水着…どうですか?」
「おお、似合っとる綺麗やで ビビ。」
ビビがワイに駆け寄って感想を聞いてくる。
このやりとり、何度目や?
健気なアピールのつもり遣ろうけど……
なんや、ビビを好きになるんは卑怯な気がして……罪悪感があるしな……
そんなワイの感想に満足したんか、また、花の様に笑って、皆のいるビーチに戻るビビ。
あの笑顔を守る為に、ワイは戦おう。
未だ、結果的には、戦闘で誰ひとり殺さずに戦う優しすぎるなべやん。
奇跡のような戦果やけど、こっからはホンマもんの血なまぐさい戦いや。
そんなんで宗教戦争なんて大義名分を得た人間っちゅ~魔物相手に、正気を保てていられるんか?
医者である以上、ワイも助けられん命、取りこぼしてきた命があった。
救う心で治すワイら医者ですら、患者を殺す、死なせる覚悟をもって戦っとる。
わかっとんのか?
自分を犠牲にする真似ばかりして……それを見て、気付いて、傷つく相手が多くいるのに気付かんと取り返しがつかんようになるで?
けど、今はワイが代わりに盾になったる。
「何時まで、こそこそ覗いとるつもりや。出て来いや。」
先ずは、刺客を追い払うとしよか!
田中side end
疲れた…




