これは午前一時から、午前二時にかけての出来事
前回のあらすじ、嫌な予感がする。
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一人、寝室から退室し、召喚者の事を考える。
この世界アースと地球、日本をつなぐ存在。
何時か、必ずぶん殴る存在。
成功すれば、マリアを元いた世界に帰すと言ったらしいが、疑わしい。
そんな便利な事ができるのなら、今回の俺が散々使った転移の強制送還の様に俺を元いた世界に戻せばいいのだ。
態々、刺客を放ったり、戦乱を起こそうとしなくても容易だ。
この事実から、マリアを還すというのは虚偽だろう。
そして、ここの世界と向こうの世界に時間軸のズレが存在し、向こうでは時間がそれほど立っていないという事をマリアから聞いた。
これと似た現象を去年、俺は体験している。
アクアの海底神殿だ。
彼処も一種の異世界で、時間の流れが異なっている。
数分が数ヶ月になるほど時間軸の流れが異なるのだ。
だが、俺の前世が千年前として、地球で20数年生きたとしても時間軸のズレが分からない。
一年半もこの世界にいて、まだ向こうの世界で数分しか立っていないというのもおかしい。
俺の前世が千年前に死んで、向こうの世界の輪廻の輪に組み込まれ転生したとしよう。
それは死んで直ぐに世界の壁を破り、即、転生したのなら、此方と向こうの時間の流れは約50倍違うことになる。
もしくは時間軸が同じで、長い時間をかけて転生したか?
だったらここと同じく、向こうでも一年半の時間が流れているのだが・・・
マリアが見たのは録画か何か?
それとも俺が知らないだけで、時間移動も可能なのか?
異世界トリップかと思えば実はタイムスリップでしたなんて今更認められるか?
とにかく、マリアを家に還すためにもこの夏の諸国外遊、調査で元いた世界に帰る召還術を完全にマスターしないとな・・・
■ □ ■ □ ■
しばらくして、契約状態が戻ったナミから念話で呼び出され、部屋に戻るとマリアは何処か憔悴し、クレアは年のせいか疲れの為かスヤスヤと眠っていた。
ほかの面々の眼は何故か期待に満ち充ちている。
うん、何故だか嫌な予感しかしないな?
「あらら、クレアは寝ちゃったか・・・みんなも美容と健康の為に早く寝よう!夜も遅いし,俺は家に帰るとす・・・・・・」
「アキラさん、マリアちゃんの奉仕活動は今しがた一段落つきましたし、此処に座ってくれます?」
断れる雰囲気ではなく、有無を云わさずに備え付けの椅子に座る。
他のみんなは回転ベッドに腰掛けている。
「この戦いで、マリアちゃんの洗脳とはいえ、あれが私たちの本心である事は違いありません。ソコは理解してください。」
「あ、ああ ありがとう?」
何だ?何を狙っている?
「それに誰がアキラを想ってるかなんて戦いで示そうだなんて愚かだったと気づいたんです。」
「へ~」
「ところで、マリアさんは、【精神同調】に加え淫魔、妖精、魔物、魔族、精霊、英霊、召喚獣など多くの使い魔がいましてね? 今回の作戦でこんなものを使い魔に調査して用意していたんですよ♪」
渡辺 アキラ好意度ランキング
そう言って巻物を出すクラリス。
人目みた瞬間、逃げ出す俺。
瞬時に拘束され、沼に沈む俺。
まさか、あのオ○ジョ妖精が書いていたあの禁書が この世界にあろうとは!
「これって随時更新されるスグレモノで、様々なパラメータでランキング付けされる優れものなんですって。 これで私たちの事をもっと知ってもらいましょう。」
「オイ! そんな自爆物だしてどうする気だ。 自傷行為と変わらんぞ!」
「ん・・・・・・酒の肴に良さそうだな。」
「不動の一位の私には結果などわかりきっています♪」
「誰がアキラを一番に愛しているかおのずとわかる書か、恐ろしいものもあったものです。」
ダメだ聞いていない
やはり、止めるべきだった!
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長い夜はまだ終わらない
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