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異世界攻略のススメ  作者: 渡久地 耕助
24 死亡フラグを叩き折れ!

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101/238

これは午後六時から、午後七時にかけての出来事

スランプ中

 前回のあらすじ、脳内コントって……なんだよ?


 18:00:02


 18:00:03


 18:00:04


「や、止めて下さい、そ、そんな熱くて白いねばねばしたもの、口にできませ ふむぐ!」


「な、そ、そんな物を咥えさせようだなんて、この変態、外道! 恥を知りなさ あむ!」


「あーん♪」


 無抵抗な淑女達に、熱くて白いねばねばを掛けた物を咥えさせたり、長くて、液で濡れた物をひな鳥に食べさせるように咥えさせる男がいた。


やはり俺だった。


そして、それらを幾度どなく繰り返す俺。


暫くして彼女達の反応が変わってくる。


「どうした? 嫌がってたのに、そんなにこれが欲しいか?」


「うう、下さい、もっと欲しいです~」


カリサ嬢は始めの一口でもう、虜だな。


「わ、私の口にもそ、その下賤なものを///」


ファンも、羨ましそうに俺のを見つめる。


「アキラさん~おかわり下さい。」


こっちは、変わらず。


「ククク、そんなに欲しいか? この、たこ焼きとチョコバナナが!」


 はい、一部卑猥な表現が出ましたが、私、何もやましい事はしていませんことよ?


 身動きの取れない彼女達に夕飯時に用意していたお祭りグッズのたこ焼き、チョコバナナを食べさせていただけですよ?


 なんか文句ある?


 俺は【錬金術】【料理】のスキルを応用して材料さえあれば料理を瞬時に錬成出来るのだ。


 たこ焼きにマヨネーズを掛けた物、バナナにチョコレートを掛けた物を錬成して食べさせてましたが何か?


 でも、これでも十分な犯罪かな?


 現在、首だけの状態で無抵抗な俺がイタズラ心に額に肉とか中とか書こうと思ったけど、これで勘弁してやったのだ。


 カリサ嬢は初めて食べるたこ焼きの虜に、甘党のファンはチョコバナナに夢中です。


 カグヤ?たこ焼き派だそうです。


 さて、ひとしきり堪能しましたし、そろそろかな?


 さっきから、斥候のスキル【索敵】【警戒】【危険感知】が俺の頭にアラートを発している。


 それが、高速で近づいてくる。


 そして警戒範囲に入った瞬間、幾本も鉄針が俺に向かって飛んできた!


 槍が俺の四肢を貫こうと飛んでくるのを全て片手で受け止める。


 針先から柄まで満遍なく毒を塗っている徹底ぶりだが、俺に、毒や麻痺、呪いの類は通用しない。


「ハァ、ハァ こ、今晩は……し、死神君」


「……今晩は」


 なんか、肩で息しているローブ姿の男が出てきた。


 真夏にローブって…夕方とはいえ、まだ暑いこの時期に着るとは……只者じゃないな(笑)


「駆除屋君!?」


「ニノさん!」


「ゴミ虫!?」


 帝国側の人間……駆除屋か


 と言うか、ファンさんの彼の扱いの酷さが分かりました。

 

 あのゴブリン、魔蟲を絶滅、根絶させた幻のハンター


 ゲルマニアに代々受け継がれてきた最強のハンターの称号 その継承者か…


 ……俺は誰に説明しているんだ?


 それより、カリサ嬢の呼んだ名前だ……ニノだと?


「日本人か」


「ああ、俺の名前は(ニノマエ)・コウスケ。八人目ってやつだよ。それしても凄いな、弾いたり避けたりした人は今までにもいたけど、此方を見ずに片手で受け止め、且つ【蟲毒】が効かない人間は初めてだ。」


 ようやく、息が整ったのか、自己紹介を始める駆除屋。


「ちょくちょく、俺の講義にジョン君に化けて出てた奴だな。」


「!? 気付いてたのか。 流石最強の斥候、いやエレノアさん曰く、賢者か。」


 さっきの奇襲など、挨拶だといわんばかりに話を続ける駆除屋。


 無機質な殺気だ…まるで虫を駆除するが如く淡々としている。


「それで? 奇襲掛けた以上、このゲームに参加するんだろ? それとも武器投げつけてから自己紹介するのがゲルマニア流か? 日本じゃありえないだろ?」


 なんで、どいつもこいつも鬼ごっこ、かくれんぼを人間狩りに発展させるのか俺は知りたい。


 ↑*注 原因(始めに転移で全員消し飛ばした男)


「うん参加者だ。単騎で帝国を撃退した男が気になってね? 鈴木氏や伊藤女史すら退けたらしいけど、あの戦い、俺だけ参加できなくてさぁ? 学校にも忍び込んだんだけど、コリンズ女史と君の女神様が眼を光らせてて、接触できなかったんだけど、君が開発した思念波ネットワークの【ま・ちゃんねる】にこの催しのスレが経ってたからいい機会だと思ってね?転移魔石で飛んで来たんだよ。……関所で取り調べ受けて遅れたんだけど……うわ!?」


 長くなりそうなので、掴んだ鉄針を【投擲】で投げ返す。


 咄嗟にかわすニノ。


「話が長い、二十文字以内で要件を言え。」


「……今すぐ彼女達を解放して、俺と勝負しろ!」


さて、解放ね? ほっておいてもカグヤはなんだか、自力で脱出できそうだ。


「だが断る。」


「なら、これだ!」


 駆除屋がローブを脱ぎ捨て、俺に投げつけ、視界を防ぎ、何十本もの鉄針を【道具袋】から取り出し、再度投げつける。

 

 狙いはバラバラ?いったいどこを狙って……


「しまっ!」


 気付いた時には、もう手遅れだった。

 

 鉄針は魔力ではなく、純粋な腕力で飛ばされている、魔法無効化は出来ない……


 鉄針がクルトの魔剣・Ⅱが突き刺さった地面を穿ち、剣を弾き飛ばし、精霊の結界を壊す。


 同時に、カグヤが精霊化し、沼から二人を抱えて脱出する。


 油断していた……


 カグヤを解き放つとは!


「形勢逆転だな? 死神」

 

「集団の強さなんて、俺には何の意味もないが? というか、カグヤは未だやるの?」


「ナミさんに負ける訳には行きませんから……ですが、今回は駆除屋君に譲りましょう。」


「お。流石、伊藤女史 話せるな♪」


「……路上じゃ、迷惑だな、建物の上でやるぞ。 来い!」


 建物の屋根を掛け上がるように顎を空に向け、飛びあがる。


 やるしかないようだな。


 18:13:59


 18:14:00


 18:14:01

 

 屋上で相対する、視界の下では劇場区の光が灯り、活気に満ち始める。


 今日は俺を捕える祭り騒ぎだが、捕まえれる側では無く、誰が俺を捕えれるか、逃げ切るかなど、賭けが始まってるようだ。


「戦う前に一言、何時もウチの弟子がお世話になっています。」


「いえいえ、師匠と違って素直なイイ子ですよ。」


 さて、どういうスタイルで来る?


 駆除屋の姿を見る。


 紺色の作業服に紺の作業帽、暑かったのか、今は上着を腰に巻き付け、黒のインナーを露出させ、サバイバルナイフを模した片手剣と腰にククリ刀を差している。


 用途は、アデーレ女史の巨大包丁と同じ、狩猟用の剣だ。


 鉄針の投擲もそうだが、駆除屋は毒薬、罠で相手を仕留める狩人だ。


 【魔改造】の解析で奴のステータスを透視する。


 ニノマエ・コウスケ


 レベル 250


 職業 薬師 狩人 


 スキル


 戦闘 【投擲】【罠師】【剣術】【狩人の極み】【穏行】【首狩】【急所穿ち】

 

 職業 【薬師】【清掃】【鍛冶】【解体】【駆除】

 

 魔法  なし


 固有 【原罪】



 

 固有スキル 【原罪】


 7つの人類の大罪を象徴する能力


 力、罪を溜めるか、禁欲するほど威力が増大する。

 

 


 原罪? 固有スキル持ちか… と言う事は変身能力もこのスキルか? 若しくは何かのアイテム?


 もし、変身能力なら【嫉妬】あたりが変身能力か?


 

 「いくぞぉおおおおお!!!!」


 瞬間、ニノマエが俺に斬りかかる。


 憤怒の形相で、突撃を掛け、俺に猛攻を掛ける。


 小太刀を抜き放ち、受け止めたが、一瞬で砕かれる。


 攻撃力、破壊力が上がるスキル これが【原罪】の憤怒の効果か……


 狂戦士と化したニノマエの猛攻を回避に徹し、動きを見極める。


 パワー、スピード 申し分ないが……


「はいはい、確かに力つえーし、速いわ。 だけどな」


【名古屋撃ち】


 ズガガガガガガガガガ


 絶対回避からのカウンターが容赦なく、顎を撃ち、首を叩き、肝臓を撃ち、鳩尾を貫く。


 一撃で済まさず乱打で沈める。


「その程度の実力者なぞ、この世界でゴロゴロいるぞ?」

 

 当たらなければどうという事は無い。


 止めに蹴り飛ばす。


 2、3回バウンドして動きが止まる ニノマエ。


 確かに強い…だが弱い。


 それでも何かいい知れない不安、脅威を奴から感じる。


 何かする前に転移で吹き飛ば……


 「だりぃ~」

 

 なんだ、また性格が変わった。 今度は【怠惰】か?

 

 すると、ニノマエを転移しようと伸びた影がニノを飲み込む前に、霧散する。


「今度は魔法無効化か……しかし【投擲!】」


 転移で引き出した物理型の複製剣を取り出し、投げつける。


 魔法は無効化出来ても物理攻撃は無効化出来まい。


 更に、


 「【精霊魔法】【闇火球】」


 連続で魔法弾を撃ち込み、無効化の【怠惰】を解除した瞬間をねらって精霊魔法を打ち込む。


 投擲された剣が鬼火がニノマエを襲い、爆発する。


 爆煙が晴れるのを待つ。


 だが、やはりというか、無傷の状態のニノマエが現れる。


「効かないな、死神君 魔法も投擲も今の賢者モードの俺には無意味だ!」


 解析眼が直撃の瞬間、剣が膨張、肥大し、防御するのが分かった。


 今度は抑圧された色欲を魔力に変換し、剣を強化の要領で体積を膨張させ、盾にして防いだな。


 今までの攻撃から、欲を溜めて、解放した攻撃、防御直、速度上昇は瞬間的に高めるもので、解放し終わると怠惰。無気力、賢者モードになって魔法攻撃すら防ぐ程、存在が希薄になるようだ。


 事実、憤怒状態に当てた攻撃は手ごたえがあった。


 それでも【原罪】のスキル、実力は未知数だ。


 長引かせるわけにはいかない、満月も昇りだした。


 「【連続遠当て】!」


 スキルを切り替える隙を与えない。


 拳圧で連続でノータイムで襲い掛かる。暴力がニノマエを叩き伏せる。


 剣で受け止め続けるも、堪え切れなくなり、何発も喰らい、ようやく倒れる。


 不気味なほど、あっさり決着がついた……おかしい、この程度の筈がないのだが?


 そうやって奇妙な違和感を感じつつも、時は経っていった。



18:56:02


18:56:03


18:56:04




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