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それにさ、『身嗜みを整える』って話にしたって、<TPO>ってのをわきまえなきゃダメでしょ。お弁当とか作る工場で、長さ五センチくらいあるような付け爪をした上にジャラジャラしたアクセサリーを付けまくった

それにさ、『身嗜みを整える』って話にしたって、<TPO>ってのをわきまえなきゃダメでしょ。


お弁当とか作る工場で、長さ五センチくらいあるような付け爪をした上にジャラジャラしたアクセサリーを付けまくったのが素手でおかずを詰めてたらどう思う? 付け爪が取れたり、ネイルに付けた石が外れて混入したらどうすんの? そんな人のことを、一緒に働いてる人らはどういう目で見ると思う?


『他人の目を気にする』


ってんなら、そういう場合だって気にしなきゃおかしいでしょうが。


<見た目>


ってのも、いろんな意味の見た目があるんだよ。いくら街中でたまたますれ違った人から『いい♡』みたいに思われる見た目でも、いつ何時でもそれが通じるわけじゃないって、そんな当たり前の現実と向き合えないのなら、意味がないんだよ。


眉を整える手間で、髪の毛の一本まできっちりと帽子の中に収めて、愛想もクソもない衛生面機能面のみを重視した作業服にきっちりと身を包んで、しっかりと衛生用手袋をはめて、細心の注意を払って作業するのが、食品工場における<まともな人>の条件だよね。


そこで<個性>をアピールすんのは違うでしょ。なんでそういうところについては無視すんの?


その人の生き方において、


<注力するべき部分>


と、


<そうじゃない部分>


ってのは確かにあんの。それについてまったく条件の異なる生き方をしてる人がとやかく言うのは、


<眉を顰められる行い>


ってもんでしょうが。なんでそういう現実を無視するかな?


<眉を整えることに注力しない生き方>


ってのもあって構わないんだよ。その人が自分でそういう生き方を選んでるなら他人があれこれ口出しすんのは<余計なお世話>だっての。


ただその一方で、自分でそういう生き方を選んでおいて周りからあれこれ言われたからって卑屈になったりってのも、確かに違うけどね。


まあこれは、


『五センチくらいある付け爪をした状態で食品を扱おうとして人がそれを理由に出禁くらっても文句言う筋合いじゃない』


という意味にもなるけどさ。自分でそれを選んだんだから、それが招いた結果についてごちゃごちゃ言うのは違うでしょ?


てか、『他人の目を気にする』ってんのなら、そんな格好で食品工場に来ようとすること自体がどうかしてると思うけどね。


で、


『そんな仕事、底辺の奴らがやることだからw』


みたいに嘲ったりするなら、その振る舞いそのものがまた、


『他人の目を気にしてない』


『自分の振る舞いが他人からどう思われるか考えてない』


って話になるっての。



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