もっとも、自分の家族が理不尽な事件に巻き込まれて命を落とせばまず間違いなく復讐を望むと思う。法律がどうだろうがどんな犠牲を払おうが、仇を殺したいと強く望むだろうね。それは決して否定しないよ。事実だしさ
もっとも、自分の家族が理不尽な事件に巻き込まれて命を落とせばまず間違いなく復讐を望むと思う。法律がどうだろうがどんな犠牲を払おうが、仇を殺したいと強く望むだろうね。それは決して否定しないよ。事実だしさ。
でもね、私が言ってるのは、その、<理不尽な事件>というのが、
『自分とはまったく無関係などこかの誰かが起こした復讐劇だったとしたらどうするの?』
って話なんだよ。ねえ? どうするのさ? 自分の家族が巻き込まれて命を落としたそれを、
<仕方のない犠牲>
<必要な犠牲>
として受け入れられんの? 諦められんの? って言ってんの。実際、そういう事件がこれまでにもいくつも起こってんじゃん。テロ事件の多くがそれこそそうだったりするじゃん。
なんでそういう事例に対して目を瞑ってんの? そういう事例には目を瞑って、フィクションの<カッコいい復讐劇>に酔いしれてんの? 盛り上がってんの? 復讐の是非を論じるのなら、そういう現実に起こってることにきちんと目を向けなくて何が議論できるっての? 言ってごらんよ?
フィクションのカッコいい復讐劇そのものは、別にいいんだよ。フィクションだから。嘘だから。そこで何が行われてたって現実に被害を受ける人はいないんだからさ。だけど現実における復讐については、現実に起こりえる諸々を想定しなきゃ話になんないでしょうが。
正味の話、<戦争>さえ、<国家による報復><国家による復讐>だったりするんじゃないの? テロを仕掛けてきたところに対して国ぐるみで報復・復讐してるのが戦争だったりするんじゃないの? だから、
『先にテロを仕掛けた側が悪い!』
みたいな話になるんじゃないの? でもさ、そのテロも、結局は<報復><復讐>だったりするんじゃないの? 復讐を正当化するなら、テロを仕掛けた方にだって正当性があるってことにならない?
とにかく、命に関わるようなことの場合にはさ、ことを起こしたらそれこそもう取り返しがつかないものがほとんどだと思うけど? そこで短絡的に感情だけを優先してたら、取り返しのつかないことがいくつも起こっちゃうんじゃないの?
現実に起こってるそういう無数の事件についてもしっかりと頭に入れなきゃ議論なんかできないでしょうが。そういう実際に起こってる事件を頭に入れずにあれこれ語ったって、
<お花畑>
に過ぎないでしょうが。
私は、自分の家族がそんなことに巻き込まれるのが嫌だから、他所の家族も巻き込んじゃダメじゃんって思ってるだけなんだよ。




