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だってさあ、<漫画表現の技術>がどんなに高くてもごく少数のコアなマニアが評価してくれるだけで利益に繋がらないんなら、利益を上げなきゃならない私企業がそこに拘る必要はないじゃん

最近は、


『編集者の能力も下がった』


みたいな話をよく聞くけど、それってただの<方針変更>じゃないの? 作家を育てるよりも手っ取り早く使えそうなのを拾ってきて適当に書かせて、それでヒットすればいいししなきゃよくて放逐、ヘタすりゃ契約で縛って飼い殺し、なんてことになってるだけじゃないの?


さくらからもそれっぽい話を聞くしさ。


だけど、出版社も番組制作社も多くはあくまで<私企業>だからね? 利益を出してナンボ。ということは、商品を作る際の<コスト>を考えるのも当然でしょ?


手間暇コスト掛けて作家育ててもそれなりのキャリアになると編集の言うこと聞かなくなるのも多いらしいしさ。だったら、


『手間暇コスト掛けて育てるよりも有望なのを拾ってきて』


ってやるのは別に企業ならやって当然のことじゃないの? 


私はそれを好ましいことだとは思わないしそういう姿勢について批判的な立場でもあるけど、私の個人的な嫌悪感とは別に<企業の論理>ってのもあるのは、社会人なら知ってて当然のことでしょ?


編集者の能力そのものの問題よりも、編集部や出版社そのものの方針の問題だと思う。『売れること』が至上命題なんだから、売れさえすればその作品が玄人受けするかどうかなんて別に問題じゃないんでしょ。


<漫画表現の技術>が売れる要素の大きな比重を占めてた時代は終わったってことでしょ? 


だってさあ、<漫画表現の技術>がどんなに高くてもごく少数のコアなマニアが評価してくれるだけで利益に繋がらないんなら、利益を上げなきゃならない私企業がそこに拘る必要はないじゃん。


伝統産業なんかでもそういう問題を抱えてるんじゃないの? 技術は確かにすごいけどだからってすごく売れるってわけでもないから後継者だってなかなか見付からないし技術を継承することすら難しくなってきてるみたいな話をよく聞くけど?


<漫画表現の技術>にしたってさ、それに拘って売れるならそうするかもしれないけど、一部のコアなマニアを唸らせるだけで売り上げに大して貢献しないなら、そりゃ<文化財保護>的な扱いになっていって当然じゃないの?


そういうのを守りたいならクラウドファンディングでも始めれば? そうやって高い技術を持つ漫画家さんを育てていくの。


マジでそういうのを考えなきゃいけない時代になってきてる気がするなあ。


受け手側の趣味嗜好は多種多様に細分化するばかり。一つの作品を多くの人が見るというのは難しくなりつつある。ご長寿アニメ番組でさえ、視聴率とかは昔とは比べ物にならないくらいに下がってるんでしょ?


だったらそれに合わせていくのも当然の帰結だと思うけど?



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