『フィクションは、現実では許されないことを描ける』ってのが最大の強みじゃん。もちろん、たった一回のやらかしが取り返しのつかないことに至る可能性もあるから現実においては『別にいいじゃん』とは言わないよ
なんか、アニメで<原付に二人乗り>について指摘が相次いだらしいんだけど、私も見たけど、あれ、別に違反行為を肯定する意図じゃなくて、
<法律とかも含めて自分達を抑えつけようとする諸々に対してのささやかな反抗>
っていう、いわゆる<ヤンキーもの>が描いてる<ヤンキーの振る舞い>の、めちゃくちゃマイルドなものだよね。しかも、誰も怪我をしなかったし、事故を起こさなかった。誰かが傷付いたわけでもない。フィクションとして描きたかった内容としてはものすごく穏やかなものじゃん。
しかも、あれ、<原付>って言っても、車両そのものが、二人乗りを禁じてる<原付一種>じゃなくて、条件によっては二人乗りも可能な<原付二種>って車両なんでしょ? ナンバーもちゃんと原付二種のそれになってたそうだし。拙かったのは、
『運転していた女の子が、普通二輪免許を取得して一年経ってなかった』
部分だよね。でもそれは、免許証を確認しないと分からないこと。たとえパトカーとすれ違っても、ヘルメットをちゃんと被ってて法定速度を守って丁寧に運転してる様子なら、わざわざ止めてまで確認しないんじゃないの?
なにより、
『フィクションは、現実では許されないことを描ける』
ってのが最大の強みじゃん。
もちろん、たった一回のやらかしが取り返しのつかないことに至る可能性もあるから現実においては『別にいいじゃん』とは言わないよ。よくないことであるのは間違いない。
ただその一方で、フィクション内でのこれを、鬼の首でも取ったみたいに責める人は、小さな交差点でも信号無視もせず、『自転車通行可の歩道を走る時には歩行者を優先、徐行(自転車の場合は時速七キロくらい?)』し、歩道の中心線より車道側を必ず通行し、雨が降っても傘差し運転もせず、ヘッドホンを付けて運転せず、もちろん、車道を逆走なんてせず、一旦停止を必ず守り、買い物袋をハンドルに掛けたりしたことも一度もないの? これら全部、守らないと<道交法違反>になる行為だよ? 生まれて一度も、そういうのやったことないっての?
加えて、私は何度も、
『イジメは犯罪だ』
『イジメを認めないというのは、学校で犯罪を揉み消してることになる』
ってなことを言ってきたけど、だからって別に、
『感情の行き違いでケンカになって相手を殴ってしまった(でも大きな怪我はなし)』
とか、そういうのが一回あっただけで『即アウト』って言いたいわけじゃないんだよ。それを自身で反省せず何度も繰り返すようなら、法を適用するしかないってだけでさ。
まあでも、アニメとかで、
『これは作劇上の演出です』
みたいな注釈が出るくらいのことは、
<不法行為を肯定してるわけじゃないっていう姿勢>
を明らかにするには、やってもいいのかなとは思うけどね。




