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他人を見下し、嘲り、蔑んで、それをしっかりと口に出してた。気に入らない部下とかがいれば、思い付く限りの罵倒をぶつけてたよ。それが、<言いたいことが言える社会>の正体だと思うけど?

何度も言ってる通り、私が両親の考え方がおかしいと感じるようになったのはたまたま読んだ小説のおかげであって、両親からは、今の私が考えてるようなことは一切教わってないんだよ。


そして私が小説に出逢ったのは、まったくの偶然。運任せ。両親の働きかけは一ミリもなかった。それどころか、私が小説を読んでることを、


『くだらない字漫画なんか読んでるからお前は馬鹿になるんだ!』


みたいに言ってたしね。


私自身、小説に出逢う前にも、一応、両親や兄に反発はしてたけど、反発してるだけで、もし、何か対抗するとしても、きっと、両親や兄と同じようなやり方でどうにかしようとしてた気がする。


他人を敬うとか労わるとか、そんな考え自体が備わっていなかったな。


で、両親はそれこそ『言いたいことを言う』人達だった。


他人を見下し、嘲り、蔑んで、それをしっかりと口に出してた。気に入らない部下とかがいれば、思い付く限りの罵倒をぶつけてたよ。


それが、


<言いたいことが言える社会>


の正体だと思うけど?


つまり、<パワハラ><セクハラ><ロジハラ>なんでもござれの地獄みたいな社会ってこと。


私はそんなの、真っ平ごめんだね。だから、男性が女性に対して一方的に<性的な妄想>を抱くことについても、死ぬほど気持ち悪いし勘弁してほしいとは思いつつ、


『言われた方も気分悪いだろうからなあ』


って考えるから、少なくとも面と向かって言ったりはしないんだよ。もうこの時点で、<言いたいことが言える社会>じゃないじゃん。


『それを口にしたら相手はどう感じるかな』


ってのを考えて言葉を選ぶ社会の方がずっと生き易いと思うけど?


ただ、同時に、ガス抜きができないのは辛いよね。そのために、私は子供達の不平不満については私とダンナとで受け止めることにしてるんだよ。そうすれば、他人を、<ガス抜き><ストレス解消><ストレスの転嫁>に利用する必要がなくなるってこと。


しかもそうするためにはちゃんと子供達と向き合わないといけないから、本人の様子もよく見えるし、他人を傷付けずにいられないほど精神的に追い詰められてたりしても察することができるんだよね。


何より、私やダンナに向けて発せられる言葉が刺々しくなっていくだろうしさ。


それで、『様子がおかしい』って思わないってのは、相当だよ? そこまでいったらさすがに他人の力を借りないといけなくなるだろうね。


うちの場合は、そういう時に頼れる<他人>の当てもあるから不安もないけど。



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