金を払ってやってるんだから言いなりになれ的な考えを是認することで、それが自分に返ってきてる。仕事をしてる時の、横柄で横暴で理不尽なクライアントや顧客の存在とかを、自分こそが認めちゃってるんだよね
『時代は変わった。だから、結婚するのもしないのも自由、子供を持つのも持たないのも自由、言いたいことが言えないのはおかしい』
とか言うんなら、
『夢を売る奴は人間であってはいけない』
みたいなのも、時代が変わったんだから、改めていかなきゃおかしいんじゃないの?
『金を貰ってるんだから』
って考えは、つくづく、
『お客様は神様です』
って言葉を拡大解釈してるよね。あれって、
『荒御霊を鎮めるつもりで臨む』
という、お客の前に立つ者の心構えとして、と言うか、それを口にした本人の気構えを言葉にしただけのもののはずだから、別に本当に『お客が神様』ってわけじゃないはずなんだよね。
なのにそれを、客の側が自分達に都合よく解釈して、
『自分達は神様なんだから、神様の言うことを聞け』
的な態度を取るための根拠として利用してるだけなんじゃないの?
そういうのもういい加減に認識を改めた方がいいと思うんだけどな。
前にも言ったと思うけど、昔は売り手側とか企業側の方が情報とかを握ってたり、豊富な資金力を背景に、客側の不平不満とかを握り潰してたというのはあったかもしれないけど、今は『ネットに晒すぞ!』が立派に脅し文句になるぐらいの世の中になって、炎上とかによって企業の株価まで落とすこともできるようになったんだから、客の側も強大な力を手にしたんだよ。
だったらそれこそ、
『金を払ってやってるんだから言うことを聞け』
みたいな考え方は、改めていった方がいいんじゃないの?
てか、『金を払ってやってるんだから言うことを聞け』って、ブラック企業が従業員をいくらでも酷使していいみたいな考え方の素にもなってるんじゃないの?
つまり、ブラックな社会を作り上げる根幹になってる考え方だって、私は思うんだけどな。自分で自分の首を絞めてるんだよ。
『金を払ってやってるんだから言うことを聞け』って考えは、もはや<呪い>だよね。
自分達こそが、<生き難い世の中>ってのを作り出してるんだよ。
金を払ってやってるんだから言いなりになれ的な考えを是認することで、それが自分に返ってきてる。仕事をしてる時の、横柄で横暴で理不尽なクライアントや顧客の存在とかを、自分こそが認めちゃってるんだよね。
そんなことをしてて、
『こんな世の中はクソだ!』
とか喚くなんて、
『なに寝ボケたことを言ってるの? そういう世の中を作り出すことに協力してるのはあんた自身でしょうが!』
って話だよ。
自分だけは『金を払ってやってるんだから言うことを聞け』って態度をとることが許されて、他人が自分に対してそういう態度をとることを許さないとか、<甘え>以外の何物でもないじゃん。




