自分達の息子が、他人の目からは、<甘ったれのクズニート>に見えるように、<自分達は親としてちゃんとやってきましたっていうポーズ>を取るよね
<自分は毒親の被害者だアピール>
をするにしたって、もっとこう、他人の同情を引くような振る舞いができればまだしも、ただただ理不尽な暴君のように振る舞ってたんじゃ、世間は、
『<加害者>は息子の方。両親は<被害者>』
って形で見るよね。だって、世間からしたら、両親が主人公に対して行った<仕打ち>なんて見えないんだから。そして両親も、徹底的に自分達が被害者に見えるように振る舞うんだから。
自分達の息子が、他人の目からは、
<甘ったれのクズニート>
に見えるように、
<自分達は親としてちゃんとやってきましたっていうポーズ>
を取るよね。
何しろ両親は、自分達のやってきたことを正しいと信じ込んでるんだからさ。
<自分達の自己実現や自己満足の道具>
として扱ってきたのを、
『息子のため』
って認識に、無意識のうちにすりかえて、
『自分達は息子想いのいい両親だ』
って信じ込んでるんだから、それに対して、
『お前達はただの毒親だ!』
とか言ったって両親だって納得できないでしょうよ。
だからそんなことを指摘したって、感情を拗らせるだけで問題解決には繋がらない。
だって、息子の姿を見てたら分かるじゃん。
<子は親の鏡>
だからさ。
『自分を否定されるとこういう反応をする』
のが、息子の有様によく表れてるんだよ。両親を批判するのは問題をさらに拗らせるだけの<悪手>であり<下策>なんだ。
何より、本人達には悪意もないからね。
自分達の何が拙かったのが、理解できないわけ。
加えて、両親はもう、三十年間も息子に悩まされてきて、<報い>は受けた。そして、
『もう二度と子供なんか作らない』
って考えてるから、まあ、同じ失敗も繰り返さないだろうということで、敢えてそっとしておく。
だけど、息子の方はこのままだと他人に被害を与える、ううん、もうすでにネットで他人を罵りまくって蔑みまくって被害を与えまくってるから、それこそ野放しにはできないんだよね。
と、実はそれは両親も同じなんだけどね。自分のストレスを転嫁するために、<攻撃しやすい相手>を陰で攻撃しまくってたりするんだよ。父親は部下や出入りの業者を、母親は、自分の好きなドラマでお気に入りの俳優に対して(あくまでドラマの中でだけど)不愉快なマネをした俳優や色目を使った女優をネットでこき下ろすってことをしてたりするんだ。
こういう部分も、まさに<子は親の鏡>ってことかな。
でもまあ、それについては、<アリサに与えられた役目>じゃないので、関知しない。彼女も決して万能じゃないからさ。




