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うるっせぇな!! ごちゃごちゃ言うんじゃねえよ! 俺はどうせお前ら程度の遺伝子でできてるんだから、大したことできるわけねえだろ!

主人公としては頑張ってるんだよ。決してサボったりとかしてるつもりはなかった。だけど、凡ミスとかは完全にはなくせない。


人間だからね。


また、そういう凡ミスをしてしまう程度なんだ。主人公の素質自体が。


でも、両親は、主人公がサボってる、手を抜いている、って決め付けて、叱る。


そうなると、主人公としても面白くない。納得できない。頑張ってることは評価せずミスを責めるばかりの両親に対して、不満が募っていく。


しかも、中学生になって体も一気に成長して二年生になる頃には母親の身長を超え、三年生になる頃には父親ともほとんど変わらなくなった。


こうなるともう、怖くない。小学校の頃は力で勝てないと思ってたから多少の不満はあっても我慢もしてきたけど、ある日ついに、


「うるっせぇな!! ごちゃごちゃ言うんじゃねえよ! 俺はどうせお前ら程度の遺伝子でできてるんだから、大したことできるわけねえだろ! 官僚になれなかったから地方公務員になった父親(おまえ)と、まともに仕事もできねえから就職もできねえで専業主婦(きせいちゅう)になった母親(おまえ)の遺伝子なんだからよ!!」


ってブチキレる。


その剣幕に両親はビビッちゃって、立場は完全に逆転。父親は仕事を理由に家に寄り付かなくなるわ、母親は暴君と化した息子に怯えて言いなりになるわ。という有様。


しかも主人公は、高校に進学するも、勉強への意欲は完全に失われ授業にもついていけなくなり、加えて対人関係も億劫になって一年の一学期の途中から学校にも行かなくなって引きこもり、そのままニートへ。


で、そっからあっという間に三十年間が過ぎた。


だけど実はこの世界は、西暦二二二一年の未来で、ホームヘルパーロボットが実用化され、普通に家庭に導入されてるんだ。


当然、主人公の家にもロボットがいるんだけど、その見た目はまだまだ<ロボットらしいロボット>で、家事くらいはこなせるものの、正直、それ以上のものじゃなかった。


とは言え、主人公の母親は、家事も息子の世話もロボットに全部任せて、自分は延々とテレビのドラマに没入してるだけ。


つまり、母親も、精神的には<引きこもり>に近い状態でさ。


一方、主人公は主人公で、床を『ドン!』と踏み鳴らすだけでロボットが食事を運んできてくれる生活にどっぷりと浸かり、ただただ自堕落な時間を過ごしてて。


もっとも、本当は、携帯端末一つでロボットが全部やってくれるんだけど、それでも敢えて床を踏み鳴らすのは、ロボット任せにしてる母親への抗議の意味もあったんだよね。


ただし、その意図は、母親にはまったく伝わらなかったけどさ。



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