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ぐうの音も出ない評価

まあ、だからってどんなにいい加減にやってもいいってわけじゃないだろうけどさ。


実際、子供が書いたお話しって言うか、小学生の頃に小説みたいなものを書き始めた当時の私の<作品>なんて、痛々しくて読めないよ! 黒歴史だよ! 永久に封印すべき案件だよ!!


ということは、あんまり拙いのもさすがに厳しいっていうのも事実だとは思う。


だけどさ。あんな拙いものでも、当時の私は自分で何度も読み返して自分でワクワクしてたんだ。たった一人かもしれなくても、当時の私の<作品>にもファンはいたんだよ。


もっとも、自分が思い描いてる世界が仮にも形になってるっていう<補正>が掛かったワクワク感だったんだろうなというのも今なら分かるけどさ。作品の出来そのものは別とした、ね。


だから今になって読み返すとその<補正>が働かないから、


「ぎゃーっ!!」


って思っちゃうし、他人が読んだらそれこそ、


『面白くない』


って思われちゃうだろうって分かるんだよ。


あれに値段付けて人様にお出しするとか考えたら、


『ふざけんな!!』


とは思う。


ああでも、当時は手書きだったし、<現役JS渾身の直筆小説>ってことになったら、まあ別の意味で価値は出るかもだけど……


だけどそれはさすがに<プロ>としては悲しすぎる。


作品の内容じゃなく、<現役JS>って部分だけに値打ちがあるってことだからね。


けど、同時に、<商売>として考えると、そんな形でもお金を出してくれる人が確実にいるってなったら<価値>はあるんだよ。<商品>になるんだ。


ってことはさ、なるべく労力を掛けず、そしてお金になるってのは、やっぱ商売では意味があるんだよ。


<面白い作品>


というのは、結局、作り手側の情熱があってこそのものだと思う。


『面白いものを作って、『どうだ!』って見せ付けてやりたい!』


って感じのさ。


でもなあ、何作ったって難癖付けられるとなれば、そんなモチベーション維持すんのは現実的じゃないよ。


『取り敢えず金になればいいや』


みたいに思っちゃうのも人間ってもんでしょ?


だからさ、やっぱ、難癖付けまくるのは、それに発奮して『なにくそ!』って思う作り手を育てる以上に、多くの作り手のモチベーションを奪う行為だと思う。


そんなことしてたら、目先のお金に走るのが増えるのも当然だと思うんだけどね。


<自称・評論家>が、創作を委縮させていくんだと私は実感してる。


作り手側には好き勝手作らせればいいんだよ。その上で、


『人気が出たり出なかったり』


『話題にもなったりならなかったり』


『利益が出たり出なかったり』


って形でがっつり評価はされるんだ。


商売だからこその、<ぐうの音も出ない評価>がね。



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