表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/1494

恐ろしい代償

そんでもって、さらに、




『魔法で潮の流れを操作するシレーヌと、大型船にさえ大ダメージを与える主人公の働きによって、第一王子と第二王子の後ろ盾になっている貴族を支えている商人達も大きなダメージを受けて力が低下』


『第一王子と第二王子は、今回の事態を互いに相手の妨害工作と捉えて衝突。遂には双方共に私兵を動かして内戦の様相に』


『その最中も主人公は次々と軍艦にダメージを与えていき、武力衝突による損耗とも合わせて疲弊。結果として相対的に第三王子の影響力が増す』


『人間の国の王は、勝手に私兵を動かして内戦まで始めた第一王子と第二王子を完全に見限り、それぞれを辺境の植民地の総督として左遷。第三王子を次の王にすることを正式に決定した』


『自分の想い人が大勝利を収めたことにシレーヌは大喜び。自身の働きの結果だということを王子に告げて想いを受け止めてもらおうと、シレーヌは<人間化の秘薬>を飲み、人間の体を得る』


『しかしそれは、『人間の女性として人間の子を宿して初めて人間化が完結する』というものであり、『人間の子供を宿せなければ、<人間でもなくウンディーヌでもない半端な怪物>として、僅か数年という短い生涯を終えることになる』という恐ろしい代償を払うことになる禁忌の薬だった』


『自分のおかげで王になれるのだからきっと自分の想いを受け入れてくれる。という、まったく根拠のない思い込みで意気揚々と王子の下に向かうシレーヌだったのものの、実は王子にはこの時すでに心に決めた相手がおり、しかもどこの馬の骨とも知れないシレーヌは王子に会うことさえできずに追い返されてしまう(そりゃそうだ)』


『この、世間知らずで目先のことしか見えない愚かな妹を見捨てられないレオーナは、<人間化の秘薬を無効化する霊薬>を得るために、<死の谷>と呼ばれる海溝に向かう』


『けれどそこは、ウンディーヌの身体能力では命を落とす危険すらある場所だった』


『愚かな妹のためにどうしてそこまでするのか理解できない主人公は、彼女に問い掛ける』


『すると返ってきた答えは』


『自分の思い通りにならないからってそれだけで誰かを見捨てられますか? それで何を得ましたか?』


『自分達の思い通りにならないからと主人公をイジメた上に溺れさせて見殺しにしたクラスメイト達の姿が頭によぎる主人公』


『シレーヌほどの大変な<やらかし>をしても見捨てられることがなければ、『クラスメイトのノリに合わせられない』という程度のやらかしだった自分が見捨てられることはなかった』


『それに気付いた主人公は、レオーナを<死の谷>まで送り届けることを決意』


『主人公ほどの巨大なサメの体力があれば、ウンディーヌが一人で行くよりは無事に戻れる確率が高まるもののそれでも危険なのは変わりない』


『自分のために危険を冒そうとしてくれる主人公に対して、レオーナは……』


『この恩義に報いるには、あなたと生涯添い遂げるくらいしか手立てはありませんね……』


『こうして二人は<死の谷>へと向かうのだった』




な~んてね。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ