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マイナス要素を打ち消すプラス要素

で、主人公の娘は、


<嫌だ、やめて、と言ってるのにやめてくれない父親の影響>


もあって、強く押されると抗い切れない性格に育っちゃう。父親(主人公)に対しても、


『不満はあるけどそれを口にするとどんな目に遭わされるか分からない』


って不安もあって、どうしていいか分からないからなるべく避けようとするんだよね。


『親がしつこかっただけで全部の子供がそうなるわけじゃない!』


とか言うのもいるかもだけど、それを言うなら、


『すべての子供が完全に同じ条件や環境の下で生きてるわけじゃない。<影響>というのは複合的なものだから、一つの要素だけで決まるわけじゃない』


ってのを忘れちゃいけないよ。


何かマイナス要素があったとしても、それを打ち消すプラス要素があったりする場合もあるしね。


『マイナス要素を打ち消すプラス要素がない場合には、無視できない影響が出る』


ということだと、自分の子供達の様子を見てたら思うよ。


私は、家事も炊事もまともにできないポンコツだけど、子供達はもうすでに一通りのことはできるようになってるし。


これは、私というマイナス要素を、ダンナというプラス要素が補ってくれてるからのことだと思う。


だからさ、


『何か欠点があるから親にはなれない』


ってわけじゃないと思うんだよ。欠点を、マイナス要素を補うプラス要素があれば、後は工夫次第ってこと。


私は、それを、ダンナと子供達から教わった。


で、主人公も、<未熟さ>というマイナス要素を、<経験>で補うんだ。自分の何がマズかったのかを、人生経験の中で知り、自分を改めて行くことができた。


ただ、一度芽生えてしまった不信感を拭い去るのは容易じゃなくて、何とか娘との関係修復を試みてる最中に、娘が妊娠してることが発覚。


相手は、娘の部活の顧問教師で、強引に迫られたのを拒み切れなくてってことで。


娘としても、それを拒んだら部での自分の立場がマズいことになるかもしれないという思いがあって拒み切れなかったんだよね。


だから主人公は、


「そうか……辛かったんだな……今まで気付いてやれなくてごめん。


でももういいんだ。そんな思いしてまでしがみつく必要はない……」


ってことで、


『何もかも捨てて構わない』


と諭すんだ。


だけどもちろん、娘としても、せっかくここまで耐えてきたことが全部無駄になることには抵抗感もあってすぐには承諾できなかったけど、顧問教師が実は他の女子部員にも手を出していたことが週刊誌にすっぱ抜かれて騒ぎになって、顧問の役目を罷免されるだけじゃなく、教師の職も追われることになって、部の活動もガタガタになっちゃって、少なくとも娘が部にいられる間はまともな活動ができるような状態じゃなくなったことで諦めがついて、学校も辞めることを決心するんだよね。



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