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親の行いに触れるのを

子供が何か事件を起こした時、家庭環境とか親の行状の話が出ると、すぐ、


『親の所為にするな!』


とかいうのが出てくるけど、私はね、自分が親だからこそ、親の側の問題についてしっかり検証しなきゃいけないって思うんだよ。


だって、親の立場で、子供がやらかしたことをただ子供だけの所為にするのは、


『他人の所為にするな!』


って話じゃん。子供の立場で『親の所為にするな』ってのは、まだ分かるんだよ。やらかした本人に責任がないわけじゃないからさ。やらかした子供自身が自分の責任から逃れるために『親が悪い』ってことにしようとするのは、これはこれでおかしいと思う。


それは、


『どんな理由があったってやっちゃいけないことはやっちゃいけない』


ってことと絡んでくるからさ。


そう。どんな理由があったってやっちゃいけないことはやっちゃいけないんだ。だから、親がどんなにロクデナシだったとしても、それを理由に事件を起こしていいというわけじゃないんだよ。


これは揺るがない。


ただ、それはそれとして、どうして事件が起こったのかを検証する必要はあると思う。そして『どうして事件が起こったのか?』の点において、親の行いに触れるのをタブーとするのは、


<大人の甘え>


だとしか思わない。


『親の所為にする』


ことと、


『事件が起こった原因を突き止める』


ことは、イコールじゃないんだよ。事件を起こした本人の責任を明確にしてその罪を問うのと、事件に至った経緯とその原因を解明して今後の教訓とするのは、ちゃんと両立する話なんだ。


むしろ、事件を起こした当人を罰するだけで終わってちゃ、同じような事件を未然に防ぐための対応としては不十分だと思う。


<見せしめ>に十分な効果がないことは、簡単に死刑を執行する国とかの犯罪発生率を見ても明らかのはずだよね。てか、それこそ<見せしめ>としての刑罰が今よりずっと厳しかった時代の犯罪発生率が今よりはるかに高かった事実を考えれば、すぐに分かるじゃん。


肝は、<犯罪者の心理>だよ。


『自分だけは上手くいく』


『自分だけは捕まらない』


『自分だけは許される』


これは、典型的な<犯罪者の心理>ってもんでしょ? 


『自分だけは上手くいくから罰せられることもない』


こんな風に考えてたら、いくら厳罰化したって意味ないよ。


『自分だけは大丈夫』


って考えるんだからさ。<抑止力>としては欠陥品もいいとこ。


同様の事件を防ぐには、結局、


『何故その事件は起こったのか?』


ってのを解明して、同じような状況にならないようにするのが一番確実なはずなんだよね。


なのに、その原因究明にタブーを作ってちゃ、しかもそのタブーの部分こそに大きな原因があるんじゃ、そりゃ防げないでしょ。



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