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宇宙規模の自然災害

こうして主人公は、危ういながらも順調に才能を伸ばしていくんだけど、同時に、<敵>も増やしていくんだよね。


主人公の考えに共感できない、同調できない、胡散臭さを感じてしまう人達がね。


そんな中、世界中に<魔物>が現れるんだ。


それは、約千年周期で主人公がいる世界がある惑星を襲う、


<宇宙規模の自然災害>


なんだよ。いわゆる<神話生物>的なのがそこの太陽系を周回してて、それが千年ごとにかち合っちゃうという。


かつての<大魔法使い>は、その魔物の襲来から世界を救った<救世主>でもあった。


だけど、主人公は察しちゃうんだよ。


自分の力をもってしても、全ての人間を救うことはできないって。


この世界には三億の人間が住んでるけど、どう頑張っても三十万人程度が限界だって。


つまり、千人に一人しか助けられない。


そして思うんだ。


『そうか…! 僕がこの世界を作り直すために転生したんだ』


ホントにまあ酷い思い上がりなんだけど、彼の周りの大人達も、


『自分の思ってる通りになっていけば、素晴らしい理想の世界になる』


って思ってるのばっかりだから、それ以外の考え方になりようがないよね。


あと、


『自分の大切な誰かと世界とで秤に掛けて、自分の大切の誰かの方を選ぶのとか理解できない』


みたいに言う人もいるけど、私は逆だよ。自分の大切な誰かと世界を秤に掛けたら、大切な誰かを選ぶと思う。


だって、そうでしょ? <世界>の方を選ぶってなったら、自分が普段『こいつムカつく』とか思ってるのまで助けることになるんだよ? 


自分の大切な誰かを犠牲にして。


本当にそんなことができんの? 


『こんな奴ら、この世界から消えた方が世界にとってもプラスになる』


とか思ってる対象を、自分の大切な誰かを犠牲にして救うなんて、本気で思えんの?


私には無理だよ。


たとえ世界が滅んでも、自分達も生きていけない世界になっても、少なくとも自分の大切な誰かと、<終わった世界>の中で最後の時まで一緒にいられる方が私はいい。


でも、現実にはそんなことは起こるわけないよね。誰か一人の命と世界を天秤に掛けるような事態になるなんてことが起こるわけないじゃん。


そうなるまでの間に誰かが気付いて、対処しようとするだろうね。


その手の話も、フィクションだからこその<嘘>だと思う。


でもまあ、それは今は脇に置いといて、主人公は、


『こんな奴ら、この世界から消えた方が世界にとってもプラスになる』


って考えの方を実行するわけだ。


自分が使える魔法を総動員して、自分にとって都合のいい人だけを守って、それ以外は見捨てるんだよ。


自分の心に正直になって。



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