敢えて何も言わないように
私は、頭の中ではあれこれ考えながらも、世の中に対して、読者に対して、と言うか、
『自分ばかり好き勝手言いたいだけ』
の人に対して思うところはあるものの、それを面と向かっては言わないようにしてる。
今はまだ、<商業プロ>がそんなことを言ったら命取りだからね。
だけど、世の中には、そう言うことを発信しちゃう<創作者>というか、<作り手>もいる。
で、当然、袋叩きに叩かれる。
残念なことだなと思いつつも、自分の発言が何を招くかを考えられない人の場合は、同情はしないでもないけど、関わろうとは思わない。
ましてや、相手を罵るような、馬鹿にするような、傷付けようとするような言葉を選ぶ人は、正直、
<身から出た錆>
かなとも思う。
私は、読者を馬鹿にするつもりは毛頭ない。ただ単に、<法>や<ルール>や<良識>も含めた現実を合理的に捉えて客観的に見た場合の話をしたいだけだ。
でも、人間は、『自分の見たいもの』『自分にとって都合のいいもの』だけを正しいと思いたがる生き物だという現実も知ってる。
だから、敢えて言いたいことも言わないようにはしてる。
今はまだ、<創作者の本音>を自由に発信できるような環境が醸成されていないのは分かるしさ。
<耳の痛い話>
をされると感情的になっちゃう人も多いのも分かってる。
ああでも、こう考えてること自体が、
『馬鹿にしてる!』
とか、
『見下してる!!』
って感じる人もいるんだよね。
私の両親や兄がそうだった。
『論理的に話をしよう』
とか言われたら、
『それは自分達が論理的な話ができないからいちいちそう言ってくるんだな!? 侮辱だ!!』
って受け取る人達だったんだよね。
いや、ただ本当に冷静に話がしたいだけなんだけど……
現状ではそれは難しいという現実もまた、認めないといけないと思う。だから私は、
<商業プロ作家・蒼井霧雨>
としては、敢えて何も言わないようにしてるんだ。
私が叩かれるのは別にいいんだけど、万が一、家族にまで累が及んじゃ嫌だから。
世の中にはいるからね、
『坊主憎けりゃ袈裟まで憎い』
とばかりに相手の家族にまで危害を加えようとするのが。
ってか、冷静に考えたら、<作り手>、いや、<有名人>にだって家族はいるだろうから、罵倒したり罵詈雑言ぶつけたり悪態吐いたりってのは、その人の家族を傷付ける行為でもあるってのが分かってない人も多いんだろうなっていうのはすごく感じる。
冷静に客観的に論理的に考えられるのなら、その人の家族の気持ちを考えられるのなら、そんなことできないと思うんだけどな。
少なくとも私はできないよ。




