ステンドグラスに祈りて
詩の様な恋物語です……。
マリア様のステンドグラスから
光が差し込む
月の光
厳かな冬の夜
礼拝堂には少女と青年
二人は密やかな恋を築いていた
愛し合う二人
ボロを纏った少女
綺麗な服を着た青年
出会うはずの無かった二人は
この古い礼拝堂で恋に落ちた
身分の違う二人
出会うはずの無かった二人は
一目で恋に落ちた
この夜
もう戻らないと決めた二人
少女はそっと
左手を差し出す
青年は跪き
ポケットから指輪を取り出す
マリア様の涙の様なブルーサファイヤが小さく輝く
月の光を浴びて
きらりと
光った
「行こう」
「ええ、共に。一生かけて」
古い礼拝堂には風が寂しく吹くだけ
マリア様のステンドグラスは全てを見ていた
そして何も語らない……
お読み下さり、本当にありがとうございます。




