どうして、こうなった................?樹の場合。
................どうして、こうなっちゃったんだろ................私は、目の前にいる磨穂呂を見て頭を抱える。
「................どう、したの................?」
「な、なんでも、ない................」
話は、お昼まで遡る。
「................じゃあ、私は、帰る................から。」
磨穂呂の持ってきた差し入れのおにぎりにかじりつくと、磨穂呂はカバンを持って部屋を出ていこうとする。
「あ、待って................」
布団の中から呼び止める。
「................もうちょっとだけ、話し相手になって。................その................一人だと、つまんないから。」
「わ、わかった................」
ドアにかけていた手を離して、磨穂呂が私のところに戻ってくる。
「................風邪薬は、あるの?」
「................うん。スポドリと一緒に、買ってきた。」
と、枕元の錠剤を指さす。
「................なら、寝たほうが、いいよ................私も、あんまり、長居、しないから................」
そう言って、枕元の床に磨穂呂は座り込む。
「................................」
「........................................えっと、................」
................話し相手になって、って言ったはいいけど、何を話せば................。
「じゃ、じゃあ、連絡を........................その、明日からは、授業、あるから................国語と、理科の、準備................」
「................わかった。そう言っても明日までに治るか分かんないけど。」
「........................あ、あと................不審者が、出た、から、気をつけなさい、って................」
「ん、了解。」
................私にはあんまり関係ないかな。
「................あ、あと................最近、お風呂に、飛び込む人が、居るから、................心当たりの人は、やめましょう、って................」
「へぇ................」
................今どきそんなマナーの悪い人いるんだ。
「あ、後は................」
「え、まだあるの................?」
「................中庭で、野良猫に、エサを、あげてる人が、いるみたいで、用務員さんが、迷惑してる、って................」
................ぎくっ。................な、中庭じゃないけど、こないだ校舎への途中でネコにソーセージあげたっけ................ば、バレてないかな................?
「........................れ、連絡は、それだけ................」
「そ、そう................」
................だんだんと頭が重くなってくる。................薬が効いてきたのかな................。
「................眠く、なった?」
「................うん。」
「................なら、私は、帰る、から................おやすみ。」
「................うん。」
襲ってきた眠気に身を任せて、そっと瞼を閉じる。
................ふわ、ぁ................よく寝た。
身体を起こして時計を見ると、時間はもう7時前。................けっこう寝ちゃったなぁ。................それにしても、お腹空いた。
その時、ドアが遠慮がちにノックされる。
「........................どうぞ。」
そう答えると、扉が開く。
「................磨穂呂。」
「................具合、どう?」
「だいぶ熱は下がったみたい。」
と答えると、磨穂呂は安心したみたいで。
「................それなら、良かった................。」
と胸をなで下ろす。
「................ところで、磨穂呂、さっきから気になってるんだけど................何持ってるの?」
「あ、これ................?お風呂、行こうと思って................樹も、行く?」
「................どうしよう、熱下がったばっかりだから、やめとこうかな。」
「そ、そう................でも、汗でベタベタ、じゃない?........................................その、良かったら、................身体、拭いてあげる、けど................」
「................い、いいいいいいいいいいよそんなのっ!?自分で出来るからっ!?」
「................ダメ、なの?」
「........................だって、恥ずかしいし................................でも、背中とかなら................お、お願い、しようかな................?」
磨穂呂がぱぁぁっと顔を輝かせる。
「じゃ、じゃあ、シャワーのとこで................」
「わ、わかった................」
手早く着替えを用意すると、部屋の中のシャワールームで汗ばんだ服を脱ぐ。気を利かせて磨穂呂は後ろ向いててくれたけど、................どうせこの後、見られちゃうんだよね................。
「じゃ、じゃあ、拭くよ................」
お湯で濡らしたタオルを、磨穂呂が背中に当てて拭いてくる。................なんだかくすぐったい。
「................あ、頭も、汗かいてる................洗うね。」
と、磨穂呂がシャワーを片手にかがみ込む。あっ、確かシャワーは................
磨穂呂がシャワーを出すと、私は途端に飛び上がる。
「ひゃっ!?」
「わぁっ!?」
み、水だっ!!................私が飛び上がったもんだから、磨穂呂は思わずシャワーヘッドを手放して................
「................へっくちっ」
「................だ、大丈夫................?」
「................び、ビショビショ................」
「................ずぶ濡れだと風邪引くよ................」
「................う、うん................」
そう言うと、磨穂呂はいきなりジャージに手をかけて、脱いでいく。................それならまだいいんだけど、磨穂呂はかわいい水色のブラまで脱ぎ始めた。
「................え、ちょっとナニシテルのっ!?」
「................ど、どうせなら................このまま、樹の部屋で、シャワー、浴びちゃおっかな................なんて................」
................ど、どうしてこうなった!?
私が頭を抱えてる間にも、磨穂呂はブラとお揃いのパンツまで脱いで................私と同じ、丸裸。
「................先に、樹のこと、洗うね........................。」
磨穂呂が、タオルを片手に近寄ってくるのを、私はただ眺めることしか出来なかった。




