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休暇の始まり

ここからは第3章!ぜひお楽しみください!

「弱い。弱いね」


 多くの人間が目の前で剣に斬られ命を散らしていく。しかしそれにはちっとも感情は動かされない。だって、自分が殺しているのだから。


 

 今ボクがいるのは戦場。具体的には人間の国であるメシア王国の西端にある広い草原だ。ここには魔王国とメシア王国の国境を守る王国側の城があり、いい加減鬱陶しくなったため「滅ぼしちゃえ!」ってなった。


 開戦直後、総大将であるボクが出陣。王国軍の第一陣を壊滅させていた。この戦いは自分のキャリアとしては5戦目ぐらいで、はじめての戦いだったムーン砦の時とは全てが違っていた。


 まずは経験。2ヶ月ほど前に行われた『ペンタグラム』という公式大会で魔王軍の精鋭や幹部の方と戦い、さまざまな経験ができた。

 次に肩書き。同大会でボクは優勝したため今は一般の幹部ではなく、魔王軍トップ5の集まりであるペンタグラム第一席の座についている。この肩書き、人間相手に名乗ったことはないんだけど魔王軍の間で広まっているから直属の部隊とかも自由に編成できる。

 そして最後にレベル。2ヶ月前は68レベルだったけど今は94レベル。あと少しで100レベル!というところまで成長したのはおそらくどんどん戦場に出ているからだ。前までは魔都に引きこもって全然人間を殺していなかったからレベルが上がりにくかった。でも今は戦場で毎日2000人ぐらい殺しているからどんどん上がっていく。

 

 あ、レベルっていうのはこの世界での『強さ』を『数値化』したもの。そしてそのレベルを上げるには一つしか方法がない。

 それは『生き物を殺すこと』。さっきも言ったようにレベルはこの世界での強さだから自分以外の多くの生き物を殺すとより上位の存在だと世界に認められることとなる。例えば牛を殺すと「君は牛よりも強いんだね。じゃあその功績を認めよう」と世界に認められ、レベルが上がる。それは人間にも適応されるからレベルをあげるには戦場に出た方がお得ってこと。


 あとレベルをあげるとステータスという自身の能力を表したものも一緒に上がっていく。この世界ではレベルよりもステータスの方が重要視されていて、強者であればあるほどステータスが高い。基準としては大体平均10000ぐらいで強者かな。え、ボクのステータスはって?だいたい今はこんな感じ。


名前 ラミア


職業 魔剣士


レベル 94


<物理攻撃力>23270


<魔法攻撃力>17640


<速力>26780


<魔力>16720(18040)


<防御力>19390


スキル 剣術レベル10(20) 水魔法レベル10 火魔法レベル8 雷魔法レベル8


特性 職業『魔剣士』により<魔力>、剣術レベル上昇





「ふー。大体片付いたかな」


 気づけば自分の周りには人間は1人も存在せず、存在するのは無数の死体とボクだけ。………あ、嘘だったかも。


「この感じだと第一軍は処理できたって認識でいい?」


 話しかけてきたのはボクの親友であるミーティア。彼女はボクと同い年で、髪は金髪、目は水色、背中には堕天使族の象徴である黒い羽が小さく生えている。


「うん。ティアも殲滅できた?」


「お陰様でね。それにしても、今回の作戦は良かったねー。最初に相手を煽りまくって相手の戦力を第一陣に全集中させる。それをこちらの主力メンバーであるミアとミア直属の軍で返り討ち」


「そしてガラ空きになった敵本陣をティア率いる魔法隊で叩く」


「そう。上手くいきすぎて自分でも驚いたんだけど……。この作戦ってミアが発案したの?」


「まさか。メインは魔王様とサタンさんが。煽る方法はボクが考えたんだけどね」


「あれはやりすぎだったでしょ…。あらかじめ攫っておいた人間をわざわざ城の目の前まで移動させて全員爆破するなんて。まあ確かに目的は達成されているんだけどさ……」


「じゃあ何か問題が?どうせ相手は人間なんだし。目の前で爆破されたぐらいじゃ動じない奴は五万といるよ」


「……それ本当?」


「本当だよ。一応人間であるボクが言うんだから」


「確かにね…。一応本当だってことにしとくよ」


「なんでそこに一応ってつけるのさ。そんなにボクのことが信用ならない?」


「いや。でもミアだから、かな」


「そう言われると何も言い返せない」


「流石に今までの発言のやばさを理解したのね。それはともかく、一旦帰ろうか。この戦いは終わったんだし家でゆっくりしよ」


「2ヶ月ぶりの休暇かー!どうする?魔都を一緒にぶらぶらする?それとも……」


「それとも訓練?」


「「…………」」


「「どっちもだろ!」」


 無事に国境沿いの城を落とすことが出来たので魔都に帰還、休暇が与えられることになった。言っても1週間ちょいの短い休暇だけどね。しかし実に2ヶ月ぶりの休暇だ。具体的にはペンタグラムを休み、ただの祭りと認識した場合ではあるけど。ペンタグラムの後は4回、人間との戦場に駆り出されたから血の匂いがしないこの空気はたまらない。

 

 で、この休暇中にやることは主に2つ。

 

 1つ目はティアと魔都や魔族領をぶらぶらする。

 2つ目は自分の軍の組織。


 この2つがやるべきこと。ということで8日間ある内の前半4日間は1つ目を、後半4日間は2つ目をやることにした。

 

 今日は1つ目、ティアとのお出かけだ。

「ティア、魔都でどっかいきたい場所ある?」

「んー、特にないけど……あ!最近できたっていうテーマパークに行ってみたい!」

「てーまぱーく?」


 ボクの知らない単語が出てきて思わずおうむ返しをしてしまう。


「ああ、テーマパークっていうのはね、いわゆる遊び場みたいなところだよ。さまざまなアトラクションがあって、それを楽しもうっていう施設」


「へー、いいなー!行ってみたい!」


 目をキラキラと輝かせて懇願する。


「でしょ?じゃあそうと決まれば出発だ!」


「おーー!」



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