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ガーディアンデビルズ〜学園治安維持の会〜  作者: トミロン
第2部 天才ゲーマー&プログラマー比企新斗(ひきにいと)編
47/243

第47話 「避妊は面倒臭い」に地球規模の反響

 百獣の王など羨ましくもなんともない。むしろ哀れ。野生動物に生まれるなら熊さんみたく雑食がいい。遂に本作も茨城ローカル学園エッチコメディーの枠を超えてグローバルな展開を見せる……が次の瞬間急速に縮小し、再び舞台はちゅくば市に戻る。

 彼女の大声は言語と空間の壁を突き破り、茨城県ちゅくば市から地球規模で響き渡る。インドのゾウ、上野のパンダ、ケニアのライオン、鉄研の気の弱そうな部員、達がそれを聞き届ける。


挿絵(By みてみん)

「パオパオン!(避妊はちゃんとしなくちゃダメだゾウ)」

 とベタなリアクションのインドのゾウ。


「パンダパンダッ!(避妊? ただでさえ不妊に苦しんでるのよ? 国際問題に発展しかねないわよ! ちなみにあたしのレンタル料は一年で百万ドル。ヒルズ族御用達のコールガールにだって負けないんだからねっ!)」

 と上野のパンダ。

挿絵(By みてみん)


「ガオガオー!(野生のオスのライオンの寿命は八〜十年。こんな哀れな百獣の王に一体いつ避妊しろというのだ)」

 と結構マジなケニアのライオン。

挿絵(By みてみん)


「『避妊はめんどくさい』か。死ぬ前に一度は言ってみたいセリフだな……って誰も聞いちゃいないか」

 と動物さん達と一緒に嘆く、鉄研の気の弱そうな部員。


 これらを全てスルーしてミルクが言う。

「別れちゃいなよ〜。あなたの事を本気で思ってくれるなら〜あなたの事も聞き入れてくれるはずだよ〜」

「別れるって……私拒んでいたら彼から捨てられちゃいそうで怖いんです」

「そんなヤツはこっちから捨てろ!」

 とくのいち。


「『避妊してくれなきゃ絶対イヤ』ってハッキリ言わなくっちゃね〜。でもそれだけじゃ不十分かも〜」

「どうすればいいの、ミルク?」

 ミルクは先程携帯アーミーが送ってきた、くのいちと女生徒のやりとりの映像を思い出す。くのいちがフランクフルトで凌辱(?)されているやつだ。


「ねえあなた〜フランクフルト持ってたよね〜?」

「はい」

 メガネっ子女生徒はフランクフルトを四本取り出す。

「こんな事も有ろうかと、この女生徒はフランクフルトを常備しているのであった」

 とのナレーションが流れる。

挿絵(By みてみん)

「装着の練習をしよ〜。くのちゃん、アレを持ってきて〜」

挿絵(By みてみん)

 くのいち、心の中で独白。

「(アレってもしかして話には聞いた事のあるアレよね。……でもここでおじけ付いたらミルクになめられちゃうわ)」

 くのいち、努めて平静を装ってミルクに言う。

「あたしはあんたのお手伝いさんじゃないわよ。……ったく」


 くのいちは携帯を取り出し例のヤンキーに電話する。

「あ、ヤンキーか。大至急ガーディアンデビルズの部室に来て」

「あ、あたし達これから友達とカラオケなんだけど……」

「いいから来い。来ないと手裏剣でお前の制服をズタズタに切り裂いて、全校生徒の前で裸踊りをさせるぞ」

「イエッサー! すぐに参ります!」

挿絵(By みてみん)

「(くのちゃんは女の子なんだから〜ここは『イエス、マム』よね〜)」

 とどうでもいいツッコミを心の中で入れるミルク。


 ミルクが女生徒に言う。

「避妊がめんどくさい、なんていう男には〜あなたがちゃんとがっしり装着してあげなくちゃダメ〜」

 くのいち、心の中で独白。

「(アレってがっしりと装着するものなんだ。携帯にメモしとかなきゃ)」

 くのいち、携帯を取り出してメモを打ち込む。

 そこにヤンキーがガーディアンデビルズの部室に入ってくる。


「くのいちさん、ただいま参りました。あ、ミルクさん、どうも」

「あんたに買ってきて欲しい物があるんだけど。お金は出すわ」

 くのいち、財布を取り出す。

「流石くのいちさん。で、何を?」

 くのいちは四本のフランクフルトを持っている女生徒を指差す。

「これに被せるゴム、大至急ゲット」


「ゴム? フランクフルトに? どこで買えばいいんですか?」

「ほら、今妊娠するとマズイから産むのは今度にするやつで、ドラッグストアとかに売っている……」

「なぞなぞですか?」

「作者が若い頃には「『明るい家族計画』なんていう名前で街なかの自動販売機でも売っていた……」

「もっともっと楽しいヒントを出して下さい」


 くのいち、ヤンキーの胸ぐらをつかむ。

「お前、分かっているのにとぼけているだろう。泣かすぞ」

 ヤンキー、もうすでに泣いている。

「ふえーんすみません、くのいちさん。ヒックヒック。それで厚さはどうしますか?」

 くのいち、きょとんとする。

「厚さ? えーと、あの、その……一ミリくらいなの?」


「一ミリは厚すぎですよ。0.05ミリより薄いと値段が高くなっちゃうから、その辺でいいんじゃないですか?」

「じゃあ0.05ミリでいい!」

「サイズの方はいかほどに?」

 くのいち、心の中で独白。

「(服のサイズなら2XLで即答だけど、アレってサイズあるんだ? あいつだったらSサイズかなぁ……って何考えているのよ、私!)」


 一体何を根拠にくのいちはそんな事を……はっ、もしかして強との決闘の時、(女)性上位の体勢に持ち込まれたどさくさで何かをつかんだのか? いや、つかんじゃマズいだろう。


 くのいちの心の中で強と弁護士の節操(せつみさお)先生がツッコミを入れる。

『節操先生。これは明らかに名誉毀損です。訴訟を検討したいのですが』

 と心の中の強。

『例え事実でも名誉毀損は成立するから安心して裁判に臨め』

 と心の中の節操。


 くのいちの心の中のツッコミにチョコも加わる。

『携帯アーミーのみんなを傍聴に連れて行くね』


 琢磨も真顔でツッコミに加わる。

『当然、証拠は陳列されるのですよね。あぁ、強君のボウチョウ楽しみだなぁ』

 さすが琢磨。ウイット満載である。


 くのいちはそれらをスルーしてヤンキーに言う。

「サイズ? お前の好きにしろ!」

 ミルクはヤンキーに問いかける。

「ねぇ、ヤンキーちゃ〜ん。今日はちゃんとID持ってるの〜?」

「も、もちろんですミルクさん」

 まさか彼女もヤンキーパンチの体育倉庫の一件を忘れてはいまい。

 ミルクの目がキラリと光る。

「念の為身体検査しよ〜。大量破壊兵器とか隠し持ってるといけないから〜」


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― 新着の感想 ―
くのいちちゃんには刺激的な場面でしたね。練習用に4本も使おうとは怒涛です。途中からそういう問題ですか?となりそうなところ、ツッコミ役不在では致し方ないですね。いろんな意味で、続き楽しみにしています。
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