第243話 ワードローブが尽きた⑥ 完結
お目当ての香水屋巡りをする陶子とくのいち。
「ねぇくのいち。今日の私のファッション、おかしくない?」
本当は可笑しくて笑いたいのだが、そこはしらばっくれるくのいち。
「そんな事ないよ陶子。カジュアルファッションも似合うんだね」
「そう言ってくれると嬉しいな。今日は私、お気に入りの服が尽きたから、こんな格好で来たんだ」
陶子のその言葉に思わず顔がほころぶくのいち。
「(なーんだ。陶子もワードローブが尽きる時もあるのね。あたしと同じだ。あたし、陶子を誤解していたのかもしれない)」
すっかり打ち解ける二人。
強は遠巻きに彼女達を見守っていた。
「(取り敢えず、殺人は回避されたみてえだな。明日はちゅくば警察から感謝状が届くかもしれねえ)」
昨日、強のアドバイスで陶子はGUのTシャツを買った。(一人で買うのは恥ずかしい、と強の分も買ってくれた)。陶子のセリフも強の入れ知恵だ。よくやった、強。
こうしてちゅくば市に再び平和が訪れたのでした。めでたしめでたし。
帰宅してからふと考えるくのいち。
『(そう言えば、どうして陶子と強はお揃いのTシャツを着ていたんだろう? ……つまりペアルック? あの二人、付き合ってるの?)」
おとぎ話なら、こうなっていたかも。
ちゅくば市に平和が訪れるのはまだ先になりそうである。
おしまい
おまけ
ミルクはガーディアンデビルズの癒し担当であるが、大切な彼氏に手を出した女(陶子)には情けはかけない。




