第241話 ワードローブが尽きた④
陶子とのショッピングを終え、帰宅した強。
「(あんな理由で陶子ちゃんを抹殺? おかしいだろ。友達からあいつに説得させよう)」
まずはミルクに通話。
組織的犯罪に発展しそうな流れだ。
ミルクは曲がった事の嫌いな誠実な人間(魔女)だと思っていたが、事情がある様だ。
抹殺に1票入った。
次いでチョコに通話。
法で裁けない者を裁く。『鬼平』か『ワイルド7』か『攻殻機動隊』だ!(たとえが古臭い筆者)
これで抹殺に2票。
次いでくう子に通話。
三途の川の渡し賃として6文を払えない死者から衣服を剥ぎ取る脱衣婆を気取っている。
陶子の棺桶には現金は入れさせないつもりの様だ。
ブラックジョークが過ぎるくう子。
筆者の古臭い例えが冴え渡る。
陶子とくう子はマッチングアプリでスイーツ友達となった。仲良くやっていると思っていたのだが心の底では……。
故人の服だろうが良いものは欲しい、という貪欲さが伺える。エンゲル係数がバカ高いコスプレ女だとこんなものなのか?
これで抹殺に3票。
(例えが古臭さを通り越して数百年前の世界に入った。)
最後にダメ元で琢磨に通話。
「……話はわかりました、強君」
「なぁ、おかしいだろ、琢磨。二人でくのいちを止めに行かないか?」
「僕はミルクちゃんの意思に唯唯諾諾と従うまでです」
さすが学園一の秀才の琢磨。難しい言葉を知っている。作者なんていい歳して、ついさっきまで『ゆいゆいだくだく』と読むものと思っていた。漢字変換がうまくできなくてようやく間違いに気付いた。
ついに抹殺に4票入った。これなら裁判員裁判でくのいちは無罪になりそうだ。
強よ。くのいちの暴走を止められるのは君しかいない。主人公なんだから何とかしろ。




