第238話 ワードローブが尽きた①(6話完結短編)
元万引きJKの節陶子。ガーディアンデビルズメンバーより1学年上の高校3年生。
ダイブの仮想現実では切磋琢磨を陥落させた。
現実世界でも強を巧妙に利用するしたたかさ。
(これでしつこい元カレを撃退した)
陶子がくのいちにボディーガードを頼んだ時、くのいちは渋った。すると「だったら強にお願いする」と揺さぶりをかけ、くのいちを説き伏せた。
(本当は強からはボディーガードの件は断られていたのだが、くのいちにハッタリをかました。作戦は見事成功した。)
今回、いよいよ彼女の命運も尽きるか?(笑)
金曜日の放課後。ガーディアンデビルズの部室。くのいちは一人部室に残っていた。
ふと『あんっ♡』とかわいい声をあげる彼女。携帯にLINEの着信があり、心地よい振動がしたのだ。
金満万引きJKの節陶子からのメッセージだ。
『くのいち、この前のレストラン、美味しかったね』
返信するくのいち。
『やっぱバスチーユのランチは最高だね』
『牛バラ肉の赤ワイン煮込みがいい仕事していた』
さすが陶子。言う事がなんかグルメライターっぽい。
『食後のデザートも良かったよね』
『スフレパンクリームあずきでしょ? 東京でもあんなのなかなか見ないよ』
陶子は食べたメニューをちゃんと覚えているらしい。記憶力がいいのか、予習復習を怠らないのか。
スイーツハンターを自称するだけの事はある。
『ところでさぁ、くのいち』
『何よ?』
『明日、暇?』
『空いてるよ』
とくのいち。
『イーアスつくばでショッピングしない? 新しくオープンしたパフュームのお店、いい品物が揃っているみたいだよ』
『いいね、陶子。行こうよ』
『じゃあ決まりね。サイバーダインのロボットの前でAM11に会おう』
『了解』
『この前ランチした時思ったんだけど』
『何、陶子?』
『くのいちってよっぽどあの服、気に入ってるんだね。これで3回目だもん』




