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ガーディアンデビルズ〜学園治安維持の会〜  作者: トミロン
第5部 彩子、くのいちに命を狙われる編
210/243

第210話(ここより第5部) 登場人物紹介 そして本編へ

魚池高校のいじめ退治の営利組織ガーディアンデビルズ。

ここから初めて読む方の為に、キャラクターの紹介です。全員高校2年。

***松戸彩子(まつどさいこ)*** 今回の中心人物。元演劇部所属。現在はいじめ退治のガーディアンデビルズに所属。演劇部顧問や部員の嫌がらせに苦しみ、被害妄想から飛び降り自殺を図るが、ヒロインのくのいちに助けられる。父親は天才科学者の松戸博士(まつどひろし)先生。水晶玉占いなどのオカルト好き。

挿絵(By みてみん)




***久野一恵(くのいちえ)*** 通称くのいち。本作のヒロイン。ガーディアンデビルズのリーダー。身長175センチ。頭に手裏剣の髪飾りをつけた勝ち気な美少女。彩子を自殺から救った事で、彼女との親密度が高まった。剛力強と共にガーディアンデビルズの武闘派の二枚看板。強に惚れている。

挿絵(By みてみん)



 取り敢えずこの二人が分かれば大丈夫かと。

 その先ストーリーの展開と共に登場する主要人物の紹介。



***森野ミルク*** ガーディアンデビルズの癒し担当。武力では解決できないトラブルを心理面からアプローチする。イギリスからの留学生。緑色の髪、赤い瞳。一部からは「Fカップ魔女」と囁かれている。

挿絵(By みてみん)




***剛力強(ごうりきつよし)*** 本作の主人公。いじめ退治の営利組織「ガーディアンデビルズ」の武闘派二枚看板の一人。「ケンカ十段」の異名を取る。身長178センチ。くのいちとは違い、ちょっとマヌケなお人好し。狭い借家住まい。大家はくのいちの母親。

挿絵(By みてみん)




***切磋琢磨(せっさたくま)*** 美人でグラマーな森野ミルクの彼氏。包帯をヘビ使いの様に操り、瞬時に相手を縛りあげる。「ガーディアンデビルズ最強」と一部では言われている。校内一の秀才。ミルクというカノジョがいながら、強にも変な欲望を抱いている。

挿絵(By みてみん)





第5部 本編


「ねぇ彩子、今度の日曜日みんなでピクニックに行くわよ」

挿絵(By みてみん)

 ガーディアンデビルズが全体主義なのは彩子も知っている。くのいちからはクラス内の平和を安堵(あんど)してもらうという御恩を受けている代わりに、彩子は何かと奉公しなくてはならないのだ。彩子は封建制度の下っ端御家人なのだ。


「ピ、ピクニックですね。わあ楽しそうだなあ。どこに行くの、くのいち?」

挿絵(By みてみん)

 と棒読みのセリフで答える彩子。あんたそれでも元演劇部か!


「そうね、ちゅくば山登山なんてどう? あんたこの前登山道具を色々揃えていたでしょ? 丁度いいじゃない?」

「ちゅくば山ですね。それは素敵な提案だなぁ。前もって下調べをしておいていい……ですか久野将軍?」

 ついつい奉公人根性が出てしまう彩子。


 彩子は自宅に戻りパソコンで『茨城 登山』と検索する。そこでちゅくば山が紹介されていて愕然とする。

「ちゅくば山は日本の百名山に登録されている!」


 前にも少し触れたが、彩子の趣味は山の遭難記録のYouTubeチャンネルを見る事なのである。外出は余りしたがらない彼女は、YouTube番組で、陽気な登山愛好家が嬉々として登山に出かけて、悲惨な事故に遭うという話を視聴するのが一番の楽しみなのだ。一日が終わりそうな時、誰からもメールやLINEが来なくて、『せめて迷惑メールでもいいから来て』とブルーな気持ちになっても、山の遭難の話を聴くと『良かった。私生きてる』と生を実感できるのだ。


 今まで彼女は数多くの山の遭難のエピソードを視聴してきた。そして登山者が遭難して命を落とした山はすべて『この山は日本百名山にも登録されてるんだぜ』と紹介されていたのだ!


挿絵(By みてみん)


「待って、落ち着いて。ここは論理的に考えるのよ、私。私は天才科学者松戸博士の娘松戸彩子。私の知っている山の遭難事故が全て日本の百名山で起きているからと言って、日本の百名山がすべて危険という事にはならないわ。ここはもう少し詳しくちゅくば山の事を調べないと」


 彼女は検索のページに『ちゅくば山』と入力する。すると予測変換で『ちゅくば山 白骨死体』と出てくる。息を呑んでクリックする彩子。


「ちゅくば山はロープウェイがあるから安全かと思っていたけど、ロープウェイの駅のそばで骨が発見されている! やっぱりこの山は危険なんだわ。日本百名山には近づいてはダメね」


 その時、ふと彩子の頭に奇妙な考えが浮かんでしまう。

「もしかして、くのいちは私を殺そうとしている?」


……いやいや、そんなまさか。くのいちは彩子が自殺をしようとするところを体を張って助けてくれた命の大恩人だ。そんな彼女に斯様(かよう)な考えを抱くなど失礼にも程がある。時が時なら不敬罪で特高警察に拘留されて獄死してもおかしくない。


 結局彩子は日曜日のちゅくば山登山は『体調がすぐれないから』と欠席する事にした。万全を期して学校は金曜日から欠席した。


 金土日は彩子は自宅で安らかに過ごした。ネットで大陸産のニセブランドファッションアイテムのページなどを見た甲斐もあって沢山の迷惑メールが送られてきた。それだけでも幾分孤独感は紛れた。YouTubeでは山の遭難チャンネルだけでなく、飛行機事故や鉄道事故の番組も熱心に視聴した。



さあ、週明けの月曜日からは楽しい学園生活を送るのだ、彩子。これは「正義は勝つ」をテーマにしたコメディーなのだから。

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