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ガーディアンデビルズ〜学園治安維持の会〜  作者: トミロン
第3部 サイコなヒロイン、演劇部の松戸彩子(まつどさいこ)編
186/243

第186話 第3部エピローグ② 古門先生の大量出血の原因 (これにて第3部完結)

 翌朝、古門劇代のアパートの部屋。彼女は下半身からおびただしい出血をして倒れている。


 数日後。ガーディアンデビルズの部室。メンバー一同が会している。そこに割井校長と奥さんの割井イシヨ医師が入って来る。


「先日は一同、ご苦労だったな」

 と校長。くのいちが彼に近寄る。

「それで、古門先生の処遇はどうなったのですか? まさかお咎め無しとか?」

 校長を責める様なちょっと怖い顔で睨むくのいち。

 それを制する様に妻のイシヨ先生が口を挟む。


「みんなよく聞いて。これから話す事は個人情報に関わる事だから、くれぐれも他言無用でお願いするわ」

 それを聞いて神妙にうなづく一同。


「三日前、古門劇代先生が魚池の附属病院に救急で入院したわ」

「入院って、病気でもあったのですか?」

 とチョコ。


「デリケートな問題だからこれは聞いた瞬間に忘れて欲しいのだけど、彼女は重度の痔を患っていたらしいの。三日前の深夜、それが大量に出血して、意識を失って倒れたそうよ。どうにか119番をして救急車を呼べたらしいけれど、電話できなかったら危なかったらしいわ」

挿絵(By みてみん)

 痔の手術後の大量出血は時に命を落とす事もある。手術とは関係なくても痔からの大量出血で失神、などはたまに耳にする話ではある。

 『古門、肛門から大出血』などと不謹慎な駄洒落を言う場面でもない。


 割井校長が言う。

「今日、面会許可が下りて古門先生に会ってきた。彼女は自主退職するそうだ」


「学校側にとってはそれが一番丸く収まるわよね、ダーリン」

 とイシヨ医師。

「自主退職だから退職手当は出ない。税所君達が暴いてくれた古門先生の問題も、あくまでダイブの中の事だから無理に表ざたにしなくてもいい。松戸彩子君も立ち直ったみたいだし、これで全て丸く収まったわけだ」


「あんたは丸く収める事に命かけてるわよね」

「あんたじゃない。割井校長先生だ」


「やっぱり古門先生ってお尻が痛かったんだね〜。私達の演劇を見ている時もずっと立ちっぱなしだったし〜」


「(そういえばダイブの世界でも、古門はずっと立っていた。椅子も真ん中に大きな穴が空いている丸椅子だった)」

 と振り返るチョコ。

 古門の大量出血はただの痔のせいだったのか? それとも彩子の藁人形の力? はたまたミルクが困っているチョコに不思議な力を与えたのか?


 後日、チョコは彩子に藁人形を返しに行く。

「彩子、呪いのアイテムを貸してくれてありがとう。これ、勝手に捨てていいのか分からなくて一応持ってきたんだけど」


「チョコ、そんなにマジにならないでよ。ただの人形なんだから」

 そう言ってチョコが持参した藁人形を受け取る彩子。五寸釘は刺さったままである。それをまじまじと見つめて彩子が言う。


「ねぇチョコ、五寸釘を刺す方向が裏表逆だったね。これじゃあ効き目はなかったんじゃない?」


 釘は人形の尻の穴の辺りにグサリと刺さっていた。



ガーディアンデビルズ第三部 完


挿絵(By みてみん)


ここまでご覧いただき、誠にありがとうございました。第4部以降はまたその内投稿したいです。第3部は割とシリアス展開だったので、次回以降は気分転換な内容にします。


第4部予告 学園に謎の脅迫メールが回り始めた。メンバー一丸となって対処に当たる。犯人の目的は? 被害者は?(笑)


第5部予告 妄想、誤解で『自分の身に危険が迫っている』と思ってしまった彩子。彼女の体を張った命懸けの戦いが始まる!(笑)



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