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ガーディアンデビルズ〜学園治安維持の会〜  作者: トミロン
第3部 サイコなヒロイン、演劇部の松戸彩子(まつどさいこ)編
163/243

第163話 古門劇代のモンスター登場!

彩子を苦しめていた女生徒達の幻影を全て始末した一同。そこに彩子が所属していた演劇部の顧問で、文化祭の準備でガーディアンデビルズも世話になった古門劇代先生がラスボスとして登場する。

 くのいちとソードプリンシパルのボケたやりとりを聞いて、チョコと彩子は目を合わせ微笑む。すると教室のドアが開いて、演劇部顧問の古門劇代先生が入ってくる。ガーディアンデビルズが文化祭の演劇の出し物のリハーサルの時にアドバイスをしてくれた先生だ。服装はジャージの上下。


「騒がしいですよ。静かにしてくれるかしら?」

「古門先生が何故ここに?」

 表情をこわばらせる彩子。

「最近の君達は気が緩み過ぎている様ね。今から服装、容姿のチェックを行います」

挿絵(By みてみん)


 古門先生はくのいちに目が行く。

「そこの長身のスレンダーな彼女、ちょっといいかしら?」

「はい、何でしょうか?」

「上半身が下着よね? モトリークルーのライブのコーラスガールでもやるつもり? 体操服とかジャージは持ってないの?」

挿絵(By みてみん)

 ナース服でブラを見せつけながら聴診器片手に踊りながらコーラスを入れる二人組の女性の姿が、古門先生の脳裏に浮かぶ。くのいちとはややかけ離れている。


「あいにく忘れてしまって」

「それはお困りでしょう。これを着るといいわ」


 古門先生は指をパチンと鳴らす。くのいちの全身は鋼鉄製の重い鎧で覆われる。くのいちの剣、ソードプリンシパルは煙をあげて蒸発し、元の手裏剣に戻り、くのいちの髪に収まる。顔だけが辛うじて覗かれる。

挿絵(By みてみん)


「お、重い。身動きが取れない」

「鋼鉄の処女、アイアンメイデン。あなたのためのオートクチュールよ。サイズもぴったりのはずだわ。これを着用している間は男の子との不純異性交遊は不可能。永遠の処女を貫きなさい」


「この装備、つけさせたい女は他にいるのに〜」

「くのいち、あたしがもうちょっと成熟するまでその装備は外さないで」

 と冗談半分に言うチョコ。人の不幸を喜ぶ余裕があるのか。


「そこの小さくて可愛らしい女子、話があるんだけど」

「は、はい」

「(チョコのウェーブのかかった髪を見て) 校則ではパーマは禁止のはずよね?」

「これ、天然なんです」

「天然パーマの証明書は持っているかしら?」

「い、家に置いてきてしまって」

「そう。じゃあ証明書を提示するまではストレートパーマでいなさい」


 古門先生は再び指をパチンと鳴らす。天井からゲル状の整髪剤が大量にチョコの髪に降りかかる。髪はベトベトのストレートヘアになるが、全身をゲルで包まれたチョコは身動きが取りにくくなる。

挿絵(By みてみん)

「くっ、体の自由が効かない……」


 彩子が古門先生を睨みつける。

「校則、校則ってそんなに大事なものなんですか! 意味のないルールのせいで辛い思いをしている生徒がいる事にも気づかないのですか!」


「おや、あなたは休日のショッピンセンターで制服でぶらついて、ブラウスのボタンも大胆に外していたわよね。おまけにそれを自撮りしてSNSにまでアップしていた」

挿絵(By みてみん)


「それが演劇甲子園を辞退しなきゃいけない程の違反なんですか!」

「演劇甲子園の辞退は流行り病の影響など大人の事情がある。いずれにせよあなたの態度には問題があるわね。全く反省の色が見られない。いつも変なレインコートも着ているし、水晶玉なんか持ち歩いている」


 古門先生は手のひらを上に向ける。するとそこに野球のボール大の火の玉が現れる。

 それと同時に古門先生の頭から二本のツノが生えてくる。歯には鋭い牙。


「この人、古門先生じゃない!」

 とチョコとくのいちが叫ぶ。

「私の心が生み出した古門先生のモンスターの様です」

 と彩子。


「あなたにはお灸が必要な様ね。行け、ファイヤーボール!」

挿絵(By みてみん)

 古門先生の投げた火の玉が彩子を襲う。

「危ない!」


 チョコは全身をネバネバのゲルに包まれながらも、慌てて彩子に駆け寄り、チョコレート色の剣で火の玉を真っ二つにする……しかし火の玉は二つに分かれ、それらがカーブを描きながら彩子の体と身動きの取れないくのいちの顔に命中する。


「痛い、熱い!」

 と悲鳴をあげる彩子とくのいち。

 鋼鉄の処女に自由を奪われ、顔面に火の玉を受けているくのいちは『またあたしはやられ役なの?』と心の中で愚痴る。


「あんたの火の玉には剣が通じないみたいね」

 チョコは古門先生にそう言って、剣の柄の下端をカチリと押す。剣は再びバットに変化する。


「狙うならあたしを狙って。デッドボール狙いでも構わない!」



古門劇代先生が引き合いに出しているのはモトリー・クルーの「Dr. Feelgood (麻薬密売人の歌)」。ライブではコーラス&ダンス担当の美女二人がナース服姿に聴診器を首からさげて、服をはだけてブラを見せながら歌って踊る。やっぱエンタメはこうじゃないと。興味のある奇特な方は、


motley crue dr feelgood weedsport 1990


で検索を。うん、「みてみん ガーディアンデビルズ」にもイラストをアップしておきませう。

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