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ガーディアンデビルズ〜学園治安維持の会〜  作者: トミロン
第3部 サイコなヒロイン、演劇部の松戸彩子(まつどさいこ)編
157/243

第157話 彩子の精神世界を探検

ダイブの世界ではいつもソードプリンシパルの助言を無視して痛い目に遭っているくのいち。一方のチョコはミルクのアドバイスに従い、軽めの防具を装備する。

 学校の一室。

『SF研出張所』

『関係者以外立ち入り禁止』

 の貼り紙。黒いカプセルには松戸彩子が横たわっており、白いカプセルにはチョコとくのいちがそれぞれ入っている。

挿絵(By みてみん)

 松戸彩子が『あるじ』となって精神世界を構築しチョコとくのいちがそこを探索するのだ。


 二人の精神はミルクの道具屋に転送される。二人とも制服姿。くのいちは手裏剣の髪飾り、チョコは五センチくらいのバットの形のネックレスを首に下げている。二人の前に大きなスクリーンのホログラムが現れ、ミルクが画面越しに話しかけてくる。

挿絵(By みてみん)

(チョコとくのいちのスレンダー同盟を挑発するかの様な衣装)


「くのちゃ〜ん、チョコ〜、元気〜?」

「これ以上元気だったら犯罪になっちゃうわよ」

 とくのいち。

「あたし、ダイブの実践モードは初めてなんだよね」

 とチョコ。


「彩子ちゃんの精神世界の構築は順調に進んでいるよ〜」


「あたし達、手ぶらなんだけど今回は砂漠の横断やイカダの川下りは無いの?」

 と前回のヒッキーの精神世界の事を引き合いに出すくのいち。

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)


「この世界はいつもの学校が舞台になっているみたいだよ〜」

「着替えとかは要らないのよね? あんた店の奥に色々揃えているでしょ?」


「前回はくのちゃんにパッド入りのDカップの黒ブラを貸してあげたんだよね〜? 着け心地よかった〜?」

挿絵(By みてみん)

「もうその話はいいから」

「チョコにも小学生用のブラスリップを用意してあるからね〜。ブラを単独で着けるのが恥ずかしい女の子にはぴったりだよ〜」


 それを聞いてチョコとくのいちはヒソヒソ話。

「ねえくのいち、あの女ウチらを挑発してない?」

「そうね、放課後に体育倉庫に呼び出してシメるか?」


「何か言った〜?」

 ミルクに聞かれているのに気付き、慌てるチョコとくのいち。

「な、なんでもないよ。ねぇくのいち?」


「チョコがミルクに何か言ったの? あたしは何も」

 とくのいちは自己保身に走る。

「こらくのいち! あたしだけ見捨てる気?」


 と二人は仲間割れを始める。スレンダー同盟の絆は浅かった。これでは放課後に二人でミルクをシメるのは無理そう。


「この道具屋の外は体育倉庫が目の前だよ〜。その隣の校舎から教室に入ればいいみたいだよ〜」

「武器はどうすればいいの、ミルク?」


「今のところ見えるのは女子生徒達だけだよ〜。モンスターはまだ居ないみたい〜。取り敢えずは動きやすい軽めの防具でも装備したら〜、チョコ〜?」


「女子生徒相手にいきなり防具や武器を見せたら、警戒されちゃうよ、きっと。武器だけ目立たない様に持っていこうよ」

 とくのいち。


「じゃあ軽めの防具を制服の下に着けたら〜? くのちゃんとチョコの防具は奥の部屋に用意してあるから〜」

「あたしは防具なんていらない。生身の人間同士のバトルを味わいたいわ」

 とくのいち。前回のヒッキーの世界のダイブで弁慶まがいのヘンテコな防具を装備させられた事を根に持っているのか?

挿絵(By みてみん)

「あたしはせっかくだから選んでくるね」

「そうこなくっちゃ〜。ロリ系のブラなんかは中年の欲情をかき立てるよ〜」


 ミルクはそういうとお勧めのチョコ向けの下着をスクリーンに映し出す。

挿絵(By みてみん)

「ミルク、真面目にやって!」

 とチョコ。これは幼児体型のチョコへの当てつけか。

「ごめんチョコ〜。リラックスさせてあげようと思って〜」

 

 と言いつつ、

「まさか強ってこういうの好みじゃないよね?」

 とミルクに囁くチョコ。

「今度私が訊いておこうか〜?」

 とくのいちに聞こえないように囁き返すミルク。


 ともあれチョコはくのいちと比べて慎重なタチである。ミルクの何気ないアドバイスも一種の警告と理解している様だ。ミルクは『防具を着けろ』と二度言ったのだ。

挿絵(By みてみん)


 チョコは道具屋の奥の部屋に姿を消すが、五分ほどで装備を終えて戻って来る。


 くのいちの髪飾りの手裏剣はソードプリンシパルに変化させられる。チョコのバットの形のペンダントも武器に変化できる筈だ。

「追加の武器や防具が必要になったらすぐに私の道具屋に戻って来てね〜」

 ミルクのホログラム映像が消える。


 道具屋の扉を開け、戸外に出るチョコとくのいち。そこは体育倉庫前の校庭。そのすぐそばの校舎に二人は歩いて入る。


「チョコ、どの部屋から行く?」

「まずは彩子ちゃんの教室に行ってみようよ」

 階段を登り廊下を歩き、教室の前に辿り着く二人。ドアのガラスの部分から中の様子を伺う。机と椅子が並び二十人くらいの女子生徒がいる。休み時間の様で皆雑談などをしている。


 背伸びして辺りを見回しながらチョコが言う。

「ここは教室? 彩子ちゃんは?」

「見当たらないわね。」

「取り敢えず様子見よう、くのいち」


「お邪魔しまーす」

 そう言ってチョコとくのいちは教室の中に入っていく。女子生徒の何人かはくのいちとチョコに目をやる。

「まさかこの子達全員ぶった斬るわけにはいかないよね」

 と内心はとっととぶった斬って事件を解決したいくのいち。

「まだ敵と決まった訳じゃないし」


 チョコも暫く教室内を見回している。

 ……ふと気がつくと、彼女の制服の胸の辺りが刃物の様なものでざっくりと切られている! 切れ目からさっき装着したばかりの防具がのぞく。


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