表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ガーディアンデビルズ〜学園治安維持の会〜  作者: トミロン
第3部 サイコなヒロイン、演劇部の松戸彩子(まつどさいこ)編
141/243

第141話 クコリーヌのプロモーションビデオ

ヒッキーの家が開発したスマホゲーム『クリスタルメイズ』の制作関連で、くう子は今日ヒッキーの家に来ていたのだ。たまたま居合わせた強、チョコ、くのいちもそのプロモーションビデオを観る事となる。

 ふとヒッキーの携帯が鳴る。彼は画面を確認する。

「ゲーミングラボのプロデューサーから、午後二時頃から顔を出してくれと連絡が入ったでござる。ラボに行く前に、クリスタルメイズの最新映像、見たくはないでござるかくう子?」

「えっ、あれでしょ? ちょっと恥ずかしいよ。ダメダメ」


「またそのパターンかよ。今度は騙されねえぞ」

 と強。

「でも『恥ずかしい』『ダメ』とか言われると男は見たくなっちゃうんだよね」

「チョコ殿、よくお分かりで」


「もったい付けずにみんなで見ようよ」

 とのくのいちの提案に、

「さんせ〜い!」

 と声を合わせる一同。ヒッキーの母親もそれに加わっている。

「母上、ノリノリでござるな」

「ガーディアンデビルズは全体主義って聞いたもんだからね」

 と母親。全体主義というか独裁主義なのでは?


 ヒッキーは大きめのノートパソコンを開き起動する。一同画面を見つめる。


『クリスタルメイズ』

『バベルの塔武闘会バトルステージ』

 の文字。天から召喚される女戦士と雌のモンスターがバベルの塔の屋上部分に降り立つ。

挿絵(By みてみん)

 女戦士はどう見てもコスプレをしたくう子。トップスはやや胸の開いたタンクトップの様な衣装。ウエストには幅広の胴巻き。これで谷間のあるバストが強調されている。やや丈の長いスカートをはいている。右の二の腕にはバンダナが巻かれており、そこに五センチくらいの折り畳まれた小さな扇子が着いている。


 敵のモンスターは髪の毛が毒ヘビになっている。

挿絵(By みてみん)

 ギリシャ神話でお馴染みのメデューサ。動きなどを担当している中の人はヒッキー。


 彼女らは天に向かい、

『We who are about to die salute you!』

 と敬礼をする。ヒッキーとくう子がバトルのデモンストレーションで言っていたやつだ。

挿絵(By みてみん)

『クコリーヌVSメデューサ』

 の文字。


「Ready? Fight!」

 のアナウンスの後、女戦士クコリーヌが蛇髪の女モンスターメデューサと闘っている姿が映し出される。剣とキックを合わせた派手なアクション。斜めの上、下、横、からと自在に切り替わる視点。


 メデューサは目から光線を放つ。クコリーヌはそれを腕でよけようとするが、光線の当たった腕の一部が石化してしまう。


 更に毒蛇の髪の毛が彼女を襲う。

 クコリーヌの体が一瞬麻痺した隙にメデューサがまたも目から光線。クコリーヌの顔や脚の一部が石化する。

挿絵(By みてみん)

「胸と腰は石化させずに残しておくでござるよ」

 調子に乗って思わずアドリブのセリフがでるヒッキー。今お前は美しい蛇の化身メデューサなのだから『ござるよ』はNGだろう。


 調子に乗っているヒッキーに対し、クコリーヌは石化していない腕で気合いで剣を振るう。


 彼女が更に攻撃を加えると蛇は徐々に切り取られていく。


 クコリーヌは優位に立ったかに見えた。しかし彼女が石化していない方の脚でキックを放つのを予期していたメデューサはキックをブロックすると剣を構えたままタックル。二人は倒れ込みメデューサが上に乗る形になる。


 ちょうどヒッキーとくう子のバトルの実演で、ヒッキーがくう子を押し倒した時と同じ展開だ。


 くんずほぐれつの末、クコリーヌの手にしている剣を奪うメデューサ。あおむけに倒されているクコリーヌに上からまたがっている彼女は勝ち誇った様に雄叫びを上げ、右腕と剣を高く掲げる。


 クコリーヌの敗北に見えたが、次の瞬間クコリーヌのタンクトップと胴巻きはスライムの様に変形し、メデューサの胴から腕を包み込みギプスの様に固まる。


挿絵(By みてみん)


 メデューサは腕の動きを完全に奪われる。上になっていたメデューサに下から拳をボカスカと打ち込むクコリーヌ。上半身は、肩ひもの無いビキニ姿。


 彼女が頭突きを顔面に打ち込むと、メデューサは気を失って倒れる。


 それによってクコリーヌの石化が元に戻る。


 倒れたメデューサを払い除け立ち上がるクコリーヌ。左の二の腕にはバンダナが巻かれており、そこには五センチくらいの小さな扇子が着いている。


 扇子をバンダナから外しパッと広げると二十センチくらいの通常の大きさの扇子に変化する。

 バレエ『ドンキホーテ』の曲が流れる。彼女は曲に乗ってバレリーナの様に扇子を片手に舞を踊る。キメポーズの後、扇子をバサッとふるう。


「クロワッサンフラッシュ!」

 彼女の声と共に扇子の先から光の弓の様なクロワッサン形の物が多数放たれ、倒れているメデューサの体に次々と突き刺さる。モンスターは断末魔の叫び声と共に消失する。


 メデューサを拘束していたタンクトップと胴巻きは変型して再びクコリーヌの体に装着される。

 『K.O.』の文字。


 それに続きCGではないリアルのクコリーヌのアップ。ゲームキャラに似せている為、髪型や髪の色は違い、顔も強めのメイクが施されているが基本的にはくう子である。テロップには『Winner: 麗しの女戦士クコリーヌ』の文字。リアルのクコリーヌ、すなわちコスプレしたくう子のMCが始まる。



第121話 「強に裏切られたミルク」の画像は「みてみん ガーディアンデビルズ」のサイトで。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ