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ガーディアンデビルズ〜学園治安維持の会〜  作者: トミロン
第3部 サイコなヒロイン、演劇部の松戸彩子(まつどさいこ)編
125/243

第125話 (ここより第三部) 待ってました! くう子のスイーツ食べ放題!

これまでのあらすじ。ガーディアンデビルズは魚池高校のいじめなどを仕置きする為の、二年生による営利組織である。メンバーは武闘派の強とくのいち、癒し系のミルク、いじめの証拠を携帯に記録して武闘派に連絡する携帯アーミーのチョコ、などである。

第三部の始まりはこれらのメンバーとは関係の無いキャラ達からのスタート。以前女生徒達に二股をかけてトラブルを起こした池面君が、コスプレ同好会の沢山くう子をスイーツバイキングに誘い出す。地元のコンビニで待ち合わせているのに、くう子は(茨城県民の分際で)勝手に東京ドームシティホテルのスイーツバイキングに連れて行ってもらえると妄想している。

 背後に東京ドームが見える遊歩道。右手には余りにも傾斜が急なため乗客は必ずメガネをロッカーに預ける事を義務付けられる名物ドルフィンコースター。その隣にはカップル御用達のカラオケ付き観覧車。ドームの向こうにはかまぼこ板を立てた様な東京ドームシティホテルがそびえ立つ。魚池高校二年の沢山(さわやま)くう子、コスプレ同好会と鉄道研究会所属、が誰かが来るのを待っている。

挿絵(By みてみん)

 彼女は鉄研に所属するやいなや、部費を使わせ駅弁を一日三食むさぼり、持ち前のコスプレの腕を発揮してヒッキーのeスポーツ部設立の為のプロモーションビデオに主演してユーキューブ再生五十万回超えを成し遂げた売り出し中のJKである。元カレの兼尾貢からもさんざん飲食代を貢がせていた。ちなみにおじいちゃん思いである。


 くう子、心の中で独白。

「(いきなり東京ドームシティホテルで待ち合わせなんて、池面ったら大胆過ぎない? あたしこんなところ初めてだよー)」

 くう子の足元にしずくが数滴したたり落ちる。

「(あれ、あたしったらはしたない。垂らしちゃった。しょうがないよね。今日は待ちに待ったスイーツバイキングだもん。よ〜し、元取るぞ〜!)」


 くう子はヨダレを足元に垂らしている。通行中の変身ヒーローが、

「ヨダレを拭いてから僕と握手だ!」

 と言っている。

「代金は男に払わせるつもりのくせに、元を取るもへったくれもないのであった。それにしてもあんた、兼尾貢(かねおみつぐ)と付き合っていたんじゃないのか? 今日は池面とデートなのか?」

 とのナレーションが流れる。


 くう子が反論する。

「あなたねぇ、兼尾君とシティホテルのケーキバイキング、どっちが大事だと思っているの? 馬鹿な事言わないで」


 そこに、

「くう子。おい、くう子!」

 という声がしてくう子は現実に引き戻される。

挿絵(By みてみん)


 はっと我に帰ると彼女は東京ドームではなく地元ちゅくば市のコンビニの前に立っている。道路標識には『ここは国道6号だっぺ。東京はあっちだけどちょっと遠いっぺよ』と書かれている。横にはバイクに乗った池面。


「(あれ、あたし立ったまま妄想の世界にトリップしてた)」

「待たせたな。さぁ乗れよ」

 と池面。

「乗る乗る〜」

 くう子もヘルメットを被り、二人はバイクに乗って地元ちゅくば市のコンビニから国道に走り出す。


 くう子はちゅくば市のコンビニで池面と待ち合わせをしていたのに、勝手に恐れ多くも東京ドームシティホテルの前で待ち合わせをしている自分を妄想していたのだ。


「今日はあたしの好きな所に連れて行ってくれるんだよね?」

「ああ。俺に任せとけ! 誰も俺のバイクと俺の女には手出しできないぜ! いいか、しっかりつかまってろよ! 俺はハイウェイキングだ!」


 ここでナレーターの解説が入る。

「池面。魚池高校三年。陸上部所属。以前三年のヤンキー女と二年の女子生徒に二股をかけていて、二人の女生徒の間で一悶着あった。ミルクがそれを解決に導いたのであった。今回はその二人の女生徒達とはさっさと別れ、沢山くう子とのデートのご様子なのであった」


 二人の乗ったバイクは国道を颯爽と駆け抜け、県道に入る。『田舎(竜ヶ崎市)方面はこっち』という標識があるがくう子の目には入らない。

「(ここから東京ドームシティホテルだと結構距離あるよね。秋葉原駅だっけ?)」

 とくう子は心の中で独白。

 ナレーターがツッコミを入れる。

「水道橋だよ。あんた鉄研部員だろ、覚えとけよ。なのであった」


ナレーターのツッコミに質問するくう子。

「(水道橋って秋葉原から山手線だよね?)」

 心の中で鉄研部長がツッコミを入れる。

「知ったかぶりしないで秋葉原から歩け、くう子よ。そんなに遠くないから」


 バイクはやがて古民家風の建物の前に止まる。

「さあ、着いたぞ」

「もう着いたの?」

 くう子がバイクから降りてヘルメットを外すと、

『茨城県竜ヶ崎市 藁葺(わらぶ)き村旅館 半兵衛』

 の大きな立て看板が目に入る。

挿絵(By みてみん)

(ちなみにこの古民家民宿は実在する。オーナーは作者の元嫁。今の所スイーツメニューは無い。野菜なら腐るほどある。GWでも正月でも予約は取りやすい)


『甘い物食べ放題あり〼』

 の張り紙。くう子は驚く。


池面君のAIイラスト、「みてみん」のサイトにアップしておきました。ソフトクリームをテーブルの上に垂直に立たせるのには苦労しました(笑)

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