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トーナメントに向けて

「ロゼちゃんったら過激ねーん。」


「まあ、今回はラングの方に非がある。なんせアイツの半分は悪ふざけで出来ているからな。」


「あらーん?じゃあ残り半分はーん?」


「・・・悪乗り?」


「・・・要するに100%ラングちゃんが悪いってことねーん。」


その通り。よく分かってるじゃないかオカマ野郎。


「まあ、それはそれとしてトーナメントに参加するならうちでアクセサリーを揃えていくことをおススメスルわーん。」


「ふむ、その心は?」


「アイテムの使用が制限されるんじゃあ、装備品の効果でカバーするしかないじゃなーい?値段は張るけど効果はお墨付きよーん。」


ああ、なるほど。特にアクセサリーなんかはHP自動回復とか特殊な効果を持つやつがあるからな。必然的にそうなるか。


「ウフフ、アルクちゃんたちがうちのアクセサリーを身に着けてトーナメントで活躍すれば、それだけでうちの顧客が増えるじゃなーい?」


ふむ、【アイゼンガルド】としても利があるってことか。ラングの言ったとおりだな。


「まあ、待ちなよ。アンタたちにはそれよりまずやるべきことがあるだろう?」


ヴィオレが割り込んでくるが・・・やること?その視線はアヴァンに向けられているが・・・


「な、なんなのだ?」


本人に心当たりが無いようだが・・・ああ。


「戦闘服か?」


「その通り、分かってるじゃないかい。」


「戦闘服?アルクたちの着ている物なのだ?そういえば皆色違いでお揃いのデザインのように見えるのだ・・・【アークガルド】の制服なのだ?」


・・・言われてみればそんな感じに見えなくも無いがそんな堅苦しいもんじゃない。


「これはヴィオレが俺たち用に作ってくれた服さ。そこらへんの防具よりも強力で有用な専用服さ。」


「専用服なのだ!?」


うんうん、ゲームの中で自分専用の物が手に入るのはテンション上がるよな。


「ならカイザーのレベリングを兼ねて戦闘服の素材狩りに行くか。あとは武器と防具だが・・・ガットがなぁ。」


「・・・約束を破るような奴じゃないから期日には間に合わせるんだろうけど、それまで引きこもってるだろうしねぇ。」


もう完全に引きこもり扱いのガットである。


「ふむ、そちらも興味はあるが今は良いのだ。どちらにせよ我々の装備は兵器中心になるのだ。そのガット殿には次の機会に頼むのだ。」


・・・ふむ、どちらにせよ武器と防具用の鉱石が手元に無いからすぐにとはいかないか。なんなら鉱石をそのままアヴァンに渡した方が強力な兵器が作れるかもしれないしな。


「ああ。じゃ、準備しておくからいつでも来なよ!」


「アクセサリーもねーん。綺麗な宝石を持ってきてくれたらサービスするわよーん。」


そう言って二人は帰っていった。服の素材はともかく宝石の方はアテも何もまったくなんだよなぁ。・・・【インフォガルド】で情報を買おうか?


「ふむ、戦闘服とやらはそれで良いとして、アルク、【アークガルド】としてはどのように動くのだ?」


アヴァンがある意味で当然の質問をしてくるのだが・・・


「んん?基本自由行動だぞ?行きたいところ行けば良いし、暇なら他の奴に付き添ってもいい。ホームでだらけても良い。一日寝てても良い。・・・ああ、アヴァンには兵器を作ってもらうかもしれないけどそれも強制はしないし出来ないからな。あくまで頼むだけ。」


「・・・えらく暢気なのだ。トーナメントに出るのではないのだ?」


「出るよ?でもだからって無理をするつもりは無いぞ?ゲームの中なんだから楽しまなきゃ損だろ。」


究極的に言えば俺たちは全員好き勝手やりたいことをやる為にゲームをやってんだから。それを忘れちゃ駄目だよねー。


「・・・ふむ、クランとしての方針は分かったのだ。ならばトーナメントに出るアルクたちを我やアーニャが応援するのも自由なのだ?」


「勿論、自由なのだ。」


「それならアーニャは精一杯応援するのです!!」


・・・アヴァンは良い子だねぇ。アーニャもだけど。


「シカシ、トーナメントナラメンバー同士デブツカル事モアルノデハ?」


ピシッと空気が凍る。おもいっきり水を差す事を言ってくれるねぇラグマリア。


「・・・大丈夫だ、ラグマリア。」


「?」


「俺が一位で、二人は二位争いだから。」


ピシピシピシッと凍った空気にヒビが入るのが分かる。


「・・・へぇ、それはつまり私達なんて相手にならないっと?」


いつも太陽のように明るいアテナさんがまるで日食にでもなったかのようにくらーい声と顔をしてらっしゃる。


「・・・舐められた物ですねぇ。自分は誰にも負けない、と?」


いつも冷静沈着なアルマさんが、絶対零度も逃げ出すようにさむーい声を顔をしてらっしゃる。前から思ってたけど煽り耐性低いよね、この二人。


「ハッハッハー。どうやら自分で自分のことが良くわかっていないようだな。お前達には共通した決定的な弱点がある!それが有る限りは決して俺には勝てないのだ!!」


ババーンっと指を挿しながら決める俺。


「・・・ピースサイン?なのです?」


・・・相手が二人いるから指を二本使うしかなかったのだ。


「・・・かっこ悪いのだ。」


ほっといてくれ。


「バカなことやってないで、何よ?私達の弱点って?」


「フッ、聞きたいか?それは!」


「「それは?」」


「・・・そんなデッカイ胸を引っさげて俺より早く動けるわけ・・・」


・・・しばらくお待ちください・・・


「さ、アヴァン、服の素材集めに行きましょうか?ラグマリアとカイザーも。」


「三人とも【幻獣界】は初めてでしたね。案内しますよ。」


「う、うむ。」「「了解シマシタ。」」


そう言って二人は去っていった。アヴァンたちを連れて。


「クルルー。」


唯一、アーテルだけがズタボロの俺を労わってくれる。俺の味方はお前だけだよ・・・


「あんな事言ったら当然なのです。」


おっとアーニャもいたのか。


「何であんな事言ったのです?」


アーニャも俺のセクハラ発言を気にかけているようだ。


「・・・俺が言ったことは半分は本当だ。」


「・・・確かにお二人はお胸が・・・」


いや、そこじゃねぇよ。


「じゃ無くて弱点云々の話だ。」


「弱点、なのですか?」


「ああ。」


あの二人は()()を隠している。いや、何かを俺たちに言えないでいると言った方が正しいか。そのせいか分からないがイマイチ俺たちに、というか俺に遠慮しているような気がするのだ。


このままではトーナメントで当たっても全力で楽しめ・・・戦えないんじゃないかと思う。そこでトーナメントに向けて発破をかけたのだ。


「ということだ。」


「つまり、アルクさんが全力で楽しみたかったからでファイナルアンサーなのです?」


「・・・ファイナルアンサーなのです。」


いかん、アーニャが呆れ気味だ。


・・・実は言いはしないがもう一つ理由がある。


アテナとアルマの関係だ。あのそっくりな容姿から双子かと思っていたが本人に否定された。姉妹でも従兄弟でもはとこでもないと言う。親子でもおばあちゃんと孫でもない。しかし赤の他人でもないと言う謎の関係である。


まあ、それは良い?として、あの二人、あんまり喋ってる所見たことが無いんだよねぇ。個人的にはあんまり仲がよろしくないんじゃないかと思ってたりする。


トーナメントである以上、アテナとアルマがぶつかる可能性があるわけで、仲がよろしくない二人がぶつかれば、さらにギクシャクする可能性もあるわけですよ。そこで共通の敵?である俺、出現である。俺を倒すために二人が共闘、もしくは負けた方が勝った方を応援できる形に持っていければベスト。


憎まれるのは俺一人、というわけさ。フッ。


大きなお世話だって?うん、知ってる。


「・・・何を考えているか分からないのですが、アテナさんもアルマさんもアルクさんのことが考えている事が分かるみたいですから、多分駄々漏れだと思うのです。」


・・・


・・・


・・・


・・・そんなバカな。

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