お約束といえばお約束
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先ほどまでいた【転移装置】前まで戻ってきていた。ここでこのままバラけるつもりだったんだが・・・
「だから行かないって行ってるでしょ!!」
「まあまあ、そう言わずに。二人じゃあ危ないよー。」
「あなた方に心配されるいわれはありません。」
「そんなこと言わずに一緒に行こうよー。こうみえて強いんだよ俺らー。」
・・・女性二人がガラの悪い男達に絡まれてる。
「何だあれ?なんかのイベントか?」
「いやあれはみんなプレイヤーだよ。NPCなら【メニュー】で表示設定できるから。」
「あんなテンプレなナンパイベント、このゲームにはないわい。」
そうなのか。どこにでもチャライ奴っているんだな。しかし、女性二人のほう・・・
「へぇ、【天使】と【魔族】の組み合わせなんて珍しいね。」
そう女性たち、服装こそ村人Aみたいだが片方は純白の翼が、もう片方は頭に立派な角が生えている。
天使のほうは紅い長髪に紅い瞳、翼も白いが肌も白い。背が俺と同程度に高くモデルのようなスタイルをしている。魔族のほうは対象的に蒼い長髪に蒼い瞳、同じようなスタイルだが肌が若干黒く、漆黒の角が頭の両側に生えている。
そしてなにより顔つきがほとんど一緒だ。誰がどう見ても双子だ。天使と魔族の双子とはマニアック。
だが一番の問題は【転移装置】の真ん前で堂々と揉めてることなんだがな。はっきり行って邪魔。ほら他の人たちも集まってきてるし、失せろ野郎ども。あ、女性のほうは残ってていいぞ。
「フム、助けてあげたらどうだい?アルク。」
「・・・なんで俺が?確かにぶっ飛ばしたいヤツラだが・・・。通報すればいいじゃねぇの?もしくはお前が行け。」
「あいにく揉め事は苦手でね。それにまだ状況がわからないうちに通報するのは悪手だよ。下手をしたらお咎めなしで戻ってくる上、余計な恨みを買う。」
頼りにならねぇ。俺はガットのほうを見た。
「キャラじゃない。」
お前、そんなダンディな顔してキャラじゃないって。
「ホラ、早く行きなよ。もう殴り合いに発展しそうだよ。といってもこのエリアではPvPなんてできないけどね。」
なんで俺が行く空気になってんだよ。つっても明らかに邪魔だしなー。見捨てるのも悪いしなー。二人とも美人だしナー。シカタガナイ。周りに大勢人がいるし何とかなるだろう。
「おう、邪魔だ、お前ら。」
声を低めにガラが悪い感じで話しかける。野郎どものほうに。どうも相手は男三人組みのようだ。
「あん?何だお前。」「今、話し合いの途中なんだよ!」「引っ込んでろ!」
・・・息ぴったりに言葉を繋ぐとは、無駄に凄いな。
「引っ込むのはお前らだ。周りを見てみろ。お前らどこで騒いでるのか判ってんのか?」
言われて初めて周りを見る男達。そうだ、そうだーと野次を飛ばす野次馬たち。
「う、うるせー!どこで何しようが俺達の勝手だろうが!」
うわー逆切れしてやがる。おとなしく引っ込めばいいものを。
「あそこのエルフとドワーフが一部始終を録画してたんだが・・・、その動画をどうしようが俺達の勝手だよな?」
どさくさにまぎれてラングとガットを巻き添えにする俺。ちなみに録画というのはハッタリです。だが、熱くなっていた男たちの頭が冷えていくのがわかる。ようやく状況がわかったようだ。
「な、何言ってんだ!俺達はまだ何も・・・」
「していないかもしれないけど、自分たちの言った事は覚えてるだろ?あとはこの子たちが迷惑だと訴えれば立派な迷惑行為、だろ?」
俺は女性二人に目をやる。う、美形!直視するのがまぶしいデス。
「ええ、そうね迷惑していたわ。」「何度断ってもしつこかったです。」
俺の心の中の葛藤を無視して、二人は俺の話に合わせてくれた。感謝感激、アメアラレ。・・・さっきから何言ってんだ俺?
「チッ!」「おい、どうする?」「ど、どうするって・・・」
アタフタしだした男達、いや正確には二人だけか。一人は舌打ちして黙って俺を睨んでいる。コイツだけ他二人と違うな。ケンカ慣れしてんのか?ここが現実だったら殴りかかってきたかもしれない。まあ、そうなったら正当防衛できるんだけど。
「まあまあ、みんな落ち着いて!」
俺と男の睨みあいの中をラングの奴がわざとらしく割って入ってきた。何やってんのコイツ?
「両者ともこのままじゃ収まりが付かないだろう?どうだろう、ここはPvPで決着を付けるって言うのは?」
は?ホントに何言ってんのコイツ?収まりが付かないのは男達だけだろ?後はコイツラが逃げ帰れば良いだけジャン?
「あ?お前何言って・・・お、お前!【インフォガルド】のラングか!」
あら?なんか雲行きが怪しくなってきたぞ?ラングって結構有名だったのか?・・・やっぱお前が行けばよかったんじゃ。
「【インフォガルド】って情報系クランのトップクラスの!?戦闘系の大手クランにもつながりもあるって言う!?」
「どうやら僕の事も知っているみたいだね。だったら判るよね。プレイヤー同士の揉め事は通報するか・・・。」
「PvPで決めるのが暗黙の了解、か。わかった、オイお前付いて来い、PvPエリアに行くぞ!」
え?俺が行くって決まっちゃったの?暗黙の了解って何?
呆然とする俺の肩にガットの奴が手を置きながら、
「GOOD LUCK!」
ダンディな笑顔で言い放ちやがった。
おまけ 某掲示板より抜粋
515:名無し
まーたナンパしてる奴がいるよ
しかもポータル前
クソ邪魔す
516:名無し
またか勧誘じゃないんだな?
517:名無し
んー?
勧誘にも見えなくもないが男3人で美女2人にせまってんだぜ?
518:名無し
あー、なんぱだな
519:名無し
軟派
520:名無し
てか見てないで助けてやれよ
521:名無し
いや、おれ、その・・・(;´・Д・)スマソォ
522:名無し
つかえねー
523:名無し
勇気出せよ
524:名無し
せめて通報したら
525:名無し
ううみんながいじめる
そうだな通報を・・・
あ、だれか助けに入った
526:名無し
お、勇者がいたか
527:名無し
オレもそれらしき現場にいる
3人組みに1人でケンカ売ってるぞ!
528:名無し
マジ?
マジで勇者?
529:名無し
あ、他の人が仲裁に入った
どっかで見た事があるような・・・
530:名無し
どうやらPvPで決着付ける模様
531:名無し
まじか
通報すりゃあいいのに
532:名無し
マジ勇者
見にいこっかな
場所どこ
533:名無し
始まりの街のPvPエリアのコロシアムだって
534:名無し
あ、ポータルで行ける
ちょっとのぞきにいこ




