クランメカロイド
『禁断の兵器の撃破に成功しました。』
アナウンスが響き渡る。
『クランクエストをクリアしました。
参加者全員に10万Gを贈呈します。
初回クリア対象者にSP5を贈呈します。
初回クリア対象者に称号【機械を制する者】を贈呈します。
クリア報酬として【クランメカロイド】を贈呈します。』
どうやら巨大黒ロボットを撃破できた・・・らしい。アナウンスがあった以上、それは間違いないのだが・・・
とりあえずアーテルたちは召喚時間切れが近いので一旦送還することにした。若干寂しそうにしていたが戻ればまたお菓子にありつけるのでさっきほど暗くは無かった。・・・決して主よりお菓子を取ったわけではない・・・と思う。
さて、それは良いとしてクエストのクリア、正直な所、俺たちはそれを信じきれないでいる。それは・・・
「・・・」
その倒したはずの巨大黒ロボットが目の前にいるからだ。何時もだったら、モンスターだろうと機械兵だろうと倒せば消えていくのだが・・・
目の前の黒ロボットは消える様子はない。と言うより片膝をついて、まるでこちらを敬うかのように待機している・・・ように見える。
黒ロボットの胸の赤い玉は完全に消え去り、本来の物と思われる機械のボディーが見えていた。これはガティアスの支配から逃れられたという解釈で良いのだろうか?
そして気になる事がもう一つ。
「・・・【クランメカロイド】って何だ?」
クリア報酬だと言う【クランメカロイド】とやらがまったく見当たらない。何時もであれば【収納箱】に自動的に送られているのだが、誰の【収納箱】を見てもそんな名前の物は影も形も無い。
「・・・贈呈するとあるのに、誰の【収納箱】にも無いということは・・・そういうことなのだ?」
そういうことなのだろう・・・多分。
改めて黒ロボットを見ると、黒ロボットの方も顔を上げ、俺を見た(正確には目のセンサーが赤く光っただけだが)。
「・・・本機ヲ忌マワシキ呪縛ヨリ解キ放ッテクレタ事ヲ感謝シマス。」
「喋った!!」
機械的な男性の声が目の前の黒ロボットから発せられた。・・・口が無いのに喋れるのね。どっかにスピーカーでも付いてるのか?
「・・・お前、喋れるのだ?ならば問いたい、お前はなんなのだ?」
アヴァンの奴が興味津々に話しかける。適応早いね、君。さすがうちの機械担当(今決めた)。
「本機ハ対ガティアス用人型機動兵器、通称【クランメカロイド】デス。」
おお、ご丁寧に自己紹介を始めたぞ。そしてやっぱり【クランメカロイド】ってコイツのことだった。
「対ガティアス用人型機動兵器、【クランメカロイド】、初めて聞くのだ。お前を作ったのは誰なのだ?」
「・・・データベース検索中・・・データ欠損確認・・・申シ訳アリマセン。データニ破損ガ生ジテイル為、オ答エデキマセン。」
出自は不明か。まあ、謎の機動兵器ならお約束だよな。
「ふむ、では何故お前は武術系のスキルや魔法系のスキルを使えるのだ?お前は所謂ロボットなのだ?」
「本機ハ搭乗者ノ支援及ビ、搭乗者ノ”チカラ”ノ増幅ヲ目的トシテ開発サレテイマス。ナノデ本機ノ使用デキルスキルハ全テ、搭乗者ニ依存シマス。」
・・・なんか聞き捨てならないことを言ったぞコイツ。
「搭乗者?つまりお前は人を乗せるタイプのロボットってことか?」
思わず俺も口を出してしまう。
「肯定デス。本機ハ搭乗者6人ガ揃ッテ初メテ最大ノ効果ヲ発揮シマス。」
そう言うと黒ロボットの胸の部分がカパっと開いた。中に操縦席らしき物が見える・・・6人分。何故6人分?ガ○ダムではなく戦隊○ボだったのか?
「・・・なぜ搭乗者が6人なのだ?6人で操縦が必要なのだ?」
「本機ノ操縦ハ1人デ行エマス。残リノ5人ハ【スキルアシスト】ニナリマス。本機ハ搭乗シタ人間ノスキル全テヲ増幅シ、使用スルコトガ出来マス。」
ちょっと待て、それって・・・
「んん?どういうこと?よくわかんないんだけど・・・」
アテナはピンと来なかったようだ。アルマやアーニャも同じく。
「つまり、俺たち全員が乗った場合、操縦は俺一人でできるし、アテナやアルマの魔法も使えるってことか。それも普段より威力増しで。」
「肯定デス。皆様トノ戦闘デハ本機ニ憑リツイタ【ガティアス】ノ影響ト思ワレマス。」
つまり、1体で6人分以上の戦力になる。いや、6人の戦力を1体にまとめてプラスアルファしたって所か?プラスアルファの部分が不明だけど、って待てよ?
「お前、最初2メートルサイズだったよな?何で縮んでたんだ?」
人が搭乗するのが前提の兵器ならあのサイズはおかしいだろう。どう見ても人が乗れるサイズじゃない。・・・まさか小人用か?
「本機ニハ2種類ノ形態ガアリマス。搭乗者ヲ必要トスル現在ノ【メカロイド】形態ト、独立稼動可能ナ【ヒューマロイド】形態デス。【ヒューマロイド】形態デハ本機単体デ戦闘可能ナ他、スキルノ取得ヤ武装モ行エマス。【メカロイド】形態ニ制限ガアル場合ハ【ヒューマロイド】形態デノ使用ヲ推奨シマス」
つまり、ラグマリアのようなアンドロイドの【眷属】と同じ扱いか。要するに人間サイズと巨大サイズに使い分けできるってことか。しかも巨大サイズの場合は乗り込んで戦う事ができる、と。随分便利な奴だな。
なんにせよ、巨大ロボットに乗って暴れると言うのも面白そうだ。アヴァンも頷いている。まるで新しい玩具を手に入れた子供のように目がキラキラしている。
「・・・そうだ、お前、名前は?【クランメカロイド】って名前じゃないだろう?」
「・・・データベース検索中・・・データ欠損確認・・・申シ訳アリマセン。本機ノ名称ハ不明デス。新タニ本機ノ名称ヲ決メテクダサイ。」
そう言うと【メニュー】が開き、名前入力が現れる。俺のところに来たのは俺がクランリーダーだからか。
「名前を決めろだってさ。皆、何が良い?」
「リーダーに任せるわ。」「右に同じく。」「アルクさんにお任せなのです!!」
「カッコいい名前にするのだ!!」「リーダーノセンスガ問ワレマスネ。」
まさかの全員丸投げである。
「おいおい、それで良いのかよ。アヴァンは特に。」
機械担当だろ、お前。俺が勝手に言ってるだけだけど。
「今、ヘルプに追加された【クランメカロイド】の説明を読んだのが、どうもクランの共有眷属と言う扱いになるようなのだ。それなら我個人のものではないのだ。クランのリーダーが決めるのが一番なのだ。」
・・・ああ、クランの持ち物だから【クランメカロイド】なのか。いや、それなら全員で決めるべきなのでは?・・・長引きそうだな。うん、リーダー特権で俺が決めよう。
「・・・じゃあ【アークカイザー】で。」
シンプルイスベストで、分かりやすい名前にした。
「シンプルね。」「分かりやすいです。」「強そうです。」「良いのではないか?」「・・・」
皆それぞれ何か言っているが文句は聞きません。リーダー権限です。・・・ラグマリアさんが何故か無表情で黙り込んでいるが無視します。
「名称確認、本機ノ名称は【アークカイザー】デス。」
うんうん、色々予想外だったが、こうして俺たちに新たな仲間が加わったのだった!!
・・・一気に増えたなぁ。
なんて感傷に浸っていると・・・
ドドォーン!!
基地全体を揺るがすような地鳴りが鳴り響く。地震か?
「基地外ニ巨大反応アリ。」
ラグマリアが答えてくれているが・・基地外?とそこにまたアナウンスが。
【緊急特別クエスト マーズ前線基地を脱出せよ!】
勝利条件:マーズ前線基地からの脱出
参加制限:【クランメカロイド】の搭乗
備考:このクエストにおけるペナルティは発生しません
・・・これは・・・【クランメカロイド】・・・いや【アークカイザー】に乗って脱出しろってことか。
「皆様、本機ニ搭乗願イマス。」
どうやらそう言うことらしい。
さっそく【アークカイザー】の力を見せてもらおうか。
作者のやる気とテンションを上げる為に
是非、評価をポチっとお願いします。
m(_ _)m




