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強くなるために

【アークガルド】メンバーが揃い、フルーツシャーベットでわいわいしていると、例によって例の奴らが現れた。


ご存じ、ラングとガットである。


「出たな、いやしんぼ共め」


「誰がいやしんぼじゃい!?」


「僕らは君に呼ばれて来たんだよ?」


俺の発言に断固反対の姿勢を示すガットとラングだが・・・


「なら、その手に持ってる物は何だよ?」


「「はっ!? いつの間に!?」」


既にフルーツシャーベットを手に持ち、頬張ってる奴らが言ってもまるで説得力が無い。


思えばこいつらってここに来たら何がしら食って帰ってる気がするな。既にこいつらも餌付けされていたか・・・


「アルクさん、どうぞなのです」


「む、すまんなアーニャ」


アーニャが持ってきてくれたのはキンキンに冷えたコーラとスイカのシャーベット・・・現実だったら頭が痛くなりそうな組み合わせだが、ゲームの中なら無問題! というわけでシャクシャクシャク、ゴクゴクゴク・・・美味い!


・・・俺も餌付けされているような気がするが気のせいだろう。


「・・・それで? 僕たちを呼びつけた理由は何だい?」


「ああ、実は昨日、かくかくしかじかジュージューボーボーな事があったんだ」


「・・・何一つ状況が理解できんのじゃが・・・」


まったくガットの奴は相変わらず察しが悪いな・・・


「大方、強敵にぶつかってボロ負けしたから情報が欲しいって所なんじゃないかい?」


ラング・・・お前は察しが良すぎだ。エスパーかよ。


・・・


・・



「なるほど・・・そんなことがあったとはねぇ」


「ふうむ・・・」


仕方ないので昨日あったアミネとの出来事について詳細を二人に伝えた。そして今度は二人に用件を切り出す。


「まず、ガット。昨日の件で大量のモンスター素材が手に入ったし、特に【風王鳥フレースヴェルグ】の素材からが強力な武器防具が作れるはずだ。というわけで頼む」


大量に入手した素材を半ば押し付けるようにガットに渡す。


「これは・・・ぬぅ、見たことのない素材ばかりじゃのう。【幻獣界】のスカイエリアと言ったか・・・そこではこのような素材が取れるのじゃな」


どうやら、ガットを始めとした【アイゼンガルド】は【幻獣界】のスカイエリアはノータッチだったらしく、ガットは新しい素材を目の前にしてテンションが上がっているようだ。


「スカイエリアについては僕たち【インフォガルド】も多少の情報はあったけど・・・まさか【戦艦】の登場で一気にそこまで進むとはね」


ラング曰く、スカイエリアは基本的に空を飛び続けることができる者だけが立ち入れる場所だ。


ここでポイントなのは空を飛べる者、ではなく空を飛び続ける者であることだ。


俺たちも実際に行って見て知っているが少なくともスカイエリア1から4までは足場という足場が無い。スカイエリア5になってようやく浮遊小島が出てきたくらいだ。


つま、プレイヤーからすればスカイエリア5まで延々と飛び続けなければいけないことになる。これが結構な苦痛なのだそうだ。


プレイヤーの中には空を飛べる者も多い。それは【魔法】を使ったり【兵器】を使ったり【眷属】に乗って行ったり、はたまた別のスキルを使ったりと様々なのだが、さすがに何時間も空を飛び続けるというのは厳しいらしい。


【魔法】だったらMP、【兵器】だったらエナジー総量、【眷属】だったら疲労の蓄積、その他に方法についても何かしら消耗する上、なにより精神的ストレスというものが半端ないらしい。


例えば地面がある場所なら、そこで立ち止まって休憩ということもできるだろうが、空の上ではそれもできない。なんせ足場が無いから。


そんなわけでスカイエリアはプレイヤーたちから敬遠されていたのだが、【戦艦】の登場で一気に解決してしまった。何せノーリスクで宇宙まで上がってしまう代物だからな。


とは言っても【戦艦】自体、持ってるプレイヤー、クランは少ないらしいが。なんせ値段がバカ高いし。


だが、今回のスカイエリアの情報が拡散すれば【戦艦】を買い求める者たちが増えるだろうとのこと。


だが・・・


「悪いがラング。スカイエリアの情報を拡散するのは少し待ってくれないか?」


俺の提案に驚いたのか、ラングが理由を聞きたがる。


「・・・どういうことだい? 君の口からそんな言葉が出てくるなんて・・・理由は?」


当然、それは知りたりだろうな・・・仕方がない。


「勿論、理由はあるが・・・しばらくは口外しないと誓え。さもなくば・・・」


「さもなくば?」


「・・・アーニャの料理は永遠に食べられなくなるだろう」


「いかなる拷問をもってしても決して口を割らない事を誓うよ」


そこまでか(笑)。まあ、気持ちはわかるが。


「ガット、お前もだぞ」


「わかっとるわい!」


二人から承諾を得たことで、【卵獣エッグラン】と【美食卵エッグランエッグ】について説明する。


「なるほどねぇ・・・事情は分かったよ。どちらにせよ、僕たち【インフォガルド】も【戦艦】を購入しないと検証できないだろうし、情報の拡散はしばらく先になるだろうね」


と言う事で話はまとまった。まあ、いずれは誰かに見つかるだろうし、早いか遅いかだけの話でしかないからな。少なくとも広く拡散されるまでは俺たちの分の【美食卵エッグランエッグ】を確保しておきたい所だ。


・・・話が脱線してしまったが、ラングへの頼みはこれじゃないんだ。


「ラング、今の情報の対価はいらない。代わりに頼みがある」


「【鎧王亀アダマンタートル】とやらの捜索かい?」


ふむ、気づいていたか・・・【鎧王亀アダマンタートル】から【アダマンタイン】・・・上級素材がゲットできると分かった以上探さない手は無い。


ただ、それだけではなく・・・


「それもあるが・・・アーニャたちの【転生】先について相談に乗ってやってくれ」


現在、【アークガルド】メンバーの中でプレイヤーで【転生】を行っていないのはアーニャ、アスター、アシュラの三人。【眷属】たちの【転生】先はほぼ固定らしいのだが、プレイヤーの【転生】先は多岐に渡る為、真剣に選ぼうとすれば時間がかかる。


それに加えて、先日のアミネとのやり取りも相まってアーニャたちはそれぞれの特徴を生かせる【転生】先を真剣に検討しているのだそうだ。


そこで餅は餅屋、情報通のラングに相談すれば良いんじゃないかと提案してみた。ラングの方もきちんと対価を渡せば嫌とは言わないはずだし、相談相手としては俺より上のはずだ。


「なるほどねぇ・・・わかった引き受けよう」

(*・ω・)*_ _)ペコリ


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