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圧倒的な力

「ウフフのフ、これで形勢逆転なのよ」


・・・嫌味なのか天然なのか、アホっぽい感じで得意げに語るアミネ。元々、数の利はこちらにあったが、形勢はアミネの方に傾いていたと思うんだがな。


って今アミネよりも先に対処しなきゃいけない問題がある。


「アーテル・・・」


「ク、クル―・・・」


苦し気に鳴くアーテル。その様子から、決して自らの意志でアミネ側に立ってる訳ではないという事がわかる。


「ピュイー」「ガオー」


「キュイー」「キュアー」「キュウー」「キュンー」


ブランたち他の【眷属】も同じだ。体が勝手に動いていても、その目は自分の意思ではないことを訴えかけている。


どうやら、アミネのあの歌声はモンスターを操る効果があるようだが、その意思までは操ることはできないようだ。・・・しかし、これはある意味で完全に操られるよりも酷い状態だな。


なにせ、自分の意思を()()()()()仲間に攻撃することになるわけだからな。精神的ダメージがえげつない。そしてそれを理解している俺たち側も迂闊に攻撃することができないわけだ。


そこまでアミネが計算してアーテルたちを操っているのかは不明だが、俺たちに対してはかなり有効な手段だ。なにせ俺もアテナもアルマもアーニャも【眷属】たちを溺愛しているからな。そんな【眷属】たちを攻撃などできようはずもないのだ。


だが、さすがの俺もアーテルを奪ったアミネに対してはかなり腹が立ってきた。


「だう! だうー!!」


ほら、アウルだって怒って・・・ん?


「アウル? アウルは操られていないのか?」


「だう?」


そういえばアウルだけは俺たちの側に残ったままだった。これは、まさか・・・


「ワタシが操れるのはモンスターだけなのよ!!」


・・・アミネよ、予想はしていたがあっさり自分から暴露して良いのか? 結構重要な情報だと思うんだが? ある意味で自分の弱点をバラしたのと同じだぞ?


まあ、今更暴露したって戦局は変わらないから喋ったんだろうが・・・いや、特に何も考えていないだけか。


「ちょっとアンタ! レオーネを返しなさいよ!!」


「そうですよ! 私たちの【眷属】を盾にするなんて卑怯ですよ!!」


アテナとアルマが至極正当な主張を訴えかけるが、当然それをアミネが聞き入れるわけがない。


「・・・そういう所が弱いと言っているのよ。モンスターの中には【催眠】とか【魅了】とか【操演】とかのスキルを使う奴だっているのよ? 大事な【眷属】なら奪われる前に敵を倒すなり、対策をしておかなきゃ駄目なのよ。所詮この世界は弱肉強食なのよ」


「「クッ・・・」」


おうふ、まさかのアミネから二人以上の正論がかえってきたぞ。正論って言っても脳筋というか強者の正論だが・・・確かにアミネの言う通り、自分たちの力を過信せずにどんな状況に陥っても大丈夫なように準備しておくのが冒険者ってやつなんだろうが・・・まさかアミネに諭されるとは。実はアミネって賢い奴だったりするのか?


少なくとも口での説得は無理そうだ。


「アミネさんアミネさん。親子丼をもう一個あげるのでブランちゃんたちを返してほしいのです!」


と、そこでアーニャがまさかの食べ物で釣る作戦に!? いや、いくらなんでもそれは・・・


「え、ホントなのよ!? じゃあ今すぐ返して・・・ってダメダメ! 駄目なのよ! そんな手には乗らないのよ!!」


・・・今、完全に乗りそうになったよな、アミネ。やっぱアホの子なのか?


「それよりも・・・さあさあ、どうするのよ! 今なら参りましたって言って親子丼を差し出せば勘弁してあげるのよー?」


あ、やっぱり親子丼は欲しいんだな。しかし・・・確かにアミネの実力や能力は本物だ。俺たちを足手まといと呼ぶのも納得できるほどに。


だがっ! このまま・・・アーテルを奪われたまま、負けを認められはずがない!!


「すまん、アーテル! アーテルを【送還】!!」


「クル!?」


俺がそう宣言すると、アーテルの体が光に覆われると共にクランホームへと【送還】されていった。


「あちゃ~、気づかれちゃったのよ」


やはり! 敵に操られていようがどんな状態なんだろうが、アーテルが俺の【眷属】であることには変わりない。ならば【送還】スキルも有効だろうと予測していたが・・・正解だったようだ。


【送還】が有効であることをを知ったアテナたちも、レオーネたちを次々と【送還】していった。


【送還】してしまえばもうアーテルたちにアミネの声は届かない。これでアーテルたちは解放されたはずだ。


・・・だが、こちらの戦力が激減したことも確かだ。


「むむむ、そこのお兄さんはカンが良いのよ。戦い慣れしているのよ。でもどうするのよ? 残った人たちだけでワタシと戦うのよ?」


・・・そう、そこが問題だな。


このままアミネを逃がすつもりは毛頭ない。しかし、数の利はまだこちらにあるが実質的な実力はアミネの方が高いだろう。


アミネの実力は異常だ・・・アシュラやアスターをあっさり倒した実力を見るにアニスやアギラと同等・・・いや、それ以上にアミネは強い。アニスやアギラもそうだったが・・・どうしてここまで実力の差が出る? 俺たちだって相応のレベルのはずなのに。


「アミネさんは一体どうやってそこまで強くなったのです?」


と、俺と同じ疑問を抱いたらしいアーニャがド直球でアミネに問いかけるが・・・さすがにそこは答えてくれないだろ。


「ムフフのフ・・・それはずばり、累積レベルの差なのよ!!」


って教えてくれんのかよ。


そして累積レベルってなんじゃい。

(*・ω・)*_ _)ペコリ


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