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結局何かはわからない

何かってなんだよ・・・って、ゲームシステムに邪魔されて伝えられないから何かなんて表現してるんだろうが・・・それじゃあ分かんねぇよ。なんなんだよ、何かって。


答えの出ない堂々巡りである。


「その何かっていうのは分からんが・・・要するにこのゲームのなんとかってやつが、アミネ達の精神が7つに分裂した原因で、それを解消する手段もこのゲームの中にあるってことなのか?」


「そういう事なのよ! 貴方、中々呑み込みが早いのよ!!」


お褒めにあずかりどーも。でも理解は全然できていないんだけどな?


精神分裂の原因がこのゲームの中にあるだと? なんなんだよそれは。このゲームってそんな危険な物を内包しているのか?


そもそもアテナたちから聞いていた事情とアミネの言ってることはかみ合っていない。俺が聞いていた話ではアテナたちの治療のためにこのゲームにログインさせてると聞いていた。だが、アミネの話によるとこのゲームの方が原因で・・・一体どうなってるんだ?


「「・・・」」


アテナとアルマの困惑気味な表情を見るに、二人も初耳っぽいな。


んー・・・なんでかは分からないがアテナたちの事情っていつも二転三転するんだよなぁ。最初はアテナとアルマの二重人格だって聞いていたのがアニスとアギラが追加されて四重人格になって、最後にはアミネ達も含めて七重人格になったり、とかな。


アテナたちの両親もアテナとアルマ以外の人格の存在は認識していないという話だったが、アニスたちはもちろん、アミネでさえ自分たちの体の状態がどうなっているのか、アテナとアルマ以上に正しく認識しているみたいだし。


アテナとアルマ、その両親たちと、アニスやアギラ、そしてアミネ達。この両グループで情報量に差がありすぎる。どうしてアミネたちはそんなに詳し過ぎるのか、あるいはアテナたちはどうして何も知らな過ぎるのか?


それが分からない。そもそもアミネの話を根本から信じて良いのかって話もあるのだが。


「・・・アニスやアギラはそのことを知ってるのか?」


「勿論なのよ。だから二人は怪しい奴と手を組んじゃったのよ。でもワタシはそんな連中は信じられないのよ」


ふむ、アニスたちが手を組んでる怪しい奴っていうのは、おそらく運営側の人間だろう。確かにゲームの中で探し物をするっていうのなら、これ以上に適任な人間はいないな。


にも拘わらずアミネはそんな人間すら信じられないという。まあ、ウィキッドみたいな野郎を信頼できるかって言われたら俺には無理だが。


「怪しい連中だから信用できないっていうのは分からんでもないが、このゲーム世界で探し物をするのなら表面上でも手を組んでいた方が良いんじゃないか? 少なくともアニスもアギラもそう判断したんだろうしな」


アニスやアギラだって何も考え無しに連中と手を組んでいるわけじゃないだろう。実際、二人の様子を密限りでは他の連中との信頼関係があるようには見えなかった。おそらく利害関係だけで繋がっているんだろう。


しかし、それでもこの広いゲーム世界を闇雲に探しまわるよりはマシなはずだ。手を組むのが運営側の人間であれば、既にその探し物の在り処を知っているかもしれないし、入手も容易になる可能性が高いはずだ。そう判断したからこそアニスもアギラも、怪しい連中とも手を組んでいるはずだ。


そう思ったのだが・・・


「だからー、そこが勘違いなのよ。このゲーム世界の()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のよ! 現に運営連中もエリア8以降にはやってこないのよ」


・・・どうやらアミネはその怪しい連中は役に立たないと思っているようだ。


運営でも把握できていない? エリア8ってことはLv.80前後のモンスターが出るエリアってことだよな? プレイヤーのレベルキャップを超える敵だ。プレイヤーが足を踏み入れることができないのは分かるが、運営側の人間もっていうのはどういうことだ?


「ムッフッフ、貴方たち、何にも知らないみたいなのよ。特別に教えてあげるのよ! 良い? このゲーム世界を作ったのは人間じゃなく・・・【XXXXXXX】なのよ!!」


「・・・?」


・・・何言ってんだ、コイツ? ゲーム世界を作ったのは人間じゃない? しかも肝心な所がまた聞き取れなかったんで本当に何言ってんのか分からないんだが?


「だから、その・・・なんて言ってるのか分からないんだが?」


「はう!? 痛恨のミステイクなのよ!?」


そりゃあ痛恨だよね。なにせついさっき同じミスをしたばかりだからね。天然もここまで来ると呆れるよね。


「ウヌヌヌヌ! ・・・とにかく【XXXXXXX】のせいで、私たちの精神がこんな事になっちゃったのよ! だから【XXXXXXX】から作り出された7つの世界のどこかに、何とかする方法があるはずなのよ!!」


・・・うーむ、具体性の欠片もないが、とりあえずアミネの言う事を信じるなら、7つの世界のどこかにアテナたちの多重人格を何とかする方法が転がっていると。ただし、それは運営にも見つけられない場所にあると。


・・・胡散臭いなぁ。胡散臭いのだが・・・


「その何かってやつを、君やアニス、アギラ、それと残りの二人も探しているんだな?」


「そういう事なのよ!」


・・・なんで偉そうに踏ん反り返っているのか知らないが、とりあえずアテナとアルマを除く五人が探しているとなれば信憑性はあるか。


ただアミネと残りの二人は、アニスやアギラのように誰かの手を借りることなく自分たちでその何かを見つけようとしているみたいだ。効率的とは言えないが、信用云々で言うなら分からない話ではない。


逆に言えば信用できる人間が居れば手伝ってもらうのもやぶさかではないはずだ。少なくともアミネはアニスやアギラのようにアテナやアルマに敵意を持ってるわけではないみたいだしな。


それなら・・・


「それなら・・・アミネ。その何かってやつを俺たちと一緒に探さないか?」


手を取り合うことはできるはずだ。少なくとも敵対する理由は無いんだからな。


「んんー? ヤーなのよ」


・・・にもかからわず無下に断られてしまった。orz


「・・・なんで?」


「だって貴方たち・・・弱いのよ。足手まといなのよ」


・・・ムカッと来た俺は悪くないと思う。

(*・ω・)*_ _)ペコリ


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